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PAP-JAPAN代表、川井眞理のお仕事(以外もてんこ盛り)日誌

老衰プラティに思うこと

2006-06-10 | 熱帯魚
シニア問題を研究している私が老衰プラティを観ることになるとは皮肉です。プラティとはオレンジ色の体に黒いヒレや尾っぽの縁取りが可愛い金魚、いや熱帯魚です。ゴールデンウィーク直後まで2匹のメスが交互に出産していたのに、出産後1匹が急に老化し始め、今は体の平衡を保つこともままならず、尾びれの下がった状態で怪しげな泳ぎを繰り返しています。平衡感覚がおかしくなり、体の水平を保てなくなるのが魚の老化です。可愛そうですが、このプラティの死はそう遠くないでしょう。

と思っていたら、もう1匹も急に迷走ならぬ゛迷泳゛を始めました。こっちは頭を下に、体がほぼ垂直になってしまい、水草にでも体をひっかけないと水平になりません。移動したい時はびゅーっと゛ダッシュ泳ぎ゛をするので、底の小石や流木に顔をぶつけ、口と頬の辺りが少し傷ついているのがまた痛々しい。困ったことに、こちらは妊娠中です。もうまもなく産まれそうな気配ですが、どうなるのか、予断を許さない状況です。

グッピーもプラティも、メスは生きている限り頻繁に出産を繰り返し、そして寿命が来るといきなり老いてヨレヨレになるようです。「昨日まであんなに元気だったのに?」と信じられないことが゛コマ早送り人生゛のように魚の身に起こります。多分、本人?は体が水平を保てない不便以外は何も感じていないと思いますが、これほど「生きることは子孫を残すこと」に直結している生物をはっきり見ると何だか切なくなります。

「生理の終わった女はもはや女ではない」「生殖機能がなくなった女が長生きするのは資源のムダ」といった発言をして女性たちから大ブーイングを浴びた石原都知事をはじめ、爺政治家には臆面もなく同種の発言をする゛おやじ゛が絶えません。人間のメスは何故女としての機能が終わったあとも延々長生きするのか?ムダを何一つ作らない造物主には、浅はかな人間たちとは別の考えがあるような気がしてなりません。それを探るのもシニア研究の一端かなと思ったりしています。