ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Murder Wears a Cowl:8

2013-09-16 14:54:30 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

コーベットは,前日の夜,ラナルフが勝手にメアリー・ネビルに会った事についてかんかん。しかしラナルフは,メアリーがサマービル夫人に会った最後の人物だし~と,言い訳,もちろん,コーベットからのお遣いという事にして,行ったのだそう(笑)

次にコーベットは,ウィリアム・センチェとアダム・ウォーフィールド,及びウォーフィールドのでぶっちょの友人リチャードを,王の名で酒場に呼びつける。
まずはサマービル夫人が遺した書き物を彼らに示して「これは何だ?!」詳しく描かれてないが,何か神に仕える修道士としてあるまじき様子が描かれているらしい。彼らはかなり怒ってばっくれる。(笑)
続いて,娼婦連続殺人について何か知っているかと尋ねると彼らは揃って「No!」ではイサボーやアグネスという名前に心当たりは?と聞くと「我々は神と誓いを交わしている,娼婦など知らん!」とアダム・ウォーフィールド。
結局サマービル夫人の死についても,パドリコットという名にも覚えがないと言う。

坊さん達が怒って帰った後,コーベットは,結構な収穫があったな。彼らは私の質問に対して,何故そのような事を訊くのか尋ねなかった。イサボーやアグネスについては何も言ってないのに,ウォーフィールドはそんな娼婦は知らんと言った。修道院で何かが起きようとしていたのを尋ねた時も同様。パドリコットについて尋ねた時もだ。

その後,コーベット,ラナルフ,マルトート一行は,ロンドン塔近くの聖キャサリン病院へ。まずメアリーにバーソロミュー病院を出た時間と,何か変わった事がなかったかを尋ねる。メアリーはサマービル夫人が出て15分後に出発したが真っ暗で何かあってもわからず,若い召使に道を照らしてもらって帰ったと答える。
レディ・フィッツウォレンはアグネスが自分のメッセージを送りたかったと誰かから聞いたと行ったが,アグネス自身には会ったことはないと言う。実はマーサの姉妹のメンバーが助けているのは,高級娼婦ではなくもっと場末の貧しい娼婦達だとの事。

フィッツウォレン女史によると,今回のような連続殺人が起き始めた頃から,高級娼婦達が,ウェストミンスターに連れてこられるようになったのだそう。戦争で城が空く事が多くなり,官僚や城の執事達がそのような享楽に走るようになったのだそうだ。

(それで修道士達と娼婦達が知り合うきっかけができたという事なのか?)

その夜,ラナルフはマルトートを伴ってこっそりおでかけ,メアリー・ネビルの家に忍び込む。

一方,市内の別の場所では,ハウィサという高級娼婦が,家族が巡礼中の商人とお楽しみの後,自室に戻ると,人の気配。なんだあなたなの?という感じで振り向くと……


Murder Wears a Cowl:7

2013-09-16 12:43:39 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

コーベットは,ドゥ・クラオンが間借りしている家を訪ねる。まだ朝早いので,起こせると期待していたら,すっかりちゃんと着込んでお出まし(笑)

#ドゥ・クラオンが「禿げかけた赤毛」という事を初めて知る(笑)

もったいぶったご挨拶をするドゥ・クラオンに,コーベットは,単刀直入に,パドリコットについて突っ込む。するとドゥ・クラオン「もちろんですとも。有名な犯罪者ですよね。詐欺師って言うんですかね。パリでお尋ね者ですよ。ロンドンでもそうでしょうけど」
「何の罪で」
「ロンドンと同じ理由で」
コーベット,パドリコットについてその後も聞くが,暖簾に腕押し。ここでド・ネバーズ登場。良い感じの若者。ミーヴが気に入るわけだ。彼らはひとしきり「ご挨拶」を交わすと,コーベットは次の目的地へ。

ニューゲイトで刑場へ向かう罪人を横目に,集まっていた娼婦達からアグネスは何かを恐れていたという情報を聞き出す。
(ここで娼婦達は槍試合好きなケイドを「大槍さん」と呼んでいる事が判明,これでケイドは全然「holy」でなく連続殺人への関与の容疑は完全に晴れましたね)

コーベットはアグネスが住んでいたアパートを訪ねる。既に片づけられていた。そこでコーベットは小姓の少年を発見。少年から,アグネスの部屋に背の高いフードを被った男が来たがすぐ帰った事,アグネスは女性に宛ててメッセージを書いていたらしいという情報をゲット。

(…という事で、読者だけが知っていたと思われた情報は、ほとんどコーベットに伝えられました。「holy」以外はね。少年によればフードを被った男という事ですが,女という事も考えられます。ちなみに,長身なのはウォーフィールドとフィッツウォレン。)

その後コーベットはサマービル夫人の一人息子ギルバートに会う。だらしなくて,母とは全く疎遠で仇討ちする気もないバカ息子にイライラのコーベットだが,母がウェストミンスターで仕事として書いていた書類(洗濯物リスト)をゲット。

自宅に帰ると,ラナルフが息子を連れて遊びに来ていた。ミーヴはビールでコーベットの疲れを癒す。コーベットはその日の収穫を報告,犯人は僧のようなフードを被っている,しかし誰もが持っているものなので,誰もが犯人であり得ると。すると,ミーヴは「まだ終わってないわよ。レディ・フィッツウォレンからタワー近くの病院に来るようにと、メッセージが来ているわよ。」


Murder Wears a Cowl:ひとやすみ

2013-09-15 11:32:36 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

本が厚くなって2冊目。とても楽しんでます。
話もいよいよ中盤,起承転結の転が始まった所。次の章ではコーベットがフランスのスパイ(コーベットは認めてないけど旧友かも(笑))ドゥ・クラオンに会いに行って,話を聞いてきます。

さて,ドハティ小説のお約束では,もう既に犯人は登場しています,が,今回ちょっと登場人物が少ないですね。果たして簡単にわかってしまうのでしょうか?(⌒-⌒; )

実は,コーベットが知らず,読者が知っている事があります。犯人を目撃したアグネスです。彼女は友人イサボーが殺された時,犯人(おそらく娼婦連続殺人の)に会ってますね。アグネスは,この犯人の事を「holy」な人物と言ってます。holyと言えば,まず思い浮かぶのは聖職者ですね。しかしアセルスタンならともかく,今回登場している聖職者は,皆僧衣に食べ物のシミが付いてる,堕落した生臭坊主ばっかりなので,彼らの中の誰かとは考えにくいですね。また,ロンドン市の捜査官ケイドの事を,娼婦がholyとは言わないでしょう。(別シリーズで言うとアセルスタンはholyだけどクランストンはちょっとちがいますよね)しかもアグネスは,これを相談するメッセージをウェストミンスター寺院に送ってます。読んだ当時は何故?と思いましたが,もしアグネスが見たのがマーサの姉妹のメンバーだったら?とすると,しっくり来ます。ケイドはとりあえず,連続殺人の犯人ではなさそうです。

しかし,アグネスのメッセージはウェストミンスターに届く事はありませんでした。あの不真面目な小姓のせいですね。で,ここが謎なのですが,メッセージが届いてないのに,彼女の「benefactor」から,教会に来るようにと「返信」が来ます。おそらく,彼女はウェストミンスターに出したメッセージへの返事と勘違いしたんですね。犯人はアグネスのbenefactorの名を語ったのでしょうか。犯人がいつもと違って娼婦の自宅へ行かなかった理由は,後でコーベットが言ってますが,犯人は,娼婦が自室へ入れるほど信頼できる人物,なのですが,アグネスはもうその人物を犯人と知っているので,自宅へ行くわけにはいかないのです。

で,連続殺人の犯人はおそらくマーサの姉妹のメンバーでしょう。高級娼婦ばかり狙う,女性の大事な所を切り取ってしまうほど娼婦を憎んでいる動機も,身分の高い未亡人なら,堕落した修道士や市の捜査官よりよほど自然に理解できます。

ではサマービル夫人の事件はどうなのでしょうか? 彼女の事件は5月11日ですが,13日にはいつものように娼婦連続殺人が起き,イサボーが犠牲になっています。もし連続殺人と関係があるとして,犯人が,サマービル夫人に何かを知られてしまったとして口封じを狙ったのだとすると,随分忙しい事になりますね。またこの場合はメアリー・ネビルが疑われます。実はコーベットシリーズには,コーベットやラナルフが心を奪われるような美しい女性が犯人というパターンが結構あるので,この線は有力です。
でも,連続殺人とは全然関係ない説もありますよ。僧衣纏っても僧に非ずとは,僧衣を着ている人が必ずしも僧ではないとも言えますが,僧衣着た坊さんでありながら坊さんとは思えない事をするという意味にも取れます。彼女はウェストミンスターの僧達の良からぬ行いを見て殺されたのかもしれません。ただし,ラグワートの証言によれば,犯人は彼女の知り合いで,信頼されている人物です。ってか,それは読者も皆知ってます。果たして,食いしん坊の修道士の中にそういう人がいるのでしょうか?


ベネディクト神父の事件は,手口が全然違うし,何より,他と違って男性を狙った事件だし,娼婦連続殺人とは異なるように思えます。

…という事で,結論出ませんが(わからなくなったので勝手にまとめます(笑)),後半見守って行こうと思います。


Murder Wears a Cowl:6

2013-09-14 01:08:43 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

スミスフィールドは,馬の品評会でまだごった返していた。派手に着飾った若者や婦人達。密かにさっきのマーサの姉妹の女性達と比べるコーベット。すぐ近くには火あぶりの刑に使った焼け焦げた杭が残っている…(こういう物が人々の生活のすぐ近くにあるオソロシヤ中世)

さて,2人は早速,聖バーソロミュー病院で,薬剤師トマス修道士に面会。トマスは大喜びで,自作のエールを振る舞う。(い~な~坊さんの作ったビールってうまいんだよな)

コーベットは,殺し屋の魂を見に来たと言います。トマスはプロファイリングもできるんですね。犯人は,性的には飽き飽きするほど満足しているが,女性に対しては大きな憎しみを持つ異常者,…しかし,普段は全くノーマル。10年位前にフランスで起きた似たような事件の犯人が聖職者だったという例を挙げ,コーベットが決して認めたくないような("the last person you suspect")人物である可能性も大であると。すなわち「誰もが犯人で有り得る」のだ。

では,サマービル夫人は?体の一部は切り取られてないが,トマス「おそらく犯人は,彼女が娼婦達を助ける仕事をしていたのが気に入らなかったのか,もしくは,何かを知られたかだ」コーベット,サマービル夫人が言っていた事と合致すると感心。

トマスは助手のディビッドを呼ぶ。ディビッドによれば,その日2人のレディ,サマービルとメアリー・ネビルが来て,患者と会った後,サマービル夫人はメアリーが止めるのと聞かず,1人で帰り,メアリーもその後すぐに帰ったとの事。しかしどちらに行ったかは不明。

ディビッドは,外の刑場に元兵士の乞食が住んでいるという情報を耳打ち。コーベットとラナルフは早速行ってみる。しかし「誰もが犯人になり得る」が気になるラナルフ,ケイドにも疑いの目を向ける。彼は娼婦の遺体を検分に行った時すぐ逃げ出したし。。

2人はようやくラグワートに出会う。少し頭がイカれたラグワートから,サマービル夫人と犯人は知り合いだったらしい事,犯人の足音は重く,黒いサンダルを履いていた事を聞き出す。

翌朝,コーベットは自宅で,今までのおさらい。
その1:被害者は16人,事件は月一,13日前後。手口は喉を切られ,体の一部を切り取られる。被害に遭ったのは高級娼婦。多くは自分の部屋で。しかし1人は教会の前で。娼婦が安心して自宅に招き入れるのは,町の警察官か,聖職者か?
その2:サマービル夫人について。彼女は犯人とは知り合いだ。神父か修道士か警察官か,友人か誰か信頼できる人物だったのか?
その3:サマービル夫人の遺した言葉"the cowl does not make the monk"の意味は? それは犯人についての事なのか,それとも関係ない事なのか。彼女を殺した犯人と娼婦連続殺人の犯人は同一犯なのか,それとも,そう見せかけた犯行なのか。
その4:ベネディクト神父について。彼の巻き込まれたトラブルは何か,何故ケイドに謎めいたメッセージを送ったのか,ケイドは何故積極的に捜査しないのか,娼婦連続殺人と関係あるのか。
その5:パドリコットについて。この人物はドゥ・クラオンと関係あるのか,コーベットが捜査している事件のいずれかと関わっているのか

その時,ミーヴが入ってきた。彼女はラナルフとマルトートが昨晩どこかに出かけた事と,彼は誰かに恋しているみたいという事を報告。そして,彼女の叔父,Morgan卿が1週間以内に到着する事も。

ミーヴとの会話の後,コーベットはさらにまとめる。

(1)ドゥ・クラオンは関わっているのか
(2)パドリコットの目的は何か
(3)ケイドは何を隠しているのか
(4)ウォーフィールドは何を隠しているのか
(5)サマービル夫人の言葉の真意は,ウェストミンスターで見た恐ろしい事とは,ベネディクト神父は彼女に協力していたのか,娼婦殺人事件の犯人が2人を殺したのか
(6)皆同一犯とすると5月11日の週は忙しかったはず,サマービル夫人,ベネディクト神父,イサボーは連続して殺されている
(7)最後の犠牲者アグネスが殺されたのは20日であり,お約束の13日からかなり離れている,何故だ

Corvett,思わず身震い。決まったパターンはあるのか,犯人は何人もいるのか?


Murder Wears a Cowl:5

2013-09-14 01:07:26 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

さて,一行は,王の財産を隠してある地下室の入り口へ。ドアは2つの錠前で閉じられ,1つは王,もう1つは市長が持っている。そして,しっかりと封印されていて,壊された様子もなし。
「このドアの向こうに階段があるのですね?」とコーベット。ウォーフィールド「はい,しかし壊されています。もし誰かが押し入ろうとしたらすぐ見つかります。で,マーサの姉妹ですね?」

マーサの姉妹のメンバーの居室は暗く,何かもの悲しい雰囲気。女性達は皆濃い青のベールを被っている。彼女達は一行を見ると話すのを止める。コーベットが進むにつれ,何故かケイドと修道士達は後ろに離れてあたかも身を隠したいかのよう。

「ここで何をしているのですか?」と尋ねるコーベットに,上座に座っていた白髪の女性が立ち上がって手を耳にかざす。右側の長身の女性が「これは我々姉妹の会合である。そなたらはノックもせず,立ち入り許可も得ていないであろう」
「奥方様,我々は国王の命令でここにいます」
すると白髪の女性は,手を叩いて静粛を促す。長身の女性が降りてくる(コーベット,その間に女性を数える,17人いる事を確認)

「レディ・キャスリン・フィッツウォレンである。主人であるレディ・イメルダ・ド・レイシー様からご質問だ。そなたらは誰だ?」(朝鮮王朝の尚宮様風にしてみました(笑))

レディ・フィッツウォレンは白髪ではあるが,顔にシワ1つなく若い。しかし,堅苦しい感じの女性だ。コーベットは宮廷の威厳の空気には慣れている。発言は最小限に控えた方が良い事はわかっている。

「あああ,そなたらは知っておるぞ…」とレディ・フィッツウォレンは軽蔑の眼差しを修道士達に向けケイドを骨ばった指で指して「そなたは不幸な女性達を殺した犯人を捕まえる事のできない二流捜査官であろう。」

コーベット,ここは気をつけないと,と,言い聞かせる。ド・レイシィとかいう婦人は,70才位,国王の助言者の未亡人,フィッツウォレンはウェールズで活躍した将軍の未亡人だ。ラナルフに警告の目線(笑)を送る。

「奥方様,私はサー・ヒュー・コーベットといい,国王の諜報局長官であり,法廷の書記長です。」
(これはすごい,今で言えばMI6長官と最高裁の裁判長を兼任しているという事だ)

するとフィッツウォレン女史,手を差し出してキスを許す。(ラナルフおかしくてしょうがない様子)フィッツウォレン女史は,修道士は必要ないであろうと言って2人を追い出すと,椅子を用意。

ここでド・レイシィ夫人,意外な位はっきりした声で,「さて,陛下の使者に,我々の事について少し話しておいた方がよかろう。我々はロンドンの枢機卿に従って,ロンドン市街を歩き男共の汚らわしい要求を満足させなくてはならぬ女性たちの為に働いておる」と,コーベットを軽蔑の眼差しで睨みながら話す。コーベット,ラナルフの足を蹴り「笑ったら首へし折るぞ」と小声で注意,すると,ド・レイシィは耳に手をあてがい「何事だ?!」「何でもありません奥方様,従者に馬をつないだが確認しただけです」するとド・レイシィ,金槌で机を叩き「しかと聞け! お前に話しているのだ!」
コーベットが周りの女性を見ると,皆下を向いて,何人かが肩を振るわせている。これがおかしくてしょうがないのは自分だけでないとわかってほっとする(^^;)

「話が終わったら,レディ・キャサリンとレディ・メアリー・ネビルに協力させよう。」とド・レイシィ。指名されたメアリー・ネビルという女性は大変美しく,ラナルフ一目惚れ! ところがコーベットはもっと驚く。この女性,亡くなった最初の妻にあまりにもそっくりなのだ。

すると「まだ話は終わってないぞ,気取り屋の騎士と難聴の従者よ!」と怒鳴り声(笑)

しかしコーベットは,この女性達が世の中から無視される哀れな女性達を庇護している事に尊敬の念を感じてきた。それに,ド・レイシィは口こそ悪いが(笑),その話から恵まれない人々への篤い同情の想いが汲み取れた。

話終わって,フィッツウォレン女史とメアリーを残し,退場する際,イメルダ夫人,コーベットをまた怒鳴る…ただし,王の健康を案じるセリフ(笑)

いよいよフィッツウォレン女史,メアリーとコーベット,ラナルフの4人でお話する段になる。ラナルフはあまりにもメアリーばかりじっと見ている。困るコーベット。2人の女史は,娼婦達についてはあまり知っている事はないが,サマービル夫人の死に関しては多少お話できることがあるとメアリー。

メアリーはサマービル夫人の死の当日の5月11日の月曜日,一緒にバーソロミュー病院に行っていた。そこで別れたが,その後彼女は家に着いてない。
そしてサマービル夫人はある悲しみを抱えていた。数年前にスコットランド戦線で戦っていた夫を亡くしたが,夫との間にはギルバートという息子がいる。

しかし息子の興味の対象は享楽。父は王の将軍として首に矢を受けた以外何もしてないじゃない?などと言って,母をがっかりさせていた。

レディ・メアリーによれば,その日サマービル夫人は,教会から出てくる修道士達を見て,何度も"Cacullus nos facit monachum: the cowl does not make the monk"と繰り返していたそうだ。

さらにフィッツウォレン女史,サマービル夫人は,殺される前の週,自分達の仕事は本当に役にたっているのか質問され,金曜日には,会合に少し遅れて来たが,何かとても心配している様子だったと言う。その日彼女はベネディクト神父に会ったそうだ。

そしてメアリーは突然思い出す。そういえば,あの日彼女は会を離れるような事を言ってました,私は反対しましたが,彼女は,寺院には何か邪悪な物があると。。よくわかりませんが。

しかしサマービル夫人はリューマチを患っていて,主な仕事は教会の衣服の洗濯等をする事だったそうだ。それだとすると,寺院の邪悪な物,というのは,ちょっとおかしい。

ベネディクト神父については,優しい神父様だったという以外,特に新しい情報なし。

衣装部屋を見せてもらうと,そこには僧服や頭巾等がかけられていた。この時点では特に変わった事なし。

ここでひとまず終了。2人の女性は今夜お食事でも,と,声をかけたが,ミーヴが怖くてお断りするコーベット。(笑) この間何故かずっとおとなしかったケイドは,外に出てようやく喋り始める。

近くの宿屋でケイドと別れた後,彼は一体何を隠しているんだろね?といぶかしがるコーベット。ラナルフと2人,聖バーソロミュー病院に向かう。


Murder Wears a Cowl:4

2013-09-08 10:31:56 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

コーベットとラナルフは,ケイドと共にカッテ通りからセントローレンス教会へ。古い墓の前では。偽の弓を売った商人がさらし者にされ,見物人でごった返している。(ドハティ小説いつものお約束,当時のロンドンの様子の描写)

ケイドが坊さんを呼んで来る。コーベットはその風貌(ぶよぶよで女っぽい(笑)リスの毛皮で縁取られた派手なマントに安物の指輪じゃらじゃら)を見て,コイツは魂の救出より食べ物が好きな生臭坊主(^o^;)とラナルフに注意喚起。

坊さんは,お酢とハーブに漬けたスポンジを各々に渡して,遺体安置所のドアを開ける。コーベットはスポンジあればOKだったけど,ラナルフ耐えきれず退場(笑) (今のような消臭剤はおろか,まだ,インド等から香辛料が入る前だったよな。それまではこういう職業の人達は,こうして耐えていたんだ…)

コーベットはケイドと一緒にアグネスの遺体を確認,出てくると「誰かの娘であり姉妹だ,彼女に慈悲を」つい自分の娘を思いだしてしまう。コーベットは坊さんに銀貨を投げて「埋葬する前に祈ってやれ。白い布をかけてやれ。彼女の生涯は不幸で恐ろしい死を遂げたが,一定の敬意が必要であろう。」

ところが坊さん,足で銀貨をつついて「そんな事,やりましぇ~~ん!」

コーベット思わず怒鳴る「いや,やるんだ!もしやらなければ,ここから出てもらうぞ。今陛下は,スコットランド戦線の為に僧侶を必要としている。」そして小声で「私の名は,サー・ヒュー・コーベット,国王陛下の秘密の遣い,友人であり,カウンセラーだ」

坊さん慌てて銀貨を拾う。コーベット,さっさと墓場を出る。

彼らは教会を出ると,ロンセスバリェス聖母マリア病院へ。コーベットは王が亡き妻エリノアの為に建てた十字架に見とれる。曲がりくねった道をさらに進めば,ウェストミンスター城はすぐ。
コーベットは,まずは城の執事に会おうと言うが,ケイド曰く「執事のウィリアム・センチェはどうせ酔っぱらいで時間すらわからないですよ。」

王この数年,城を空けがちだが,それがありあり。草花は育ち過ぎ,野良犬がうろつき,窓は割れている。とりあえずセンチェという人物に会ってみる。いかにも飲んだくれの,赤毛に赤ら顔。しかし質問に対しては思ったよりは鋭い答え。ただし,何か隠している。
現在の責任者は,アダム・ウォーフィールドというsacristan。(アセルスタンと空目した(笑))ところでこのsacristanというポスト,中世修道院探偵(^^;)小説では良く出てくる。辞書を引くと「聖具保安係,聖堂納室係」とか聞き慣れない日本語。しかしこの人達,なかなか重要な役割である事が多いので,もちょっと噛み砕いた訳を使いたいんだけどなあ。。

さて,ベネディクト神父について聞かせてもらおうかと言うと,知らないとしらばっくれるセンチェ氏に,
Corbett plucked him gently by the front of his food-stained jerkin.

で、「私に嘘がつけるのはそれが最後と思え」だって。
#やっぱブラック化してるなコーベット(笑)

で、坊さんがしぶしぶ話してくれた事:当日,眠れなくて庭を歩いていると,煙を発見,警鐘を鳴らし,井戸から水を汲んで火を消したとの事。ベネディクト神父の家には特別な異常は見あたらなかったそう。

今度は一行は巨大な聖堂に向かう。コーベットは思わずガーゴイルと地獄の光景の装飾に見とれる。勝ち誇ったキリストの下で,不幸な魂が,悪魔に串刺しにされて,鼎で煮えたぎる油の中で茹でられていた。。。。
#時間かけてもアレなんで,急ぎます。

一行は集会所へ。その裏に秘密の地下室があるのだが,コーベット,封印が破られたのでは?ベネディクト神父は何か気づいていたのでは?と再度確認。しかし,ケイドは,それはありませんねぇ,と,否定。

次に中央の建物へ。アダム・ウォーフィールドに面会。コーベットは、長身でとりすましたこのsacristanは,どうも苦手なタイプと思う。それに砂糖やワインの染みが袖に着いてる。食いしん坊に違いない。

サマービル夫人の死はショックだった?と聞かれて何故か汗を一杯かいているウォーフィールド。ただ,サマービル夫人の言葉Cacullus non facit monachumに特別な心当たりはない様子。

どうやらウェストミンスターには何かを知っている人物はいないようだとコーベット。ベネディクト神父の家,地下室の入り口,マーサの姉妹を直接見る作戦に変更。

まずは神父の家。ドア1つ,窓1つのワンルームの家だったようだ。まだ焼け焦げた臭いが残っている。部屋をしばらく調べていたコーベット,「これは殺人です」と結論。火は暖炉の近くでなく,部屋の真ん中から起きている。誰かが外から油入りの入れ物を投げ入れ,そこに発火したろうそく等をさらに放り投げて火を付けたという事らしい。

(ドハティ小説では,殺人は喉切りか首締めか毒ワインと相場が決まっていたんだけど、これは新しい手口だわ(^^))

猫が逃げられなかった理由は,窓が高すぎ(なんだ,つまんね(笑))さらに,コーベットは続ける。神父はおそらく,火が燃え広がる前に目覚め,書類と猫を抱えて逃げようとしたが,ドアが開かなかったと説明。実は神父は寝る時だけ施錠していて,犯人はその事を知っていてこの方法で暗殺したとの事。

しかし,何故ドアが開かなかったのか,コーベットはケイドからナイフを借りると,ラナルフに反対側で手を出して待つようにと言い,鍵穴にナイフを差し込む。すると…

鍵穴から木片が出てきた。犯人は,神父がドアを開けられないよう,木片を鍵穴に刺しておいたのだ。

そこへ,リチャードという修道士が慌ててやってきた。ウォーフィールドに,何か手伝う事はありませんか?と言う。ウォーフィールドは心配ないと言い,コーベットは,次は地下室へ行く事に。しかし,リチャードとウォーフィールドの間に交わされた,あやしいサインを見逃さなかった。


Murder Wears a Cowl:3

2013-08-23 23:01:11 | Athelstan・Doherty
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価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

早朝コーベットが目覚めると,エリノアは既に目覚めて1人で遊んでる,けど,あまりに自分を冷静に見つめる娘にちょっとがっかり。ラナルフを起こして,動き始めた町へ出る。

2人は,途中の中世的ファーストフード店(^^;)で朝食。
ラナルフが,コーベットの自宅へ子供を連れて行きたいと言うが,もうすぐMorgan卿がいる,やばい!(笑)
また彼は昨晩のミーヴとの会話を思い出す。ミーヴは娼婦の連続殺人事件を知っているだけでなく,彼女達の遺体の一部が切り取られている事まで知っている。

やがて2人はロンドン市庁舎に到着。

ネトラー保安官に,アレクサンダー・ケイドという保安官代理を紹介してもらう。ケイドについては,鋭い目を持つ優秀な警察官と聞いている。しかし見た目は温厚で相当なしゃれ者,とてもそんな職業には見えない。

#ケイドについて詳しい外見記述があり,新しい常連キャラ投入か?(笑)何か某検察官のご先祖様のような奴だな

ケイドは書記官から資料を受け取ると,書記官が立ち去るのを確認してから話を始める。

「今気になっている事が3つあります。娼婦殺人事件,サマービル夫人とベネディクト神父の死,そしてパドリコットがロンドンに現れた事です。」
コーベット,パドリコットの情報にびっくり。

ケイドは,一旦,資料を渡して退場。
彼の資料は,怒る王の手紙(笑)と,娼婦連続殺人の資料。連続殺人は月に1度,殆どの娼婦が自宅で殺され,手口と遺体の処理も同じ。ただし,例外は5月11日に殺されたサマービル夫人と,2日前にベネディクト派教会前で殺された娼婦。手口と同じだが,殺されたのは屋外。周期も合ってない。

コーベットは,人殺しを楽しむ狂人か,特定の娼婦を捜しているのか,または,黒魔術かと推測。ラナルフは,窓から見えるセントメアリ・ル・ボーを見て,かつてコーベットが戦った美しき殺人者アリス・アッテ・ボーを思い出す。

そして次にベネディクト神父の死についてのレポートを精査。
それによれば,5月12日の夜,ウェストミンスターの修道僧達は猛り狂う炎の音を聞き,ベネディクト神父の家に駆けつける。彼らはウェストミンスター城の執事ウィリアム・センチェを中心に,火を消そうとするが,建物は壁を除いて燃え尽き,ドアのそばに倒れていた神父とペットの猫の遺体を発見した。高窓は開いていた。

それを見てコーベット「これはおかしい!」
ベネディクト神父は高齢だったので,窓から抜け出す事はできない。そしてドアは何故か開かなかった。しかしさらに不思議なのは,猫。彼らのサバイバル能力は人間より遙かに高く,窓から逃げられたはずなのに,主人と一緒に死んでいる。これは絶対,おかしい。

ベネディクト神父は,亡くなった日に,ネトラー保安官に,何か恐ろしく冒涜的な事が起きようとしていると書いた手紙を送っていた。

ケイドが戻ってきたので,さらに詳しい報告を聞く。サマービル夫人はマーサの姉妹の会合後に刑場経由で帰宅。一部の人が危険だからと止めたが,自分は年取っているし,神聖な仕事をしている事は死者でも知ってるから安全ですよ,と,一蹴したそうだ。

しかし彼女はある不思議な言葉を残していた。

Cacullus non facit monachum;
the cowl doesn't make the monk.


彼女は娼婦達と同様,喉を切られて死んでいたが,遺体の一部を切り取られる事はなかったという。

またベネディクト神父がネトラー保安官に送ってきた文書とは,ケイド達にはまだ意味がわかってないそう。考えられるのは,修道僧達に関するスキャンダルの事か,ウェストミンスターに関するものか。

驚きを隠せないコーベットに,ケイドは,王様は,国の資金をロンドン塔でなく,ウェストミンスター城の地下室に置いていると説明。ケイドはベネディクト神父が亡くなった日に,保管部屋の封印が解かれてない事を確認。また保管部屋には入り口は1つしかなく(コーベットも知ってる),壁も厚いので安全と説明。

3人は,さらに,パドリコットがロンドンでフィリップ4世のスパイノガレと接触していた事,ドゥ・クラオンと部下ド・ネバーズもロンドンに滞在しているが,表面上怪しい動きはない事を確認。

コーベット達は,まず,遺体を見に行く事を決定。最後に殺された娼婦がもうすぐ「他の人達の隣に埋葬される」と聞き,ちょっと驚いたラナルフ,よく話を聞くと,娼婦は亡くなると決められた所にまとめて埋葬されるそうだ。彼女達は,はスコットランド,アイルランド,フランダース等,遠く離れた地の出身で,家族もなく,誰も葬儀に来ないのだそう。常連客すら来ないらしい。

そういえば,他のリストは非常に良く集まっているのに,何故常連客リストはないの?というコーベットの質問に,ケイド,このような娼婦達の常連客は,上流階級が多く,めったに名前を出すのを嫌がるのだそう。(当たり前だね)それに,彼女達の殆どは自室で殺されている,すなわち顔見知りだ。もしケイドのパトロンの誰かを,事件当日に娼婦を訪ねたというような不名誉な事で起訴するような事になれば,それはケイドにとっても不都合な事となる。(刑事ドラマでよくあるパターンだね。最初からこういう事を告白するなんて,ケイドさん,いい人だな)

ここで,コーベットはようやく王に遣わせれた理由を理解。今回の事件は,ロンドン市の一介の保安官代理などには,手に負えない事件なのだ。

ところで,過去月一ペースだった事件の周期が,この頃短くなってきている…サマービル夫人が殺害された頃から,ベネディクト神父,イサボー,アグネスと,頻発している。ひょっとして殺人鬼は複数いるのか?


Murder Wears a Cowl:2

2013-08-10 11:39:43 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01


…そいつは蜜蝋で女の人形を作っていた。人形の首には小さなナイフが刺さって喉を掻き切っている。

アグネス・レッドハードは,友人だったイサボーの遺体を発見して以来,服屋の2階の自宅に閉じこもっている。稼ぐ事ができないのでお金がなく,腹ぺこ,そして孤独だった。イサボーの家に寄った時,マントを被った人物に出会う。直後にイサボーを発見。しかしマントの人物は徳の高い人で,とても犯人とは思えず,ウェストミンスターにメッセージを書いた。そして彼女の保護者は,フランシスコ派教会の近くへ来るようにと返事をする。

彼女はアパートの小姓に駄賃を渡して見張りをしてもらっている。しかしこの少年は,娼婦が何故化粧してないのか,自宅に引きこもっているのか,全く理解できず,メッセージも配達せずに駄賃を使い込んでいた。

お腹を空かせたアグネスが教会に向かうと,パンとチーズを積んだ車。少年が死んだ亀を投げ入れ騒ぎになった隙に食べ物を調達するアグネス。

彼女が受け取ったメッセージは,教会のお告げの祈りの鐘が鳴る前に待っていろというものだった。ところが,現れたのは,殺し屋だった。殺し屋は「さようならアグネス。お前は私を見たようだな。だが,私もお前を見たのだよ,知らなかったかね?」

その頃,コーベットとラナルフはウィンチェスター城を出発。今回のコーベットの仕事は,娼婦連続殺人,フランスのスパイ,そして,パドリコット。実はラナルフはコーベットと知り合う前からパドリコットを知っている。パドリコットは巧みに姿を変える詐欺師だが,殺人鬼ではないとラナルフは言う。

翌朝2人はロンドン入り。
ロンドンの自宅に到着すると,コーベットの妻ミーヴにより少し改築され,ミーヴの故郷ウェールズチックに変わっていた。

ミーヴのウェールズ時代からの使用人,グリフィンとアナの夫婦が出迎えたが,コーベットはまだミーヴに知らせないようにと口止め。

#ミーヴは外国人なんですよね。初めてミーヴに出会った時,エオウィンみたいと思ったけど,まさにゴンドールの大将に嫁入りしたエオウィンもこうするだろな~な感じ(笑)

さてラナルフに話しかけようとすると,既に彼はトンズラ(笑)しょうがないのでグリフィンにラナルフが置いたバッグを運ぶよう頼むが,爺さん英語はわかりましぇんなフリ(笑)

部屋を覗くと,ミーヴは刺繍中。これを見てコーベットはドキッ。彼女は刺繍好きでなく,これをやっているのは怒っている印。

…しばらく改装された部屋を眺めていると,妻が人の気配を察知。コーベットに気づくと飛んでくる。ひとしきり再会を喜ぶと「何故知らせてくれなかったの?ナイトはナイトらしくしなきゃ」
「知ってたの?」

妻は怒ってないように見える。
「何故?旦那が帰ってきたのよ」
「ナイトになった事?」
「旦那様,あなたはナイトですよ」
「奥方様,実は私達はウェールズに行けないのです。あなたは叔父様に会えないのです。」
「いかにもいかにも,私達はウェールズには行けません。でも私は叔父様には会うわよ。」
「え?」」
「叔父様が来るのよ。マルトートに招待状を持たせたの」

叔父さん,すなわちモーガン卿がうちに来る!そいつは想定外だ(笑) ミーヴ曰く,2ヶ月の滞在予定(つまり半年(爆))

また,コーベットの留守中にドゥ・クラオンが自宅を訪れていたのも心配。娘エリノアの様子を見るコーベット。しかし,ようやく落ち着いて,アナの料理でも頂く事にする。


Murder Wears a Cowl:1

2013-08-10 11:30:12 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
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発売日:1993-04-01

イングランド王エドワードは,ウィンチェスター城で,ハウンドがウエハースをガツガツ食った後,部屋の隅でnoisilyに○○チ(お腹壊したか?(笑))をする様子を眺めてニヤニヤ。

エドワードの前に2人の男性,1人はジョン・ド・ウォリンというサリー伯,頭の中には「攻撃する」「殺す」しかない奴。そこでエドワードは密かに心の中で彼をハウンドと呼んでいた。

ここで,ウォリン伯爵の隣に控えるヒュー・コーベットの外見についての説明登場。
dark saturnine face, clean-shaven chin, deep-set eyes and unruly mop of black hair which now showed faint streaks of grey

今までヴァン・ヘルシングを想像していたのですが,まさにそんな感じですねぇ(笑)

「何が問題なのかわかるかね?ヒュー」
「はい,陛下」
「はい,陛下か! では余を喜ばせてくれるのか?」
と,詰め寄る国王。

コーベットは恐れる様子もなく,スコットランドのウィリアム・ウォレス(あらそういう顔だったのイメージと違い過ぎるw)が強すぎる事,沼地や霧や森を巧みに使って我が国の軍を苦しめている事,王の息子までもが彼に従っている事などを説明。

「では2番目の問題は!?」
「フランス王フィリップが北部に軍隊を集めている事です。もし彼に勝機があれば,毛織物の取引ルートを破壊され,我が国の産業がダメージを受けます。」

「では3番目の問題は?」
「陛下は先ほど,ロンドン市長からの手紙を受け取られたとおっしゃいましたが,まだ内容を明らかにされていません。」
「ふむ,市長は我々に助けを求めておる。最近売春婦や高級娼婦が喉を掻き切られて殺される事件が相次いでおるのだそうだ。」
「おや,いつから市のお偉方は娼婦の心配を始めたのですか?いつもそこら辺で彼女達が野たれ死んでいても放置されているではないですか」

「いや今度ばかりは違う。」と声を上げたのはウォリンだった。
「何が違うのですか,閣下」
「お前が相手にするような並の女じゃない,高級娼婦なのだ」
コーベット思わず微笑む。
「楽しいか,書記官!」
「いや,そういう事ではないですよ。何か他にあるという事でしょう?」
すると王様,
「そうだ,この高級娼婦達は,秘密をたくさん知っている。もし,しかるべき事をしなければ,誰にでも喋ってしまう恐れがある。」
コーベットはさらにニヤリとして「もしそんな事があれば,私の全財産を出してでも行きますよ。高潔な市民は人前で汚い下着を洗う事になるでしょう。」

「しかし,この市民達は税金を上げようとしているのだ。ロンドン市は利息なしのローンを提供しようとしている。さて,これは問題だぞ,コーベット,私はフィリップをFlandersに近づけないため,Wallaceをスコットランドから出さないために銀が必要だ。娼婦にかまけている暇はない。市民にかまけている暇もない,奴らの金が必要だ。そして復讐だ!」

「陛下?」とコーベット

「2人だけ認める事のできない女がいる。身分の高い未亡人が集まるマーサの姉妹という団体がある。善い行いをする組織だ。私は彼女達を保護していた。リーダーはイメルダ・ド・レイシーといい,夫は私と一緒に十字軍に従事した。彼に会った事はあるか?」

コーベットは注意深く王を眺める。王はずる賢く暴力的,注意が必要な人物だが,約束は必ず守る。特に若い頃の仲間に対しては忠実だ。

(さて,あまり詳細を書き出していると全然進まないので,急ぎます。(笑))

王が怒っているのは,そのマーサの姉妹に関連する2人の人物の死だ。1人はキャサリン・サマービルという婦人で,バーソロミュー病院近くの処刑場で殺された。もう1人は王の牧師であり,マーサの姉妹の主宰牧師であるFather ベネディクトの焼死事件。

そしてもう1つ「そなたの古い友人が帰ってきたぞ」
「古い友人?」
「アモリー・ドゥ・クラオンだ」
ドゥ・クラオン,久しぶり~(笑)フィリップの懐刀。彼の行く所,常に反逆,騒動,陰謀,策略あり。
「しかしドゥ・クラオンはちっぽけな殺し屋じゃありません。その事件には関与してないでしょう」

しかし,王は殺人事件の調査と,ドゥ・クラオンとその部下ネバーズが何をしているか調べるようコーベットに命じる。コーベットは西部地方での問題が解決したら,2ヶ月は休暇がもらえるはずだったと抵抗。(彼はロンドンで妻ミーヴと赤ん坊のエリノアを拾ってウェールズの両親に孫をお披露目する計画だった)

王はコーベットにロンドン行きを命じるが,それなら妻と子供を連れてウェールズに行くと言い返し,ぷいと出て行こうとするコーベット,すると,王は怒り狂ってやおら剣を抜く,王が投げつけたカップがコーベットをかすめる,さらに,伯爵が短剣を持って後ろに立ちはだかる。

「何するんですか?伯爵」
肩越しに王を見ると,既に怒りのサインは収まっていた。「戻ってきてくれ!頼む!」
(コーベットは王の扱いに慣れている(笑))

王は目に涙を浮かべていた。が,王のこの感情は危険でもある。長女が内緒で結婚した時(相手は身分の低い男)最初は怒りで,次に泣きを入れて応戦。しかし効き目がないとわかると,娘を叩く,宝石を火に投げ込む,そして彼女と夫を,イングランドで1番乾ききった場所にある屋敷に閉じこめた。

王は悲しそうに「皆逝ってしまった。エリノアもバーネルも。」エリノアはスペインからもらった王妃で,彼女が存命中は王の怒りも鎮まっていた。バーネルはかつてコーベットをわが息子のようにかわいがってくれた枢機卿だ。

王はさらに,息子には嫌われ,娘達は勝手に結婚するし,もうヒュー,お前しかいないと懐柔する。
「頼む,行ってくれるな?」
「はい,陛下。しかし終わったら約束は守って頂けますね? 私はチェスの駒ではないのですから。」
王は大胆に微笑む,が,嘘っぽさを見抜くコーベット。
コーベットは,ウォリン伯爵に,今度短剣を突きつけたら殺しますよ,と,すごむ。

すると王はまたコーベットを呼び戻す。「そなたはチェスの駒ではない。しかし私はそなたを育てた。私の秘密を知っている。レイトンの屋敷を与えたが,もう1つ与えよう。ひざまずけ!!」

コーベット,驚いてひざまずく。王はとても手短に頭,両肩,そして顔を叩く
「そなたを騎士とする」
あまりにあっけない。コーベットは服の埃を払う暇もなかった。エドワードは剣をしまう。
「一月後に昇格の知らせが届くであろう。さて,何を言う?」
「陛下,ありがたき幸せ」
「ふふん!もしウォリンがそなたを脅し,そなたがウォリンを殺せば,余はそなたを処刑せねばならない。しかしこれからはそなたは騎士だ。対等に戦う事が許されるぞ。」
(そーいう事だったのね。王様,ナイス!)

コーベットが退室後,王はウォリンに「今度コーベットを脅したら,余がそなたを殺すぞ!」

…さて,本当に読書が進まないので,この後はささっと。


職場に戻ったコーベット,ミーヴに怒られるか,はたまた騎士になった事を喜んでくれるか思いを巡らします。そして3ヶ月の娘エリノア。妻子は健康であれば他に何も望まない…という所で,昔疫病で亡くした前妻メアリーを思い出します。。

書類を整理した所で,王に報告するつもりだった事項を発見。パリでワイン業者を装っていたスパイが,ならず者リチャード・パドリコットが,フランスの諜報機関の長ウィリアム・ノガレと会っていたのを目撃,報告書を送ってきていた。

パドリコットはその外見もよくわからないような男ですが,コーベットの部下は「金髪で赤ら顔,足を引きずっていた」(しかしボルドーの王の執事は「黒髪で青白い顔,スタイル良し」と報告している)手紙を良く読むと,ノガレはパドリコットに「ノガレが最も機嫌が良く思いやりのある時」でないと言えない事を話していた,との事。

これを王に言うべきだった,と,コーベット。彼は急いでホールへ。そこでは「正直者」ラナルフが王の兵をゲームに誘っていた。ラナルフ赤毛で緑目って今までメンションされてましたっけ?(^^;) まるでカールだわ。ますますヴァンヘルぽい(笑) そして前の本からシリーズに加わったマルトートはふっくらした金髪の少年(だったんだ…なんか痩せた人物を想像していたんだけど(笑))
マルトートは一応兵士で,馬の扱いは最高なのだが,武器を持つのがまるで苦手。。

2人を見つけたコーベット,まずロンドンへ行く事を話し,マルトートには,馬を2頭出し,妻のミーヴへ,ウェールズ行きは少し延長する旨を伝えるよう話す。実はコーベット,自分で言う勇気がない(笑)


Murder Wears a Cowl:Prolog

2013-06-22 10:47:26 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01


紙本読まないと黄ばんできている(笑) 最後にコーベット読んでから随分経っているので,そろそろ読むことにしました!

タイトルのMurder Wears a Cowlですが,cowlを辞書で調べると,頭巾? 「殺しは頭巾を被ってる」? あるいは僧帽の事でしょうか?(英語の常識(笑)としては,両方の意味がある可能性もありますね。また,辞書には
"The cowl does not make the monk."
という諺も載ってました。
表紙は,修道院の門前のような所で,数人が何かを考えながら立っていて,物陰に頭巾を被った怪しい人物が佇んでいるという図柄になってます。

裏表紙を見ると,先ほどの諺が載っており,まさにその諺が今回のお話のキーになっているようです。

さて,プロローグです。

ラグワートという元兵士は,処刑場を住処としています。彼は元々スコットランドでエドワード1世のために従軍する射手でしたが,ある戦いで誤って熱い油の入った堀に落ちて,両足切断を余儀なくされ,失業してロンドンに渡って乞食になったのでした。乞食といっても,そのような前歴故,優しいパトロンと寒い時には泊めてくれるバーソロミュー病院があり,生活は悪くありません。

1320年5月11日,ラグワートは何か嫌な予感を感じます。物陰に潜んでいると,年輩の婦人がゆっくり歩いてきます。しかし,さらに後ろからも足音。婦人は「誰だ?何用だ?」と声を上げます。「私は神聖な用件でここにいるのだ。」婦人は後ろから来た人物を確認すると「ああ,あなたですか,何故,今?」しかし,刃物の音。人を刺す音がして,人物は立ち去ります。残ったのは女性の遺体。。

その週の後半,ロスベリー通りの娼婦イサボーは、その日3人の客を取ってご満悦。彼女は先輩ティアシート姐さんのアドバイスに従い,毎日風呂の後に鏡の役割を果たす金属板の前で1回転。実は最近女性を狙った殺人事件が多く,彼女も何をするにもとても気を付けています。仲間のアマシスが殺され,無惨な姿も目撃しました。

風呂終わってガウンを着ていると,ドアから聞き覚えのある声が彼女を呼んでます。ところがドアを開けると,頭巾を被りろうそくを持った人物。イサボーは驚いて後ずさりしますが後の祭り。。。

所変わってフランスはパリのルーブル宮殿,ノートルダム教会の地下は複雑な迷路になっていて,その行き着いた所に,絨毯でしっかり防音措置をした,フィリップ4世がお気に入りの秘密の部屋があります。中には2つの貴重品箱,それぞれ6の錠がかかっていて,さらに内部に5つの南京錠がかかった箱(何かこういう風景,ハリポタで見たような気がするなあ…)そしてその中には,フランス王フィリップの秘密の手紙,メモ,各国のスパイ情報等々。こうして,フィリップは他国の要人,王,法王,王族等を蜘蛛の巣にかけようと虎視眈々。

フィリップの向かいには大臣であり諜報マスターであるウィリアム・ノガレが控えています。この男,物腰は柔らかいが,動きは速い。そして香り立つような美しい王は,実は非常に狡猾な人物である事は承知です。
ノガレは椅子を少しずらして座ります。というのも,実はここに恐ろしいトラップドアがあり,下に串がある事を知っているからです。

フィリップは,ウィリアムによからぬご相談。何やらお金がご入用なようです。。。


Run!Run!Run!