ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Murder Wears a Cowl:8

2013-09-16 14:54:30 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

コーベットは,前日の夜,ラナルフが勝手にメアリー・ネビルに会った事についてかんかん。しかしラナルフは,メアリーがサマービル夫人に会った最後の人物だし~と,言い訳,もちろん,コーベットからのお遣いという事にして,行ったのだそう(笑)

次にコーベットは,ウィリアム・センチェとアダム・ウォーフィールド,及びウォーフィールドのでぶっちょの友人リチャードを,王の名で酒場に呼びつける。
まずはサマービル夫人が遺した書き物を彼らに示して「これは何だ?!」詳しく描かれてないが,何か神に仕える修道士としてあるまじき様子が描かれているらしい。彼らはかなり怒ってばっくれる。(笑)
続いて,娼婦連続殺人について何か知っているかと尋ねると彼らは揃って「No!」ではイサボーやアグネスという名前に心当たりは?と聞くと「我々は神と誓いを交わしている,娼婦など知らん!」とアダム・ウォーフィールド。
結局サマービル夫人の死についても,パドリコットという名にも覚えがないと言う。

坊さん達が怒って帰った後,コーベットは,結構な収穫があったな。彼らは私の質問に対して,何故そのような事を訊くのか尋ねなかった。イサボーやアグネスについては何も言ってないのに,ウォーフィールドはそんな娼婦は知らんと言った。修道院で何かが起きようとしていたのを尋ねた時も同様。パドリコットについて尋ねた時もだ。

その後,コーベット,ラナルフ,マルトート一行は,ロンドン塔近くの聖キャサリン病院へ。まずメアリーにバーソロミュー病院を出た時間と,何か変わった事がなかったかを尋ねる。メアリーはサマービル夫人が出て15分後に出発したが真っ暗で何かあってもわからず,若い召使に道を照らしてもらって帰ったと答える。
レディ・フィッツウォレンはアグネスが自分のメッセージを送りたかったと誰かから聞いたと行ったが,アグネス自身には会ったことはないと言う。実はマーサの姉妹のメンバーが助けているのは,高級娼婦ではなくもっと場末の貧しい娼婦達だとの事。

フィッツウォレン女史によると,今回のような連続殺人が起き始めた頃から,高級娼婦達が,ウェストミンスターに連れてこられるようになったのだそう。戦争で城が空く事が多くなり,官僚や城の執事達がそのような享楽に走るようになったのだそうだ。

(それで修道士達と娼婦達が知り合うきっかけができたという事なのか?)

その夜,ラナルフはマルトートを伴ってこっそりおでかけ,メアリー・ネビルの家に忍び込む。

一方,市内の別の場所では,ハウィサという高級娼婦が,家族が巡礼中の商人とお楽しみの後,自室に戻ると,人の気配。なんだあなたなの?という感じで振り向くと……


Murder Wears a Cowl:7

2013-09-16 12:43:39 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
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コーベットは,ドゥ・クラオンが間借りしている家を訪ねる。まだ朝早いので,起こせると期待していたら,すっかりちゃんと着込んでお出まし(笑)

#ドゥ・クラオンが「禿げかけた赤毛」という事を初めて知る(笑)

もったいぶったご挨拶をするドゥ・クラオンに,コーベットは,単刀直入に,パドリコットについて突っ込む。するとドゥ・クラオン「もちろんですとも。有名な犯罪者ですよね。詐欺師って言うんですかね。パリでお尋ね者ですよ。ロンドンでもそうでしょうけど」
「何の罪で」
「ロンドンと同じ理由で」
コーベット,パドリコットについてその後も聞くが,暖簾に腕押し。ここでド・ネバーズ登場。良い感じの若者。ミーヴが気に入るわけだ。彼らはひとしきり「ご挨拶」を交わすと,コーベットは次の目的地へ。

ニューゲイトで刑場へ向かう罪人を横目に,集まっていた娼婦達からアグネスは何かを恐れていたという情報を聞き出す。
(ここで娼婦達は槍試合好きなケイドを「大槍さん」と呼んでいる事が判明,これでケイドは全然「holy」でなく連続殺人への関与の容疑は完全に晴れましたね)

コーベットはアグネスが住んでいたアパートを訪ねる。既に片づけられていた。そこでコーベットは小姓の少年を発見。少年から,アグネスの部屋に背の高いフードを被った男が来たがすぐ帰った事,アグネスは女性に宛ててメッセージを書いていたらしいという情報をゲット。

(…という事で、読者だけが知っていたと思われた情報は、ほとんどコーベットに伝えられました。「holy」以外はね。少年によればフードを被った男という事ですが,女という事も考えられます。ちなみに,長身なのはウォーフィールドとフィッツウォレン。)

その後コーベットはサマービル夫人の一人息子ギルバートに会う。だらしなくて,母とは全く疎遠で仇討ちする気もないバカ息子にイライラのコーベットだが,母がウェストミンスターで仕事として書いていた書類(洗濯物リスト)をゲット。

自宅に帰ると,ラナルフが息子を連れて遊びに来ていた。ミーヴはビールでコーベットの疲れを癒す。コーベットはその日の収穫を報告,犯人は僧のようなフードを被っている,しかし誰もが持っているものなので,誰もが犯人であり得ると。すると,ミーヴは「まだ終わってないわよ。レディ・フィッツウォレンからタワー近くの病院に来るようにと、メッセージが来ているわよ。」


Murder Wears a Cowl:ひとやすみ

2013-09-15 11:32:36 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,087(税込)
発売日:1993-04-01

本が厚くなって2冊目。とても楽しんでます。
話もいよいよ中盤,起承転結の転が始まった所。次の章ではコーベットがフランスのスパイ(コーベットは認めてないけど旧友かも(笑))ドゥ・クラオンに会いに行って,話を聞いてきます。

さて,ドハティ小説のお約束では,もう既に犯人は登場しています,が,今回ちょっと登場人物が少ないですね。果たして簡単にわかってしまうのでしょうか?(⌒-⌒; )

実は,コーベットが知らず,読者が知っている事があります。犯人を目撃したアグネスです。彼女は友人イサボーが殺された時,犯人(おそらく娼婦連続殺人の)に会ってますね。アグネスは,この犯人の事を「holy」な人物と言ってます。holyと言えば,まず思い浮かぶのは聖職者ですね。しかしアセルスタンならともかく,今回登場している聖職者は,皆僧衣に食べ物のシミが付いてる,堕落した生臭坊主ばっかりなので,彼らの中の誰かとは考えにくいですね。また,ロンドン市の捜査官ケイドの事を,娼婦がholyとは言わないでしょう。(別シリーズで言うとアセルスタンはholyだけどクランストンはちょっとちがいますよね)しかもアグネスは,これを相談するメッセージをウェストミンスター寺院に送ってます。読んだ当時は何故?と思いましたが,もしアグネスが見たのがマーサの姉妹のメンバーだったら?とすると,しっくり来ます。ケイドはとりあえず,連続殺人の犯人ではなさそうです。

しかし,アグネスのメッセージはウェストミンスターに届く事はありませんでした。あの不真面目な小姓のせいですね。で,ここが謎なのですが,メッセージが届いてないのに,彼女の「benefactor」から,教会に来るようにと「返信」が来ます。おそらく,彼女はウェストミンスターに出したメッセージへの返事と勘違いしたんですね。犯人はアグネスのbenefactorの名を語ったのでしょうか。犯人がいつもと違って娼婦の自宅へ行かなかった理由は,後でコーベットが言ってますが,犯人は,娼婦が自室へ入れるほど信頼できる人物,なのですが,アグネスはもうその人物を犯人と知っているので,自宅へ行くわけにはいかないのです。

で,連続殺人の犯人はおそらくマーサの姉妹のメンバーでしょう。高級娼婦ばかり狙う,女性の大事な所を切り取ってしまうほど娼婦を憎んでいる動機も,身分の高い未亡人なら,堕落した修道士や市の捜査官よりよほど自然に理解できます。

ではサマービル夫人の事件はどうなのでしょうか? 彼女の事件は5月11日ですが,13日にはいつものように娼婦連続殺人が起き,イサボーが犠牲になっています。もし連続殺人と関係があるとして,犯人が,サマービル夫人に何かを知られてしまったとして口封じを狙ったのだとすると,随分忙しい事になりますね。またこの場合はメアリー・ネビルが疑われます。実はコーベットシリーズには,コーベットやラナルフが心を奪われるような美しい女性が犯人というパターンが結構あるので,この線は有力です。
でも,連続殺人とは全然関係ない説もありますよ。僧衣纏っても僧に非ずとは,僧衣を着ている人が必ずしも僧ではないとも言えますが,僧衣着た坊さんでありながら坊さんとは思えない事をするという意味にも取れます。彼女はウェストミンスターの僧達の良からぬ行いを見て殺されたのかもしれません。ただし,ラグワートの証言によれば,犯人は彼女の知り合いで,信頼されている人物です。ってか,それは読者も皆知ってます。果たして,食いしん坊の修道士の中にそういう人がいるのでしょうか?


ベネディクト神父の事件は,手口が全然違うし,何より,他と違って男性を狙った事件だし,娼婦連続殺人とは異なるように思えます。

…という事で,結論出ませんが(わからなくなったので勝手にまとめます(笑)),後半見守って行こうと思います。


Murder Wears a Cowl:6

2013-09-14 01:08:43 | Athelstan・Doherty
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発売日:1993-04-01

スミスフィールドは,馬の品評会でまだごった返していた。派手に着飾った若者や婦人達。密かにさっきのマーサの姉妹の女性達と比べるコーベット。すぐ近くには火あぶりの刑に使った焼け焦げた杭が残っている…(こういう物が人々の生活のすぐ近くにあるオソロシヤ中世)

さて,2人は早速,聖バーソロミュー病院で,薬剤師トマス修道士に面会。トマスは大喜びで,自作のエールを振る舞う。(い~な~坊さんの作ったビールってうまいんだよな)

コーベットは,殺し屋の魂を見に来たと言います。トマスはプロファイリングもできるんですね。犯人は,性的には飽き飽きするほど満足しているが,女性に対しては大きな憎しみを持つ異常者,…しかし,普段は全くノーマル。10年位前にフランスで起きた似たような事件の犯人が聖職者だったという例を挙げ,コーベットが決して認めたくないような("the last person you suspect")人物である可能性も大であると。すなわち「誰もが犯人で有り得る」のだ。

では,サマービル夫人は?体の一部は切り取られてないが,トマス「おそらく犯人は,彼女が娼婦達を助ける仕事をしていたのが気に入らなかったのか,もしくは,何かを知られたかだ」コーベット,サマービル夫人が言っていた事と合致すると感心。

トマスは助手のディビッドを呼ぶ。ディビッドによれば,その日2人のレディ,サマービルとメアリー・ネビルが来て,患者と会った後,サマービル夫人はメアリーが止めるのと聞かず,1人で帰り,メアリーもその後すぐに帰ったとの事。しかしどちらに行ったかは不明。

ディビッドは,外の刑場に元兵士の乞食が住んでいるという情報を耳打ち。コーベットとラナルフは早速行ってみる。しかし「誰もが犯人になり得る」が気になるラナルフ,ケイドにも疑いの目を向ける。彼は娼婦の遺体を検分に行った時すぐ逃げ出したし。。

2人はようやくラグワートに出会う。少し頭がイカれたラグワートから,サマービル夫人と犯人は知り合いだったらしい事,犯人の足音は重く,黒いサンダルを履いていた事を聞き出す。

翌朝,コーベットは自宅で,今までのおさらい。
その1:被害者は16人,事件は月一,13日前後。手口は喉を切られ,体の一部を切り取られる。被害に遭ったのは高級娼婦。多くは自分の部屋で。しかし1人は教会の前で。娼婦が安心して自宅に招き入れるのは,町の警察官か,聖職者か?
その2:サマービル夫人について。彼女は犯人とは知り合いだ。神父か修道士か警察官か,友人か誰か信頼できる人物だったのか?
その3:サマービル夫人の遺した言葉"the cowl does not make the monk"の意味は? それは犯人についての事なのか,それとも関係ない事なのか。彼女を殺した犯人と娼婦連続殺人の犯人は同一犯なのか,それとも,そう見せかけた犯行なのか。
その4:ベネディクト神父について。彼の巻き込まれたトラブルは何か,何故ケイドに謎めいたメッセージを送ったのか,ケイドは何故積極的に捜査しないのか,娼婦連続殺人と関係あるのか。
その5:パドリコットについて。この人物はドゥ・クラオンと関係あるのか,コーベットが捜査している事件のいずれかと関わっているのか

その時,ミーヴが入ってきた。彼女はラナルフとマルトートが昨晩どこかに出かけた事と,彼は誰かに恋しているみたいという事を報告。そして,彼女の叔父,Morgan卿が1週間以内に到着する事も。

ミーヴとの会話の後,コーベットはさらにまとめる。

(1)ドゥ・クラオンは関わっているのか
(2)パドリコットの目的は何か
(3)ケイドは何を隠しているのか
(4)ウォーフィールドは何を隠しているのか
(5)サマービル夫人の言葉の真意は,ウェストミンスターで見た恐ろしい事とは,ベネディクト神父は彼女に協力していたのか,娼婦殺人事件の犯人が2人を殺したのか
(6)皆同一犯とすると5月11日の週は忙しかったはず,サマービル夫人,ベネディクト神父,イサボーは連続して殺されている
(7)最後の犠牲者アグネスが殺されたのは20日であり,お約束の13日からかなり離れている,何故だ

Corvett,思わず身震い。決まったパターンはあるのか,犯人は何人もいるのか?


Murder Wears a Cowl:5

2013-09-14 01:07:26 | Athelstan・Doherty
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発売日:1993-04-01

さて,一行は,王の財産を隠してある地下室の入り口へ。ドアは2つの錠前で閉じられ,1つは王,もう1つは市長が持っている。そして,しっかりと封印されていて,壊された様子もなし。
「このドアの向こうに階段があるのですね?」とコーベット。ウォーフィールド「はい,しかし壊されています。もし誰かが押し入ろうとしたらすぐ見つかります。で,マーサの姉妹ですね?」

マーサの姉妹のメンバーの居室は暗く,何かもの悲しい雰囲気。女性達は皆濃い青のベールを被っている。彼女達は一行を見ると話すのを止める。コーベットが進むにつれ,何故かケイドと修道士達は後ろに離れてあたかも身を隠したいかのよう。

「ここで何をしているのですか?」と尋ねるコーベットに,上座に座っていた白髪の女性が立ち上がって手を耳にかざす。右側の長身の女性が「これは我々姉妹の会合である。そなたらはノックもせず,立ち入り許可も得ていないであろう」
「奥方様,我々は国王の命令でここにいます」
すると白髪の女性は,手を叩いて静粛を促す。長身の女性が降りてくる(コーベット,その間に女性を数える,17人いる事を確認)

「レディ・キャスリン・フィッツウォレンである。主人であるレディ・イメルダ・ド・レイシー様からご質問だ。そなたらは誰だ?」(朝鮮王朝の尚宮様風にしてみました(笑))

レディ・フィッツウォレンは白髪ではあるが,顔にシワ1つなく若い。しかし,堅苦しい感じの女性だ。コーベットは宮廷の威厳の空気には慣れている。発言は最小限に控えた方が良い事はわかっている。

「あああ,そなたらは知っておるぞ…」とレディ・フィッツウォレンは軽蔑の眼差しを修道士達に向けケイドを骨ばった指で指して「そなたは不幸な女性達を殺した犯人を捕まえる事のできない二流捜査官であろう。」

コーベット,ここは気をつけないと,と,言い聞かせる。ド・レイシィとかいう婦人は,70才位,国王の助言者の未亡人,フィッツウォレンはウェールズで活躍した将軍の未亡人だ。ラナルフに警告の目線(笑)を送る。

「奥方様,私はサー・ヒュー・コーベットといい,国王の諜報局長官であり,法廷の書記長です。」
(これはすごい,今で言えばMI6長官と最高裁の裁判長を兼任しているという事だ)

するとフィッツウォレン女史,手を差し出してキスを許す。(ラナルフおかしくてしょうがない様子)フィッツウォレン女史は,修道士は必要ないであろうと言って2人を追い出すと,椅子を用意。

ここでド・レイシィ夫人,意外な位はっきりした声で,「さて,陛下の使者に,我々の事について少し話しておいた方がよかろう。我々はロンドンの枢機卿に従って,ロンドン市街を歩き男共の汚らわしい要求を満足させなくてはならぬ女性たちの為に働いておる」と,コーベットを軽蔑の眼差しで睨みながら話す。コーベット,ラナルフの足を蹴り「笑ったら首へし折るぞ」と小声で注意,すると,ド・レイシィは耳に手をあてがい「何事だ?!」「何でもありません奥方様,従者に馬をつないだが確認しただけです」するとド・レイシィ,金槌で机を叩き「しかと聞け! お前に話しているのだ!」
コーベットが周りの女性を見ると,皆下を向いて,何人かが肩を振るわせている。これがおかしくてしょうがないのは自分だけでないとわかってほっとする(^^;)

「話が終わったら,レディ・キャサリンとレディ・メアリー・ネビルに協力させよう。」とド・レイシィ。指名されたメアリー・ネビルという女性は大変美しく,ラナルフ一目惚れ! ところがコーベットはもっと驚く。この女性,亡くなった最初の妻にあまりにもそっくりなのだ。

すると「まだ話は終わってないぞ,気取り屋の騎士と難聴の従者よ!」と怒鳴り声(笑)

しかしコーベットは,この女性達が世の中から無視される哀れな女性達を庇護している事に尊敬の念を感じてきた。それに,ド・レイシィは口こそ悪いが(笑),その話から恵まれない人々への篤い同情の想いが汲み取れた。

話終わって,フィッツウォレン女史とメアリーを残し,退場する際,イメルダ夫人,コーベットをまた怒鳴る…ただし,王の健康を案じるセリフ(笑)

いよいよフィッツウォレン女史,メアリーとコーベット,ラナルフの4人でお話する段になる。ラナルフはあまりにもメアリーばかりじっと見ている。困るコーベット。2人の女史は,娼婦達についてはあまり知っている事はないが,サマービル夫人の死に関しては多少お話できることがあるとメアリー。

メアリーはサマービル夫人の死の当日の5月11日の月曜日,一緒にバーソロミュー病院に行っていた。そこで別れたが,その後彼女は家に着いてない。
そしてサマービル夫人はある悲しみを抱えていた。数年前にスコットランド戦線で戦っていた夫を亡くしたが,夫との間にはギルバートという息子がいる。

しかし息子の興味の対象は享楽。父は王の将軍として首に矢を受けた以外何もしてないじゃない?などと言って,母をがっかりさせていた。

レディ・メアリーによれば,その日サマービル夫人は,教会から出てくる修道士達を見て,何度も"Cacullus nos facit monachum: the cowl does not make the monk"と繰り返していたそうだ。

さらにフィッツウォレン女史,サマービル夫人は,殺される前の週,自分達の仕事は本当に役にたっているのか質問され,金曜日には,会合に少し遅れて来たが,何かとても心配している様子だったと言う。その日彼女はベネディクト神父に会ったそうだ。

そしてメアリーは突然思い出す。そういえば,あの日彼女は会を離れるような事を言ってました,私は反対しましたが,彼女は,寺院には何か邪悪な物があると。。よくわかりませんが。

しかしサマービル夫人はリューマチを患っていて,主な仕事は教会の衣服の洗濯等をする事だったそうだ。それだとすると,寺院の邪悪な物,というのは,ちょっとおかしい。

ベネディクト神父については,優しい神父様だったという以外,特に新しい情報なし。

衣装部屋を見せてもらうと,そこには僧服や頭巾等がかけられていた。この時点では特に変わった事なし。

ここでひとまず終了。2人の女性は今夜お食事でも,と,声をかけたが,ミーヴが怖くてお断りするコーベット。(笑) この間何故かずっとおとなしかったケイドは,外に出てようやく喋り始める。

近くの宿屋でケイドと別れた後,彼は一体何を隠しているんだろね?といぶかしがるコーベット。ラナルフと2人,聖バーソロミュー病院に向かう。


Murder Wears a Cowl:4

2013-09-08 10:31:56 | Athelstan・Doherty
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コーベットとラナルフは,ケイドと共にカッテ通りからセントローレンス教会へ。古い墓の前では。偽の弓を売った商人がさらし者にされ,見物人でごった返している。(ドハティ小説いつものお約束,当時のロンドンの様子の描写)

ケイドが坊さんを呼んで来る。コーベットはその風貌(ぶよぶよで女っぽい(笑)リスの毛皮で縁取られた派手なマントに安物の指輪じゃらじゃら)を見て,コイツは魂の救出より食べ物が好きな生臭坊主(^o^;)とラナルフに注意喚起。

坊さんは,お酢とハーブに漬けたスポンジを各々に渡して,遺体安置所のドアを開ける。コーベットはスポンジあればOKだったけど,ラナルフ耐えきれず退場(笑) (今のような消臭剤はおろか,まだ,インド等から香辛料が入る前だったよな。それまではこういう職業の人達は,こうして耐えていたんだ…)

コーベットはケイドと一緒にアグネスの遺体を確認,出てくると「誰かの娘であり姉妹だ,彼女に慈悲を」つい自分の娘を思いだしてしまう。コーベットは坊さんに銀貨を投げて「埋葬する前に祈ってやれ。白い布をかけてやれ。彼女の生涯は不幸で恐ろしい死を遂げたが,一定の敬意が必要であろう。」

ところが坊さん,足で銀貨をつついて「そんな事,やりましぇ~~ん!」

コーベット思わず怒鳴る「いや,やるんだ!もしやらなければ,ここから出てもらうぞ。今陛下は,スコットランド戦線の為に僧侶を必要としている。」そして小声で「私の名は,サー・ヒュー・コーベット,国王陛下の秘密の遣い,友人であり,カウンセラーだ」

坊さん慌てて銀貨を拾う。コーベット,さっさと墓場を出る。

彼らは教会を出ると,ロンセスバリェス聖母マリア病院へ。コーベットは王が亡き妻エリノアの為に建てた十字架に見とれる。曲がりくねった道をさらに進めば,ウェストミンスター城はすぐ。
コーベットは,まずは城の執事に会おうと言うが,ケイド曰く「執事のウィリアム・センチェはどうせ酔っぱらいで時間すらわからないですよ。」

王この数年,城を空けがちだが,それがありあり。草花は育ち過ぎ,野良犬がうろつき,窓は割れている。とりあえずセンチェという人物に会ってみる。いかにも飲んだくれの,赤毛に赤ら顔。しかし質問に対しては思ったよりは鋭い答え。ただし,何か隠している。
現在の責任者は,アダム・ウォーフィールドというsacristan。(アセルスタンと空目した(笑))ところでこのsacristanというポスト,中世修道院探偵(^^;)小説では良く出てくる。辞書を引くと「聖具保安係,聖堂納室係」とか聞き慣れない日本語。しかしこの人達,なかなか重要な役割である事が多いので,もちょっと噛み砕いた訳を使いたいんだけどなあ。。

さて,ベネディクト神父について聞かせてもらおうかと言うと,知らないとしらばっくれるセンチェ氏に,
Corbett plucked him gently by the front of his food-stained jerkin.

で、「私に嘘がつけるのはそれが最後と思え」だって。
#やっぱブラック化してるなコーベット(笑)

で、坊さんがしぶしぶ話してくれた事:当日,眠れなくて庭を歩いていると,煙を発見,警鐘を鳴らし,井戸から水を汲んで火を消したとの事。ベネディクト神父の家には特別な異常は見あたらなかったそう。

今度は一行は巨大な聖堂に向かう。コーベットは思わずガーゴイルと地獄の光景の装飾に見とれる。勝ち誇ったキリストの下で,不幸な魂が,悪魔に串刺しにされて,鼎で煮えたぎる油の中で茹でられていた。。。。
#時間かけてもアレなんで,急ぎます。

一行は集会所へ。その裏に秘密の地下室があるのだが,コーベット,封印が破られたのでは?ベネディクト神父は何か気づいていたのでは?と再度確認。しかし,ケイドは,それはありませんねぇ,と,否定。

次に中央の建物へ。アダム・ウォーフィールドに面会。コーベットは、長身でとりすましたこのsacristanは,どうも苦手なタイプと思う。それに砂糖やワインの染みが袖に着いてる。食いしん坊に違いない。

サマービル夫人の死はショックだった?と聞かれて何故か汗を一杯かいているウォーフィールド。ただ,サマービル夫人の言葉Cacullus non facit monachumに特別な心当たりはない様子。

どうやらウェストミンスターには何かを知っている人物はいないようだとコーベット。ベネディクト神父の家,地下室の入り口,マーサの姉妹を直接見る作戦に変更。

まずは神父の家。ドア1つ,窓1つのワンルームの家だったようだ。まだ焼け焦げた臭いが残っている。部屋をしばらく調べていたコーベット,「これは殺人です」と結論。火は暖炉の近くでなく,部屋の真ん中から起きている。誰かが外から油入りの入れ物を投げ入れ,そこに発火したろうそく等をさらに放り投げて火を付けたという事らしい。

(ドハティ小説では,殺人は喉切りか首締めか毒ワインと相場が決まっていたんだけど、これは新しい手口だわ(^^))

猫が逃げられなかった理由は,窓が高すぎ(なんだ,つまんね(笑))さらに,コーベットは続ける。神父はおそらく,火が燃え広がる前に目覚め,書類と猫を抱えて逃げようとしたが,ドアが開かなかったと説明。実は神父は寝る時だけ施錠していて,犯人はその事を知っていてこの方法で暗殺したとの事。

しかし,何故ドアが開かなかったのか,コーベットはケイドからナイフを借りると,ラナルフに反対側で手を出して待つようにと言い,鍵穴にナイフを差し込む。すると…

鍵穴から木片が出てきた。犯人は,神父がドアを開けられないよう,木片を鍵穴に刺しておいたのだ。

そこへ,リチャードという修道士が慌ててやってきた。ウォーフィールドに,何か手伝う事はありませんか?と言う。ウォーフィールドは心配ないと言い,コーベットは,次は地下室へ行く事に。しかし,リチャードとウォーフィールドの間に交わされた,あやしいサインを見逃さなかった。


Run!Run!Run!