ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

Spy in Chancery : 11 12

2008-11-29 12:22:24 | Athelstan・Doherty
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,048(税込)
発売日:1991-07-04

(11)
コーベットは,モーガンの宮廷の裁判を見る機会がありました。重罪者には厳罰が処され,しかも刑は素早く執行されます。でも夕食の時間は,地元の芸人が来て会話はウェールズ語,モーガンとオーウェンはコーベットとラナルフを馬鹿にしているように見えて落ち着きません。

ある晩,ミーヴがコーベットに「チェスを教えて」と近づきます。早速ドキドキしながら(笑)一生懸命教えるコーベット。でも,いざゲームをすると完敗。実は「私はどの殿方より強いのですよ。」冗談で誘ったのね。でもこれがきっかけで2人は屋上へ。ミーヴは,両親をイングラントとの戦争で失いおじに育てられた事(エオウィンだ~(笑)),退屈な時はチェスをしていた事,等をひとしきり話すと,コーベットにキスして行ってしまいます。

その後,2人は付き合うようになります。不思議とモーガンはジャマしませんでしたが,オーウェンは挑発。何か蛇の舌グリマみたいな奴だな(笑)

(12)
所変わってスコットランド。ジョン・ベイリオル(Wikipediaでの衣装は下着姿?みたいで気になるなあ。。(汗))はアレキサンダー3世亡き後,いろいろなゴタゴタを経てエドワードの後押しで王になりました。おかげでエドワードには「臣下」扱い,スコットランドの有力貴族ブルース家等には後ろ指,の辛い生活です。でも最近の行いがエドワードにバレたら,と,ハラハラドキドキ。彼は,フランス王フィリップと与する事を決意したのです。

この王の決意を聞いたテーブルの隅にいた,オーグルビーという若い騎士,こっそり城を抜け出して,町の酒場に向かいます。そこには,エドワードにスパイとして送られた,公文書部屋の長アプ・リーズ(王宮の書記官全てスパイかい!(笑))がいました。アプ・リーズは話を聞くと謝礼を支払って立ち去りますが,これを影でこっそり見ていた2人組が,オーグルビー(もしくはアプ・リーズか)の命を狙っているようです。(汗)

実は、歴史上、ジョンがイングラントとの戦争に敗れ退位する時期(1296年7月)があと1ヵ月後に迫っているんですね。そろそろ宮廷スパイ事件解決が近づいているのでしょうかね。


Spy in Chancery : 10

2008-11-26 23:11:06 | Athelstan・Doherty
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,048(税込)
発売日:1991-07-04

10章読むのに,すっかり時間がかかってしまいましたが,実は,とても面白かったんですよ♪

コーベットとラナルフは,幾つかのイングランド領主の家に泊まりながら(おおこれが現代では英国でなくニュージーランドに残る,いわゆる「ロッジ」の習慣ね),旅を続けます。当時ウェールズ人の中にはキリスト教でない「怖い」宗教があったり,その辺りには何と狼もいたそうで,何だかビルボが旅した中つ国の世界そのものみたいですね。(実は2人はポニーに乗っているのでなおさら。。)

2人は,谷間の入り口からニースという地に入り,モーガン卿の城(砦)が見える平原までやってきました。すると,数人の馬に乗った騎士のお出迎え。何かここの雰囲気,アラゴルン,レゴラス,ギムリがエオメルに出会ったシーンを彷彿とさせるのですが。。。ついでにコーベットは自慢のナイフも没収です。

砦の入り口には首吊り場があり,内部は,これまた何となくエドラスの雰囲気なんですが。。。。

オーウェンという騎士のリーダーに案内され,いよいよ黄金館じゃなくて(笑),モーガン卿の砦に到着。コーベットとラナルフは2階のメインホールに来ました。建物は木造でタペストリーなどいろいろかかっていて,奥に台座が見える構造。で,かつては教会だったのかな,のような造りだそう。頭上の止まり木に,peregrine falcon(ハヤブサ)が停っている,という景色,好きだわ。(^^)

そして,チェスをしていた2人組の所に通されます。1人は,ギルバート・ミーダーという若い金髪色白の男,そしてもう1人は,焦茶の髪と髭,やや使い古しの青いラムウールのマントに,綿シャツ,アメジストのブレスレット(どっかのド派手君主に比べりゃまあ質素で,私は好感持てると思うなあ(笑)),ハヤブサのような鋭い眼を持つ,モーガン卿です。ボルドー産のワインを出しながら,お互いを観察。

で,「名目上は」エドワード1世の遣いであるコーベットは,エドワードは,もしモーガンがタルボット殺しの下手人を捕えたなら,いかなる嫌疑も解くと請け合うと,と,適当な口上(^^;)を伝えます。狸(笑)モーガンは,エドワードに感謝する,が,下手人はまだ捕えてない、と、答えます。

こいつらどうしてやろか~と考えてるコーベット。(笑)

と、その時,ええええ?! エオウィン?? 緑の服,腰に金のベルト,センター分けスレンダー金髪美女が,スカートを少したくしあげて登場。(そりゃ誰だってエオウィンだと思うな(笑))本にそう書いてあったわけではありませんが,おそらく(笑)お口ポッカ~ン,の。コーベット。

ミーヴという名のその女性,「私は牛革のブーツを履いてます。それと濃紺のタイツを履いてます。それでよろしいですか!」モーガン卿,ちょっと嬉しそうに「こやつはわしの姪だ。ちょっと口が悪いがの。」するとミーヴ「いいえ!違いますわ。このイングランド人が,女というものに会った事がないかのように,無礼でしたので!」(ラナルフがこっそり笑っていたのは言うまでもありませんっ(笑))

コーベットとラナルフは,その後しばらくモーガン卿の砦に滞在する事になりました。一応客なんだよね?ですが,牢屋のような部屋。(笑)でもコーベットは,屋上で,爽やかな海風に吹かれながら,モーガン卿の領地の景色を眺めるのが気に入りました。ただ,彼は峰火台のような物を発見。そういえばこの地に来る間にも峰火を目撃しており,何か怪しいと感じるコーベットです。

LOTRチックに見えたのは,気のせいではありませんでした。(笑)エオウィンから峰火まで,使いましたね。(爆)


Spy in Chancery : 9

2008-11-22 10:38:33 | Athelstan・Doherty
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,048(税込)
発売日:1991-07-04

コーベットは,リッチモンド伯爵との面会待ちの間に,ラナルフと一緒に"The Creation"という舞台を楽しみます。話はまあアレ(笑)ですが,豚皮で作った水バッグで洪水を起こしたり,動く天井を使ったり,金属製の道具で神の声や稲妻を作り出したり,なかなか画期的な舞台だったそう。でもいつの間にか消えてるラナルフ。(笑)

市場には,クレオパトラを噛んだというコブラとか,モーゼの"foreskin"(おいっ,ど~してそんなモノ取れるんかいっ)とか,相変わらず怪しげなモノを売っていたそうで。。(^^;) 当時は十字軍時代ですね。何か,その手のおみやげは大流行していた,と,どっか他の本で読んだ事があります。

アパートに帰ると「叫び声」慌ててドアを開けたら,。。。ラナルフお楽しみの最中(爆)でございました。コーベット,酒場に退避。(笑) でも,罪の意識やら,羨ましい気持ちやら,何らや複雑でございます。(^^;)

翌日ようやく,リッチモンド伯との面会が叶いました。
リッチモンド伯は,金髪で贅沢な毛皮の縁取り付きのマントなどをまとい,潤んだ青い目,赤い鼻,釣り上げた魚のように下がった口?(mouth turned down like a landed fish)なヤツで(^^;),コーベットはあまり好きではないようです。リッチモンドによれば,ガスコーニュの敗戦は,イングランドのサポートがなかったせいで,テューバービルは停戦を乱したばか者なのだそう。コーベットは娘との仲を聞いてみましたが,怒られちゃいました。おまけに思いっきりバカにされてしまいます。

という事で,コーベットとラナルフは,ようやくウェールズへ向かいます。1巻でもちらっと触れられていましたが,コーベットはかつて戦争に参加して,ややトラウマ気味な土地です。道すがら,ラナルフに,その10年前の戦いの話や,ウェールズの偉大なリーダー,ルウェリン・アプ・グリフィズと弟ディビッドを襲った厳しい運命等を話しながら,ふと亡き妻メアリーや娘の事を思い出すコーベットです。


Spy in Chancery : 6 7 8 おまとめ

2008-11-16 09:16:03 | Athelstan・Doherty
Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Spy in Chancery (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
価格:¥ 1,209(税込)
発売日:1991-07-04


(6)
酒場の外で,ウォータートン,美女,ドゥ・クラオンの逢瀬を出歯亀(笑)していたコーベットに,よつんばいの乞食が近付きます。お恵みを。。という彼に,スー硬貨を出そうとしたその時,乞食が突然襲ってきます。慌てて応戦のコーベット、お~~っと防弾チョッキ着用ですっ(笑),逆に乞食に一撃。やはり,戦争経験のあるコーベット,文科系としては,弱くありませんなあ。(笑)

コーベットはこの件を,あまり信頼してないとはいえ,一応上司であるランカスター伯に報告。伯爵は,ウォータートンを罠にかけるなら,ここよりイングランドの方がよかろう,と,言い,外交団はすぐにパリを発つ事になります。コーベットは,ポエールやフォーヴェルを殺した下手人は乞食だという事を,アパートの管理人の話(フォーヴェルが硬貨を握っていた)からちゃんとわかっていたんですね。

という事で,外交団は早々にフランスから引き揚げです。
ラナルフは,フォーヴェルのアパートの管理人とお楽しみ(笑)だったそうで,ちょっとがっかり?(爆)彼は確か,コーベットが1巻で住んでたアパートの管理人とも。。。(^^;)

まだ,誰が裏切り者なのか,はっきり決まったわけではありませんが,コーベットは,ランカスター伯爵は違うだろうと何となく感じております。

その頃,ヘレフォードのディビッド・タルボットという人物(エドワードのスパイだな)は,ウェールズでフランスと通じている間者の情報をゲット。谷を一生懸命馬を走らせておりました。ようやく出口に到達,これで追手から逃れられると思って安心,喜んで加速したら。。。。。(汗)

(7)
コーベットはウェストミンスター宮殿に呼び出されます。エドワード王とランカスター伯爵の兄弟,Philip le Bel(イケメンフィリップw)に比べたら,地味やなあと思ってるコーベット。(笑)彼は,王様の顔に表れた斑点から,兄弟で言い争ったなと密かに気づいております。白人はこうなるんですね。
やや色黒な日本人ではほとんどわかりませんが,怒るって,結構,体(頭)に負担かけるんですね。(汗)

さてここで,ロイヤル・ブラザーズは,タルボットの事件,ウォータートンの出生のさらなる詳細(母がフランス人であるばかりでなく,父はサイモン・ド・モンフォールのサポーターである事)またその裏には妹婿リッチモンド伯の陰が見え隠れする事など,新情報を提供してくれます。ちなみにリッチモンド伯はフランス人だそうで。。。。それで当時国と国がそんな関係にあっても,イングランド王女と結婚しなくてはならないなんて,フクザツですねぇ。

サイモン・ド・モンフォールの名前は1巻に出てきました。こちらで復習しましょう。

王様によれば,自分が決めた事が,もう数日でイケメン王に伝わっているので(それじゃあ確かにお○○をしただけでも伝わる可能性が。。(爆)),犯人はすぐそばにいるだろうとの事。

という事で,コーベットは,今度はウェールズのモーガンという人物の調査に行く事になりました。

(8)
コーベットは,ウェールズに行く前に,王の忠実な騎士テューバービルに会いに行きます。彼は元々リッチモンド伯に従って,前年のガスコーニュの戦いに参加していました。仏軍は,Le Loup du Guerre(Warwolf→werewolfじゃないぞ(爆))というたいそうな武器で攻めて来たそうです。英語名から想像すると,LOTRに出てきた「グロンド」みたいな物なのでしょうかね?(^o^;) 火の玉と岩の攻撃にたまらず,英国軍敗退とありますが。(それなら同じLOTRでも巨大カタパルトの方が近いような。。)ああそう言えば,汗留守端(すごい面白い変換ミスもったいないからそのまんま(笑))シリーズの方で,フランス軍はネコパルト攻撃(^^;)をしてきたとありましたね。当然クビパルト(滝汗)攻撃もあった事でしょう。もしかすると,ペレンノールの戦いって,百年戦争時代の英仏の争いがモチーフになっていたりして。。

で,話が完全に逸れてしまいました。え?どこだったっけ?(爆) 。。ええそれで,リッチモンドの戦い振りは相当腰抜けだったようで,テューバービルは業を煮やして,勝手に突撃,リッチモンドには怒られたようですが,エドワードに気に入られて,現在の地位を得たのだそうです。

ところで,この戦いでリッチモンドやテューバービルはフランスに家族を人質に出す羽目になったのだそうです。という事で,コーベットはテューバービルを訪ねた後,今度は人質に送る手紙のコピーを保管している公文書倉庫を訪れます。

公文書倉庫と言えば,コーベットの師であり旧友のナイジェル・クービルの職場ですが,爺さん,まだ生きていたな。(笑)ただ,責任者はゴロンディ・アプ・リーズという,名前から明らかにウェールズ人。彼は現在それでもイングランド王に忠誠を誓っているそうですが。しかしイングランドも大変ねえ。フランスとの関係と言い,これじゃ一体誰を信じて良いかわかりませんよね。誰だって反逆者になり得るし。

コーベットは,リッチモンドやテューバービルの家族宛ての手紙をチェック。後で,筆跡から密かに,ウォータートンが,コピー屋である事に気付きます。(え,ゼロックスありませんから,手書きコピーよ。(笑))


Spy in Chancery : 余談その2

2008-11-09 11:50:38 | Athelstan・Doherty
本家UKのAmazonをあさっていたら、何と、カセット版を発見! ドハティ小説にオーディオがあったなんて、初めての発見です。う~~ん、欲しいんだけど、いくら円高で千載一遇のチャンスとはいえ、送料も含めたら、決して安くないし~。せめてCDなら挑戦するんですどねぇ。。。。(泣)



Spy in Chancery : 5

2008-11-09 11:15:58 | Athelstan・Doherty
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価格:¥ 1,209(税込)
発売日:1991-07-04


ランカスターのコーベット嫌いの原因は,兄王が,彼よりコーベットを信頼しているから?なんですかね? ま,とにかく,彼は,ぶしつけに,ポエールとフォーヴェルを殺した犯人を捜せ,とだけ。

コーベットはラナルフを従え調査開始です。ようやくポエールが最後にいた酒場を発見,ヘンな訛りの外国人(笑)に,機嫌悪そうですが,足が不自由な乞食が彼に付いて言ったと証言。続いて,フォーヴェルのアパートを発見。

"Je suis Anglais."

あ,これ位のフランス語ならわかるよ~(笑),私はイングランド人だ。。。すると,管理人の女性はイングランドのデボン出身で英語が話せるという事で,よくイングランド人にアパートを貸すのだそう。フォーヴェルはアパートの前で喉を刺されて死んでいたそうですが,彼の手から,彼が最期に乞食に渡そうとしたスー硬貨がこぼれ落ちていたと言います。

コーベットは,外交団一行の素行調査を開始。まず,ウォータートンに目を付けます。彼は身分の割りには優雅な服装だし,会話には注意深い,確かに何かありそうです。また,母がフランス人で,フランス語はネイティブ並み,なので,夜のパリを歩くにも,怖い物はないのだそう。

ウォータートンが出掛けるのを見て,尾行を試みるコーベットです。彼はある酒場に入りました。一体何の用事かと待っていたら,現れたのは,ドゥ・クラオンとトロイのヘレンも羨むほどの美女。。。そして彼女と楽しそうにお話するウォータートン。それを見届けたコーベット,帰り道にさんざん乞食にまとわりつかれ,怖い思いをしました。


Spy in Chancery : 4

2008-11-07 23:04:57 | Athelstan・Doherty
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価格:¥ 1,209(税込)
発売日:1991-07-04

シモン・フォーヴェルは,エドワード王の,え~と,agentっていかなる風にも訳せますけど(笑),スパイ? 外交官? 代理人? で,主にガスコーニュの事についてフランス側と交渉するのが,現在のお仕事。フランスはガスコーニュをぶん取っていて,返還する気がないんですね。え,ガスコーニュってフランスじゃんって思います(^^;)けど,イングランドにとっては,やっぱり,まあ,現在の,北方領土問題のような物ですね。

で,フォーヴェルという人は,信心深くはないけれど,パリの自宅近くの小さな教会の,世間のギラギラも陰謀も関係ない,清らかな雰囲気が好き。本日は亡妻の命日です。彼は仕事で妻の死に目に会えなかった事を非常に悔いて,毎年命日の,妻の亡くなった時間にお祈りしているそうです。

何か,コーベットによく似た人ですね。

。。。な~んて感心していたら,

ポエールと定期ミーティングしてた? それはやばいと思った瞬間,しつこい「乞食」がっ!!(泣)

コーベットは,パリに到着。食べ物等,結構楽しんでおります。一行は,やがてフィリップ4世に謁見。高価なオコジョ(って要はイタチね)の毛皮に縁取られた青いビロードのガウン,肩までの金髪のイケメン王様。。

がっ; コーベットは,王の隣に,と~んでもない人物を大発見!(笑)で,腰を抜かさんばかりにび~っくり。ドゥ・クラオンでございます~。

この外交団,表向きはガスコーニュの返還交渉に来たんですね。(今頃納得(笑))ですがもちろん,交渉は難航。シモン・フォーヴェルが殺されたと聞いて,騒然のイングランド交渉団。ですが,もちろんフランスのスパイを捜しに来たなんて言えませんので(笑),若造の王様に言いたい放題言わせざるを得ません。


Spy in Chancery : 3

2008-11-07 23:01:35 | Athelstan・Doherty
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価格:¥ 1,209(税込)
発売日:1991-07-04

コーベットの一行はイングランドの使節としてパリに向かうようで,結構たくさんの人が同行しているようです。皆ひどい船酔いから回復して,出発の日は結構な大騒ぎです。

ラナルフは,ニューゲート監獄でコーベットに救われてはや10年,現在はコーベットの忠実な執事です。..てことは,彼の年齢換算が正しい(笑)とすれば,2巻から8年の歳月が流れているという事ですね。ラナルフは,相変わらず,女性を追いかけ回しているらしいです。きっと魅力的なんだな。。。ラナルフは現在27才という事か。でコーベットは,1巻では28才,2巻で30才だったのね。(笑)

コーベットの目には,フランス北部の田園は,過去転戦したウェールズなどより,ずっと豊かに映ります。

しかし,交差点ごとに点在する,店の商品や絞首台を見るに,地主の取り立てや,法律が厳しい事もわかります。

イングランド外交官ご一行様のうち,エドワードの弟ランカスター伯は,むっつり意地悪,妹婿のブリタニー伯は,自意識過剰でラナルフに負けない女好き(笑)なのだそうです。また,ヘンリー・イーストリーというカンタベリーの修道士は,ウィンチェルシーの公証人で,王の内々の情報を扱う人物。しかし,ランカスター,ブリタニー,ウォータートン共々,そういう仕事をしているので,誰もが裏切りの容疑者になり得るのです。

そんな方々と一緒の旅は,コーベットにとって,とっても退屈。。(笑)

。。。と,ここで突然,一行は襲われます。コーベットは,実は自分を狙って来たんじゃないかと,慌てます。ラナルフが顔を負傷して大騒ぎ。

一段落ついて見てみると,結構大きな損傷を被っていました。馬2頭,もう1頭も大怪我(もう連れて行けないね(泣)),味方3人敵1人が,犠牲になりました。
ランカスター伯,思わず「我々の中に裏切り者がおるな。」
でもコーベット,「このように賑やかに行進したら,我々の行動は,ノルマンディの半分に知れております。」

その頃,とある教会。この事件の黒幕は,ドゥ・クラオンでした。珍しいねぇ,悪役を複数の本に出すの。お気に入りなんだな。(笑)彼は,よっぽどコーベットがお嫌いのようです。


Spy in Chancery : 余談

2008-11-02 11:53:44 | Athelstan・Doherty
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発売日:1991-07-04


フランスのハンサム王フィリップ4世に興味を持って(笑)、彼のその後をちょっと調べてみました。そしたら、出るわ出るわ(^o^;)次々驚くべき事が判明。

彼が所属したのはヒュー・カペー(わっ怖そう(^^;))から300年続くカペー朝。フィリップ4世は、この当時は老練なエドワード1世を翻弄する若き頭脳派だったようですがが、1314年に46才の若さで狩猟中に脳の発作を起こして他界。彼には3人の息子、ルイフィリップシャルル(この人が1番父の美貌を受け継いだね)がいて、次々王位を引き継ぎましたが、次々早世。カペー王朝は途絶え、従兄のフィリップが後を継ぎ、ヴァロア朝に移るわけです。

まあ、3人の息子たちの行末、これだけでも衝撃的ですが、さらに超~びっくりなのは、末娘イサベラ。エドワード1世ったら、あんなにフィリップ4世嫌いだったのに、ななんとその末娘を、跡取りの嫁にしているんですね~。てことは、彼女は、そう、知る人ぞ知る、イングランド王家最悪の悪妻、イサベラ王妃なのですよ。(汗)彼女は父に似ずとろい夫エドワード2世を食い物にして、最後は愛人と計って惨殺(ひぇ~~)したという、世にもおっそろし~~王妃様です。

てことは、もちろん、後のアセルスタンシリーズに顔出しする、エドワード3世は彼女の息子(つまりはフィリップ4世の孫だ)、エドワード黒太子、ジョン・オブ・ゴーント、エドムンド・オブ・ラングレーの3兄弟は、彼女の孫なのです~。


Spy in Chancery : 2

2008-11-02 10:28:53 | Athelstan・Doherty
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発売日:1991-07-04


イングランド王アキテーヌ公エドワード1世は,お怒りモードでございます。
彼の評議会の皆さんは,おとなしく座って耐えております。カンタベリー大司教ロバート・ウィンチェルシーはやおら「王よ,ここに反逆者がいます。下水の如く臭く汚らわしい事でございます。」

すると王はすかさず「カンタベリーの司教殿,それではあたかもフィリップ4世に知られずに屁をたれる事もできぬようじゃな。」

(あ~~~ごめんなさい,下品な言葉を。。(^^;))

王は,愛妻エレノアと,良き友ロバート・バーネルを亡くし,この頃怒りっぽくなりました。彼は信頼できる友を無くし,ウィンチェルシーも信用していません。

この場にいるのは,王の親族たち、エドワードの弟ランカスター伯エドムンド,妹婿リッチモンド伯ジョンヘレフォード伯ボフンノーフォーク伯ロジャー・ビゴッドですが,王は皆アホ(汗)で,役立たずと思っております。

そして,他にはハンサムで良き事務官ではあるけれど,生活が分相応でないと噂の,ラルフ・ウォータートンがいます。

会議が終了,王に忠実なバナレット騎士,トマス・テューバービルが,皆が去るまで待って,他に何かお申し付けはありませんかと尋ねます。テューバービルは王のお気に入りです。

ふうっ,単語と人名で,疲れましたわ。(笑)

ドハティ小説のお約束,この中に「犯人」がいるという事なのでしょうかね?

当時のイングランドを取り巻く状況は,この間の読書で,スコットランド王とフランス王女が結婚していた事からもわかりますが,フランスがイングランドの周りを固めて,イングランドを孤立させようとしています。え,当時は,ダルタニャンの出身地として有名なガスコーニュもイングランド領なのね? ここももちろん,フランスが狙ってます。

エドワードによれば,フィリップ4世(実際Philip the Fairと呼ばれたイケメン王)は金髪碧眼のブリッ子で,罪のない顔をして皆(ヨーロッパ中)を騙す(爆)のだそうです。そして,大帝国を築く魂胆なのだと。

王は,もしバーネルならどうするか,彼が生きていたら誰にその役を命じるか,考えます。すると,もちろん,彼の脳裏に浮かんだのは,

アイツです。(笑)

そして王命により,アイツはフランスに送られました。彼はまずはブーローニュシュルメールのノートルダム教会にお参りしております。何でも,今回のドーバー海峡の航海はひどかったそうで,ずっと船首でうずくまったまま,だったそう。

現在,コーベットは,国家の全ての公的文書に関わる責任者です。

で,
あれれ?

彼は現在38才? アラフィとばかり思っていたのですが,アラフォーじゃんっ。いやだわ,どこで勘違いしたのかしら?

とにかく,その時代,35才まで生きられればラッキー,だったのだそうです。でも彼はまだまだ元気だそうで,何よりです。

バーネル卿の死から既に4年の歳月が経っていました。彼の死後,なんとなく過ごしていたコーベットは,突然王に呼び出され,そこで受けた命令は,もし必要ならその場で裏切り者を殺せ!という恐ろしいものでした。

もしかすると,裏切り者は,同僚かもしれません。もう早速,誰かが潜んでいる気配を感じるコーベットでした。


Run!Run!Run!