ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

HoME6 : XXIII In the House of Elrond (2)

2005-08-31 23:25:33 | Tolkien・HoME
<クリストファーさんコメント>
その後フロドはビルボに会います。これ自体は正式版とあまり変わらないとの事。しかし,もちろんアラゴルンの代わりにTrotterの噂をする事になります。前にフロドはTrotterの姿を見てないとありましたが,どこにいたと思います? -彼がいたのは,キッチンでした! なんと,彼は,晩餐の支度を手伝っていたのでした。(アラゴルンもその場にいなかったですけど,その理由は‥「全然」違ってましたよね~(笑))
</クリストファーさんコメント>

<本文>
「ペレグリン!」と呼ぶビルボに「Trotter」と呼ぶフロド。「どちらも正しい」と彼は笑います。フロドは,「まったくガンダルフったら,‥彼は,私があなたをどこかで見たような気がすると言ったら,笑ったんですよ。あなたは昔のあなた自身の面影と,フォルコやトゥック家の人々を思い出させるのですよ。私が小さいとき,Roryおじさんの所でシャイアの外についてとか,ビルボの話をしてましたね。私は,ずっと,あなたがどうなったのかと心配していたのですよ。‥‥それにしても,その靴,一体どうしたんですか?」
Trotterは「その理由は今は言いたくない」,するとビルボがちょっと不幸せそうな顔をして,「さあPerry!ちょっと手伝ってくれ!この歌,もうすぐ出来上がるからね」
</本文>

<クリストファーさんコメント>
その時,突然文章の真ん中に,トールキン父さんの書き込み登場。「Trotterはホビットでない方がよい。レンジャー,西方人の継承者‥最初に計画した通り」

私は何故かここで,クリストファーさんが思わず飲みかけたコーヒーをブーッ!と吹き出しそうになった光景を思い浮かべてしまいました。(笑)『最初に計画した通り』って‥?! これまでずっと進んできた話の中のTrotterからは,どう見たって彼は最初からホビットと計画されて描かれていたようにしか見えません。しかし,‥1番最初の原稿のブリーの光景です。実はそこには,「ブリーには海の向こうの王国の人間の生き残りが住んでいる」と描かれていました。確かに,その時点では,Trotterはホビットではなかったはず,かも。‥‥ただ,『ビンゴ』同様,トールキン父さんは現在のアイディアに慣れてしまって,すぐには変えられないようでした。
</クリストファーさんコメント>

<本文>
フロドが目を覚ますと,ちょうど歌が終ったところで,エルフの1人が,ビルボに「今の歌のどの部分にペレグリンの話を入れたんだい?」と聞いていました。ビルボは笑って「自分で考えてみて」と言いました。彼らも笑いながら「だって2人のホビットを見分けるのは難しいよ」と言いましたが,ビルボは,「眠いからもう寝ようかな,実はほとんどがペレグリンのパートだったんだ。」
フロドが「聞いてなくてごめんなさい」と言うと,ビルボは「どうせまた聞くことになるだろうから,いいよ,ここでは眠くならないようにするのが大変なんだ」と答えます。

その後彼らは上の部屋でいろいろ話をしました。エルフの事,広い世界の事,指輪の重荷の事‥‥。
</本文>

その後ビルボはサムに何故か「私はもうすぐ150才だ」と言ってますが,後で128才に書き直されたそうです。

<本文>
次の日の朝,フロドがサムが運んだ朝食を食べていると,ベルが鳴り‥
ガンダルフがやってきました。「1時間半後に会議が始まる。わしは行かねばならぬ。ビルボが準備が出来次第あんたを連れていってくれるじゃろう。サムも一緒に行く方がよい。」

会議は谷の上の森の中の空き地で行われます。12個の石で彫られた腰掛けと,その後ろに木で作られたもう少し小さい腰掛けが並んでいました。周囲は落ち葉で一杯でしたが,木々はまだ色褪せた緑の葉を残していました。

そこにいたのは,エルロンド,ガンダルフ,グロールフィンデルの他に,バーリンの息子のBurinという若いドワーフ,隣には,闇の森のエルフの王から送られた面識のないエルフ,Trotterと,他のホビット達(メリー,フォルコ,オド),Erestorというエルフと,エルロンドの家族(kinsmen)?の2人の半エルフ,そして気高い容貌だけど物憂げな(noble, but dark and sad)人間の男性でした。

「こちらはボロミアといって,遠い南の国から昨日到着した。彼の話は我々の役に立つだろう。」とエルロンドが紹介します。
</本文>

ここに「旅の仲間」の原型を見る事ができます。正式版と結構似てますね。それにしても,この段階で,ボロミアが,もういきなりちゃんとボロミアだったというのは,ちょっと驚きました。さて,ここからどうなっていくのか,楽しみです。

HoME6 : XXIII In the House of Elrond (1)

2005-08-30 22:46:51 | Tolkien・HoME
さて,とてもとても長い前提話がようやく終って,ついに,待望の次へ進む事ができます。

実はもう1回シャイアに戻らなくてはならないんですが(汗),まあ,その話はその時するとして‥‥。

しかし,そうは言いましても,クリストファーさんにとっては,試練の日々だったようです。
it is difficult to deduce the chronology of composition.
難しい言葉ばかりですが,要は,話の起きた順を整理するのが大変難しかったという事です。それでまた,正式版とは大きな違いがあるそうです。一体どんな違いなのでしょうか。。。わくわく

<本文>
フロドが「バーリン,オーリとオインはどうなったのですか?」と聞くとグローインの顔に翳りが。。

彼によると,バーリンはビルボを訪ねてから2~3年以内に,大勢のドワーフを連れて南へ向かったそうです。バーリンはダインがモリアを治めるか,もしくは彼自身にモリアの再開をさせてくれる事を望んでいたのです。(モリアはドワーフ達の祖先が住んでいた地ですが,ゴブリンに追われて彼らは北へ逃げてました)そして彼は,モリアには誰もいなくて(ゴブリンは戦に負けた)また豊かな銀の鉱脈も残っていると報告しました。ダインはトーリンの墓を離れたくなかったので,彼に行く事を許可しました。そしてオーリとオインも彼に従いました。

最初はうまく行きました。モリアとはなれ山の間に往来があり,ダインに銀の贈り物が届けられました。しかしある時,転機が訪れました。遣いの者が武装した残酷な人間に襲われたのです。それから遣いが来なくなりました。そして,モリアには誰もいなくなった,という噂が流れました。しかし最近になってある知らせがありました。それはとても酷いものです。

グローインはそれを話す為に裂け谷に来たのです。しかし彼はそこで話を止めました。「今宵はもっと楽しい事を話そう!」

HoME6 : XXII Uncertainties and Projections (4)

2005-08-30 22:33:58 | Tolkien・HoME
Neldorethの森は,ドリアスの北にあり,シルマリルに載ってます。
その木の鬚についての話を書く半年前,トールキンさんは,Dragonは出ないけれど,巨人は出ると語ったのだそうです。(35番の手紙)

(11) 次はペレグリン・ボフィンについてです。

ビルボが99になり,"well-preserved"と言われていた頃の事です。
人々はそれを心配していたようですが,ビルボは意に介さず相変わらず気前がよかったので,殆どのホビットは,彼の変人振りもまあいっか,と思っていました。(彼の家は宝で一杯だと思われていました)

ただ全ての人が彼のことをよくは思っていたわけではありませんでした。彼の取り巻きの親達は,息子達がガンダルフに会ったりするのを心配していました。彼らの心配はペレグリン・ボフィンの事件以降,ますます膨らんでいきました。ペレグリンは,ビルボの母の2番目の姉ドンナミラ・トゥックの孫にあたりました。彼はビルボが冒険から帰った時5才でしたが,やがて暗い髪の痩せた少年に成長。ボフィンというよりはトゥックの気質そのものでした。彼の父パラディン・ボフィンは,彼が成長するにつれて,ドラゴンだの山だの森だの狼だのと話し始めると,とても心配になってきました。やがて袋小路屋敷に行く事を禁じ,ビルボが来てもドアを開けないようになりました。

ビルボは,ペレグリンがお気に入りだったので,この事をとても重く受け止めていました。しかし彼は袋小路屋敷を秘密に訪ねてくるようになどと勧めたりしませんでしたので,ペレグリンは家から逃げ出し,やがてある日,北四が一の庄の沼地を飢えて彷徨っている所を発見されます。そしてついに,彼は成人すると(ビルボ80才の春),彼は姿を消します。シャイア中で捜したのですが,見つかりませんでした。

こういう事が起きるとガンダルフのせいだと言われましたが,今回はビルボにもこの避難が波及しました。そして彼の若い取り巻きは遠ざけられました。しかしビルボは,ペレグリンの失踪には困惑していました。

そんな中,彼の傍を離れなかったフロド・バギンスは,しばらくするとビルボのお気に入りになりました。ちょうどペレグリンの失踪の頃,彼は12才で孤児になっていました。彼には心配して遠ざける両親がいませんでした。

‥そして,ペレグリン・ボフィンはやがてTrotterに‥

ピピン(ペレグリン)の名前の由来がなかなか出てこないと思っていたのですが,こんな重要キャラから来たのですね。アラゴルンとピピンが共通の前身を持つというのは,なかなかウレシイ話です~。そう言えば,後のこの2人は王様と家来の関係になるのは,こういう経緯からなのでしょうか?

この章で新たにわかったのは,
  • 木の鬚は悪役から始まった
  • 馳夫さんの前身はビルボのお気に入りの冒険好きのホビットだった
  • ピピンの前身はビンゴと旅する軽いホビットの他に,馳夫さんと共通だった
  • 指輪を棄てる時に起きる事,その後シャイアに起きる事が決められる
  • 石の都の冒険談が登場する

ですね!

HoME6 : XXII Uncertainties and Projections (3)

2005-08-29 22:42:02 | Tolkien・HoME
(8) トールキンさんが結末を書いたメモの裏には,ビルボが裂け谷でビンゴにさよならを言うシーンが書いてあったそうです。彼が言うには,指輪は破壊された,ここはさよならを言うにはいい場所だ,ビンゴと自分は小さい生物だが,なすべきことを成し遂げた,とても不思議な運命を共有した‥というような事が書いてあります。

クリストファーさんは,トールキンさんがビルボが裂け谷で一生を終えると予測したようだと言っています。

(9) 次はやはり1939年8月の日付で,面白い事が書いてあったそうです。

春まで待つか?すぐ出るべきか?
彼らは山沿いに南へ。後でか早めにか,Red Passで吹雪に遭う。
森で巨人木の鬚と冒険
モリアの坑道。ゴブリンしかいない。
Ondの国。都の包囲。
モルドールの境界に接近する
闇からゴラム,改心のふり? フロドを絞め殺そうとする? しかしゴラムは指輪を持ち,見えない。フロドは自分のを敢えて使わない
7人の黒の乗り手が導く行列
地平線に闇の塔。「目」が彼を探しているような恐ろしい感触
火の山(Fiery Mountain)
塔の破壊による火の山の噴火

さらに鉛筆で小さなメモ「ビンゴ(フロド)は冥王に捕まり尋問されるべきか? そしてサムが救うべきか?」

そして,ゴブリンの記述の先に,「ガンダルフを失う」

ここでは,Redhorn Passの旅,ドワーフ達とモリアの事,石の都が包囲される事,フロドが捕まる事,ガンダルフの事,‥と,どんどん,正式版のプロットが構築されてきていますね。

(10) 木の鬚について
さて,前の章ではガンダルフを捕まえていたりとか,何かと気になる木の鬚ですが,トールキンさんの1939年7月29日の手紙にこんな話になっているそうです。(しかしその話の両端は,「fine ornamental script」で覆われてます→HoME6巻の本をお持ちの方は,P383をご覧下さい!)

フロドは声に気が付いて上を見たけれど,絡んだ枝しか見えません。と,急に寄りかかっていた木が震えたような気がして,飛んで逃げようとするや否や,押されたか,蹴飛ばされたかで前につんのめりました。木の方を見ると,それは彼の方に迫ってきて,てっぺんの方から,ゴロゴロ唸るような笑い声が響いてきました。
「どこにいるんだ?カブト虫君!どこにいるか教えてくれなければ,踏まれても文句は言わせんぞ! それとくすぐるのをやめてくれないか!」
「足が見えないんですけど,どこにいるんですか?」とフロドが言うと「お前はメクラか? ここだ! 私は木の鬚だ! お前は私の庭にいるのだ。」
するとフロドは「庭も見えないんですけど? 庭ってフェンスがあって,花や草が生えているものではないですか?そういうものが見えないのですが」すると,「おお!あるとも! お前は気づかぬうちにフェンスを越えて来たのだ。お前は草の根元を通ってきたから気づかんだけだ!」
実はフロドが木の幹だと思っていたのは,大きな花の茎でした。そして大きな樫の木の幹と思っていたのが,コブコブの足とたくさんの枝分かれしたかかとでした。

そして,この(英文の)下のテングワールには,これは「ホビットの冒険」の続きの「The Lord of the Rings」という話の一部で,フロドがNeldorethという所で見失った友達を捜している時,木の鬚に出会った所を描いている。(この先が問題)彼はフレンドリーな振りをしているが,実は敵の回し者なのだ。

あちゃ~,ホントに,木の鬚は最初,悪役だったんですね。でもなんとなく,サルマンぽいですね? つまりこれは,サルマンの前身の姿なんでしょうか。

2005夏休み北海道(14)

2005-08-28 16:22:55 | 旅行
カーナビを普通にセットして,美瑛の駅から旭川への道をガイドさせたら‥,すっかり忘れていました。かの有名な,「美瑛の丘」に入ってしまいました。‥と言いましても,さほど混んでなく(いつぞやかは土曜日に入り込んでしまい,どえらい目に遭いましたが(汗)),セブンスターの木,などもまだ健在でした。写真は,別に名前の付いた場所ではありませんが,ひまわりがアクセントでした。

Harry Potter À L’École des Sorciers

2005-08-28 11:12:44 | ハリポタ1巻
読めもしないのにこんなの買ってしまいました。(笑)

実はフランス語は,大学で第2外国語として1年だけやっていたんですよ。それで,本を開けてみたら,全然覚えてないはずなのに結構読める?! いや,意味はわからないけど,確かに見覚え,聞き覚えのある単語が結構あるんでちょっと驚きました。へへぇ~,やっぱ若い時にやった事って脳みそに残るもんだなあと関心。

‥で,それはどうでもいいんですけど(笑)かねてから,邦訳のポタは,学校の科目はしょうがないですが,食べ物や魔法の名前を,指輪物語に至っては人の名前まで訳しちゃって,原書と比べた時に変換が大変!と思っていましたが,仏語版ったら,イギリスのお隣の国とは信じられない位,言葉変えまくり。寮の名前なんか,Gryffindor→Gryffondor,は一部違うだけですが,Slytherin→Serpentard,う~ん,この辺りは意味はわかりますね。しかし,Ravenclaw→Serdaigle,Hufflepuff→Poufsouffle,という辺りは,全く???です。

そのうちまとめてご報告します。


2005夏休み北海道(13)

2005-08-27 00:32:47 | 旅行
3年位前,つまりは私がまだ指輪物語と出会う前に見つけたものですが,十勝岳と美瑛駅の中間辺りでしょうか。こんなソーセージ屋さんがあります。小さなレストランもついています。私達はここでホット・クナッカーというソーセージを買って,お昼のおかずにしました。車で食べると言ったら,わざわざボイルしてくれました。とってもおいしかったですよ。このソーセージ屋さん,綴りが,Bが重なっている!と思ったら,やっぱり語源はあの○○○○でしたね。

The Horse and His Boy:13~15章

2005-08-26 23:06:34 | ナルニア・C.S.Lewis
エドムンドの一行は,前日Shastaが来た道を逆戻りしてAnvardへ向かいます。そこはちょうどRabadashの一行が城に攻め込もうとしていました。Edmudの軍勢はそこへなだれ込みます。Shastaはどう戦ってよいのかわかりません。(汗) その頃,Hermitの家では,彼が水鏡?に戦の様子を映し出していました。Aravis,Bree,Hwinもその様子を見ていました。Hermitは水鏡の中で起きている戦いの様子を説明してくれましたが,何故かヘタな質問をすると怒ります。(笑) やがて,どうやらArchenlandとナルニアの軍が勝利をおさめたようです。Rabadashは何故か壁に引っかかってしまい,とても恥ずかしい思いをする事になってしまいました。

この意外と気が短かったHermit,誰かに似てると思ったのは私だけでしょうか?(爆)

Breeは何故かアスランの事をイマイチと思っている?様子です。そんな話をAravisとしていたら,いつの間にかBreeのすぐ後ろにアスランがいました。Breeはとてもきまりが悪いです。彼らの所に,ArchenlandからCorという王子が訪ねてきました。Aravisは,‥彼を見てびっくり。何と,Shastaではありませんか。実はShastaは,元からArchenlandの王子でCorinの双子の兄Corだったのですが,赤ちゃんの時,彼はこの国を救うとCentaurに予言され,それをよく思わなかった家来が遠い国に彼を追いやってしまったのでした。そしてShasta改め,Corは,仲間は皆一緒にAnvardで暮らせるから一緒に行こう,と言います。Breeはナルニアの馬らしくなろうと決意して,最後の「ごろごろりん」(Calormen時代好きだった)をします。

Corの仲間は,Lune王に歓迎されました。捕虜になったRabadashはまだまだ強気。どうしてもArchenlandの王の優しい申し入れを受け入れようとしません。アスランはしまいに怒り出し,Rabadashをロバに変えてしまいました。彼はTashbaanの寺院に帰ればまた人間になれるけれど,Carolmenの人達にロバにされた事を見られてしまい,10マイル外に出たらまだロバに戻り,今度は二度と人間に戻れない,と宣告されました。結局彼はTashbaanに戻り,Tisrocの跡を継いで王になり,アスランの言いつけを守ってTashbaanから出る事なく,平和をもたらす王となったのでした。一方,Shasta改めCorは実は長男であった為,Luneの後を継いでArchenlandの王になる事になります。意外にも,Corinはこれを歓迎しました。そして彼は成長すると,Aravisと結婚して,彼らの息子はArchenlandで最も有名な王子となったのでした。

お話のアイディアはめちゃめちゃ面白いですが,もうちょっと深く掘り下げた方がもっと面白そうだなあと思いました。ただ,そこを掘り下げるとTolkienみたいになるので,‥それでさらっと終わらせたのか?!
で,残す所あと3冊になりましたが,ナルニアはちょっと疲れたかも,なので,ちょっとお休みにして,次に何を読もうか決心まで,たまにはHoME読書に力入れようと思います。


HoME6 : XXII Uncertainties and Projections (2)

2005-08-26 22:40:49 | Tolkien・HoME
注意:この章の話はトールキンさんのメモに基づいていて,しかも私がさらに省略したりしていますので,一生懸命読んでいると論理的な首尾一貫性を欠いている事が少なからずありますので(^^;)ご了承下さい。

トールキンさん「これはダメ」とメモった後に次のような文章を書いています。

<本文>
彼(ビルボ)はポケットまさぐって鎖をつけた指輪を出します。そしてそれをほどいて,手のひらに乗せます。そして「これだよ!」とため息をつきます。フロドが手を出します。ところが彼はそれをポケットにしまってしまいます。彼は変な顔をして「あー,」とどもると,「出発する前,最後に,君に渡すか,―それとも引き出しに入れよう。」フロドは不思議に思いましたが何も言いませんでした。

そしてパーティの後,ビルボはさよならを言い,「あ~,‥指輪‥は引き出しに‥」と言って消えます。
</本文>

クリストファーさんによれば,ビルボが指輪で悩んでいた事,―指輪の影響による疲労―,が,彼がシャイアを出る理由になるのだそうです。お父さんは最初は「ビルボはフロドに,指輪の問題点を何も言わず,ただ渡す」事にしようと思ったらしいのですが,「やっぱり彼が出発する瞬間まで持たせよう」に変えたと,クリストファーさんは推測します。そしてビルボにちょっときまりの悪い,わけのわからない態度を取らせる事により,読者には,指輪が持ち主にとても不吉な影響を与える,と思わせる効果を狙ったと考えています。

(5) 裂け谷の話の後,ドラゴンがシャイアにやってくる???
フロドは,ビルボから受け継いだお金が底を付き,ドラゴンの金を求めて旅立つという筋書きもあったそうです。(なんかその話でも面白そうでしたが(笑))

(6) 「その後」の筋書き
そして同じページに,また別のアイディアも書かれていました。

海の中の島。最後はフロドをそこに連れて行く。
ラダガスト(ホビットの冒険にちらっと登場してましたね)
エルフ,人間,と冥王の激しい戦い
冒険‥‥Stone-Men

海という話は,正式版でもちらっと出ていたような気もします。ラダガストは,もしかすると,活躍した可能性もあったわけですね。3番目のは結局ちゃんと採用されていますが,面白いのは4番目‥‥,クリストファーさんによると,これはやがて「ゴンドール」に発展したのだそうですよ。(なんだ,私はてっきりモアイを想像しちゃいましたが(笑))その冒険談は,Trotterがいざなう予定だったそうな。当時彼は,ゴンドールとは何の関係も持ってなくて,単なる旅好きだっただけですが。

(7) そして,石の都,文明化された人達というメモの後に,(ついに!)簡単ですが結末が‥‥!

最後にビンゴは火の山の割れ目に着く。
彼は自分で指輪を捨てる事ができない? 彼は死人占い師が褒美をくれるという声を聞く。力を共有しよう,と。
その瞬間,ゴラムが,‥彼は改心して秘密の道を通りモルドールを案内してきたように見えたが,ここで裏切り,指輪を取り上げようとする。彼らは争い,ゴラムは指輪を取り,落ちていく‥‥。
山はガラガラ音を立てる。ビンゴ逃げる。
モルドールは雲のように消える。
石の都は灰に覆われる。
裂け谷への帰還の旅。
シャイアはどうなる? サックヴィル=バギンス?(友達を傷つける?)
ビンゴはエルフと塔を越えて西方へ去る日まで緑の山の小屋で平和に過ごす。
土地は耕されない方がよい。全てのホビットは剣を作るのに忙しい。

トールキンさんは1964年に説明したのだそうですが,ゴンドールのアイディアは,1939年の8月に「Stone-Men」から出てきたのだそうです。

馬の都より石の都の方が先にできたんですね。(笑)

それにしても,まだちゃんとした筋書きもまだできてないこの時代,ゴラムの役割→秘密の道,最後の裏切り,と,シャイアのその後→サックヴィル=バギンスがキーになっている事と,ビンゴ(フロド)が結局最後どうするのかが,既に示されていたというのが,驚きです。

ポタはいいなあ~

2005-08-25 23:58:09 | ハリポタ全般・J.K.Rowling
これは一体どのブログに載せようか迷いましたけど‥(笑)

まだ噂の段階なんですが,次のポタ映画以降は視聴制限を「R」にしちゃおうかという話が出ています。(ちょっと下のほうの水色の文字部)

ああそう!いいですね。作者存命な事といい,ホントーにポタは恵まれています。それで子供だましでない原作に忠実な映画ができるのなら,どんどんやって下さい!

いや何が言いたいかって,あれほど思い入れをしたのに,悲しきかな既に早くも記憶が薄れつつある,某超大作の映画の事なんですよ。(だからどのブログに載せるか迷ったんですよ(笑)) 何故もう記憶が薄れてしまったかって,その原因の1つが,実はホント,今だから言える話なんですが,私は密かにアレは真面目に原作に忠実にやりたいんだったら,絶対「PG13」じゃあ足りない,って思ってたんですよ。ことに第三部はね。それが「子供に見せられない」って理由で,原作の重要なシーンをちゃんと表現しないんだもの。子供なんて,数年経てばすぐに視聴制限なんかクリアするでしょー! その映画はこの先何十年も残るのよー!

あーあ,ポタはいいですねー。だから,膨張対策某超大作なんかに負けない,いい映画を頑張って作って下さいよ!


Run!Run!Run!