ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

The Song of a Dark Angel (1)

2015-09-15 22:58:33 | Athelstan・Doherty
The Song of a Dark Angel (Hugh Corbett Mysteries 08)
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今回コーベットは,従者ラナルフを伴い,イングランド西部の海岸沿いのハンスタントンにやってきました。もう1人の従者マルトートも別行動でやってきます。3人がわざわざロンドンを離れて一緒に行動するという事は,何かややこしい事件に巻き込まれそうですね。

被害者はサレー伯ド・ウォレン卿の第1秘書ラビニアス・モンクの召使い,サーディック・リックスピットルと,地元のパン屋の若女将。サレー伯ド・ウォレン卿という人はエドワード1世の大将であり,4巻Angel of Deathから登場しているのですが,ラビニアス・モンクはどうも初出のようです。被害者のサーディック・リックスピットルはラナルフの知り合いでもあるようです。そして,コーベットは「黒い脂ぎった髪」で残酷なモンクをほとんど生理的に嫌っているようです。

一行はとりあえずハンスタントンでの宿となるモートレイク屋敷へ。そこでは元コーベットの同僚のようですが,これも初出となる,サイモン・ガーニーとアリス・ガーニーの夫妻がホストとして出迎えます。

ガーニー夫妻とモンクは、何か秘密を隠している模様。。
また,今回コーベット一行を派遣した王様も,コーベットに話していない秘密があるようです。。

The Song of a Dark Angel (prolog)

2015-09-02 11:16:41 | Athelstan・Doherty
TOEICの勉強ばかりしていてもOne is not amuzed.(笑)なので、久しぶりにコーベットシリーズを読む事にしました。

The Song of a Dark Angel (Hugh Corbett Mysteries 08)
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こちらはドハティさん1994年の作品です。1990年代というと最近のような気がしてしまいますが、もう21年も前の事なのですね(笑)

今日はプロローグを読みましたが、いつものドハティ小説のプロローグとは違い、わずか1ページと数行、とても短いプロローグです。舞台は1302年の11月、Hanstantonというイングランド西部の海岸沿い。ここで、"Dark Angel"とは、この地方で冬に吹く冷たい北風の事であると説明されています。

するといきなり事件。表紙絵がそのまま事件の様子を表しております。裏表紙によれば、コーベットと2人の従者、ラナルフとマルトートが、おそらく事件解決のためにこちらにやってくるという事です。

The House of Crows:1

2014-10-20 22:43:33 | Athelstan・Doherty
The House of Crows (Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
Paul Doherty
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プロローグは、アセルスタンの檀家の1人パイクが、後にワット・タイラーの乱を起こすリーダー達と会っているシーンからスタート。時は1380年の春という事で、反乱まであと1年ちょっとしかないんですね。

そして、場面は変わり‥
ある騎士が仲間を殺されてとても焦っています。

1章は、スミスフィールドで死刑執行のお当番(そういうのってお当番制だったのか?!)のクランストン。ついつい、死刑執行人、死刑囚まで巻き込んで、コントをやってます。(苦笑)ようやくお役目終了して帰ろうとしていると、そこへ、「検察官様ですか?」と声をかける騎士の姿。聞けばジョン・オブ・ゴーントの護衛隊長だと言います。何と、摂政様がクランストンの自宅に来ているとの事。さて、現王の叔父であり、先王エドワード3世の1番ハンサムな息子は、一体どんな用件でやってきたのでしょうか?


Assassin In the Greenwood:感想

2014-10-20 22:22:07 | Athelstan・Doherty
The Assassin in the GreenwoodThe Assassin in the Greenwood
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今回のコーベットは、ロビン・フット伝説に則ったものでした~。
ノッティンガム地方に現れたロビン・フットと思われるならず者が、何故か次々人々を襲う、ならず者だけどそんなに悪い奴じゃなかったはずのロビン・フットは現在50歳を過ぎているはずですが、彼に、一体何があったのでしょうか?

一方、コーベットが放ったスパイの1人がフランス王フィリップ4世の暗号を入手。謎を解けばナイトになれるかもしれないチャンスに、ラナルフは、大いに張り切ります。そして、リドルマスターのラフィアと、その妹アミシアに出会います。

さ~て、ロビン・フットと、フィリップ4世の暗号の謎は解けるのでしょうか?

今回もまたダークな(笑)コーベットでございました。
本が厚くなってから、実在の人物をモチーフにしたお話が続いていましたが、今回は伝説の人物ロビン・フットです。いろいろと知っている名前が出てきて、わくわくしました。
また、ますます冴えわたるフィリップ4世の妄想も素敵です。コーベットのライバルのスパイ、ドゥ・クラオンよりよっぽど面白い(笑)

次の巻でまた誰と出会うのか、また、ラナルフの恋がどうなるか?楽しみです。(薄い本の時代、ラナルフは結婚して子供がいたはずですけどね。(笑))

Assassin In the Greenwood:Prolog

2014-02-15 14:31:30 | Athelstan・Doherty
The Assassin in the GreenwoodThe Assassin in the Greenwood
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ウースター郊外の修道院で,年代記記者,おそらく現代で言う所の新聞記者,フローレンスは,果たして自分が聞いた恐ろしい話を記載して良いものか,考えていた。この時代は殺戮の時代で,英国はスコットランドで戦い,フランスはフランダース王国に迫っていた。

stallions with fiery eyes and fetid breath
軍馬って息臭いのか(笑)

舞台変わってパリ。
英国の諜報部員,サー・ヒュー・コーベットの部下達は,グランポンやサン・ドニで,スパイ活動展開中。既に数人の部下のスパイが消されていた。

そんな折り,ラナルフはフラ・ダリという居酒屋で,バルドルフ・ラッシュゲートという,童顔の留学生を装うスパイと一緒。その酒場では,今まさに高級娼婦のクロティルデが、フランス王室の暗号専門書記官アンリ・ドゥ・サビニュイから秘密の書類をゲットしようとしていた。機を見てラナルフがその書類を頂きに行くと,記念品売りの男が突然襲い掛かる。娼婦が裏切ったと察したラナルフ,バルドルフを連れて慌てて逃げる。クロティルデとサビニュイは,あえなくノガレの部下に殺される。
川を渡り,もう少しで安全圏という所で,ノガレの部下に襲われ,バルドルフは瀕死の重傷。これ以上逃げられないと悟り,ラナルフに介添(彼らは宗教の理由で自害できないからね)を頼む。

森はいつもひっそりと殺人を目撃してきた。最初は決して名前が語られる事のない大地の女神に捧げる生贄の儀式を,次はトール(Thor)とウドゥン(Woden)に生贄を捧げるより好戦的な人々の儀式を。そして白いキリストを崇める人達が彼らに取って代わり,彼らの大将を祀る寺院を建立した。森は危険な所であり,シャーウッドから北のバーンズリー谷か南のニューアークからロンドンへ抜けるのは,愚か者だけだった。

ある夏の日,そのような所を,納税主査マシュー・ウィロウビーとそのアシスタント,ジョン・スペンサーは,頑丈に守られた現金を輸送していた。

収税官ウィロウビーと補佐官スペンサーと共にシャーウッドの森で秘密裏に現金輸送中。この現金は1週間以内にウェストミンスターに届けなくてはならない。しかし通れる道は制限されており,地区代官のベッチー卿も彼らの動向は掴んでいた。

突然,一行は弓矢の攻撃を受ける。ウィロウビーが気付いた時には,相棒は撃たれ,家来も何人かやられている。
やがて,リーダーらしき声が,攻撃を止めるよう命じる。
彼らの静かで素早い動きにより,ウィロウビーは思わず鹿の角を持った伝説の幽鬼狩人ハーンが出てきたのでhないかと思った。
#そういう伝承があったんだ(^^;)

既にウィロウビーの部隊は半分近くが彼らに殺されている。勇敢に抵抗しようとした兵士も次々と殺される。これ以上犠牲を出したくないウィロウビーは仕方なく無法者に捕らわれ森へ付いて行く決断をする。その間も少しでも抵抗するものは殺される…

やがて開けた場所へ出る。
無法者のリーダーが,一緒に鹿肉のご馳走を食べるよう強要する。彼はロビン・フッド,緑の森のロビン,狼の主,射手のマスターと名乗る。しかしウィロウビーは,人殺し,嘘つき,吊されるぞと詰る。するとロビンは,部下にウィロウビーの手を木に押しつけさせると,指先をきれいに切ってしまう。さらにその手を黒いタールに突っ込まされる。あまりの痛みに気を失うウィロウビー,気が付くと,彼の部下は武器を取り上げられ,怯えて並んでいた。

するとまたロビンがやってきて,今度は謝る。すまなかった,ああしないと,奴らが君達を全員殺してしまう。金も彼らの物だ。

#ロビン・フッドって悪い奴だったのか

ウィロウビーはしばらく彼らの祝宴に付き合う。彼と主に話をしたのは,リトル・ジョンという大男だ。彼の隣には女性もいた。しかしウィロウビーはやがて睡魔に襲われる。

翌朝,アウトロー達は姿を消し,消えかけたたき火が残されていた。ウィロウビーは木の上に何か「色」を感じ,誰かがいるのかと思ったが,手の痛みによる涙でよく見えない。食べ物を少し拾ってもう1度良く見る。すると…




Murder Wears a Cowl:13と感想

2014-02-09 10:52:48 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
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発売日:1993-04-01

コーベットは自宅に戻る。Morgan卿の到着は国のゴタゴタで少し遅れている。マルトートは命には別状ないようだ。しかし,目の症状についてトマス神父は教えてくれない。
そんな折り,ミーヴはコーベットを台所に誘い,一緒に料理。ミーヴは料理の名人で,コーベットもとても好きだ。

すると,コーベットは突然,ひらめいてしまう。


(事件解決のくだりは伏せておきます。)


殺人者を捕まえた後,ラナルフは教えてもらった居酒屋,狼小屋(こえー名前,そんな所客が来るのか?(笑))に1人で向かう。コーベットは、ラナルフが騎士になりたいのなら、相当の責任を自分で負えば良いとこの件には手を出さず。

…そしてラナルフは,殺し屋のボス,ニガヨモギに会う。そして彼の仲間の一味は皆石灰の袋とその汚れが指についているのを確認。
He knew how professional assasins had their hallmark.
ある者は首を絞める道具,またある者はクロスボー。…必殺仕事人(笑)

ラナルフは,自分とコーベットとマルトートを襲った犯人を見つけ,お前を雇いたいともちかけ,ゲームを挑む。実は一騎打ちをもちかけたのだ。気付いたニガヨモギがすぐに応戦するが,仲間達は反応が遅く,ラナルフは敵討ちに成功。

そしてトマス神父に会って,マルトートがどうにか回復しそうだという事を確認。その後…

獄中のパドリコットに面会。
ラナルフは,かねてから,何故パドリコットがイギリスに戻らず,ドゥ・クラオンの一味と行ったり来たりしているのか気になっている。

するとパドリコットは,執行日の扱いを良くする事と引き替えに,これを話す。

十字軍遠征したテンプル騎士団が,キリストの経帷子を手に入れたと聞いた,フランス王フィリップは,お金儲けのために是非見つけたがっている。今回の彼のミッションは,英国王室の地下室の財宝と,イギリスでのテンプル騎士団の行方を追う事だった。

そして,パドリコットはラナルフにある事を耳打ち。それはラナルフを驚愕させる。この秘密は,フランス王,ノガレ,ドゥ・クラオンそして自分しか知らないと。しかし自分はもう死ぬので,ちっとも守ってくれなかったドゥ・クラオンへの復讐のために,明かしたのだと言う。

ラナルフは,看守に,執行日にはパドリコットを懇ろに扱うよう頼んで十分なお金を渡し,さらに当日確認に来るつもりだ。そして,この秘密を主人コーベットにいつ打ち明けるか,画策を始める


…ニューゲート監獄で処刑寸前だった不良少年ラナルフ。しかし王室の書記官(当時w)コーベットに助けられ、今まで完全に服従してきました。しかし、ここでついに、一人前の男として立ち上がる意思を持ちましたね。この後どうなるのでしょう? 楽しみというより心配ですので、続いて次の本を読もうと思います。

ところで、私の読み間違いでなければ、彼は既に結婚して子供がいたのではなかったっけ? (^^;) あるいは何かその結婚が反故になるような事態が起きていたのを読み落としたのかもしれませんが。まあいっか。


Murder Wears a Cowl:12

2014-02-09 10:26:42 | Athelstan・Doherty
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ここから読書スピードを上げる為,簡単に行きます

コーベットは,テムズ川に停泊していたフランス船グレース・アデューが,ドゥ・クラオンとネバーズを乗せて出港しようとしていたのを無理矢理止め,英国王家の財宝を捜索,しかし,なかなか見つからない。
しかしここでラナルフが一計。彼はかつて港を遊び場としていた経験から知ってた。隠し場所は,…碇だ!

そしてコーベットはネバーズを捕獲。実は彼が大泥棒パドリコットだった。コーベットは、ドゥ・クラオンの宿泊所で彼と会った時、身分の高い人物にしては手に豆があった事からいろいろ類推した結果、正体を見破ったのだ。兵士達が,碇から盗んだ硬貨を回収すると,グレース・アデューはドゥ・クラオンを乗せて,急いでロンドンを出港。

コーベットは,ドゥ・クラオンに見捨てられ置き去りにされたパドリコットを連れて居酒屋へ。上等な料理とワインを振る舞う。君の罪は反逆罪だ。最近の新しい法律を知ってるよね,と,例の,罪人を生殺しのまま恐ろしい事をするあの刑の事を口にする。すると落ち着いて食事とワインをたしなみながら,パドリコットは,聖アンソニー病院にいる生まれつき精神薄弱の弟を一生面倒診てもらえるよう取りはからう事,すぐに死ねる刑を選んでもらう事を条件に,自白を開始。

パドリコットは,フランスで窃盗で捕まり,死刑になる所だったが,エドワード王の経費でフランスを豊かにしてやる,と,言うと,執行前日にドゥ・クラオンがやってきて,彼を釈放する代わり,それを実行するよう強要。
彼は,英国に入ると早速変装。ウォーフィールド,センチェと知り合い,彼らが堕落した僧と知ると,早速作戦開始。娼婦を集めてドンチャン騒ぎをする傍ら,墓場の裏にペンペン草を生やして穴を掘り,王家の財宝を盗み出す。

では殺人は?と迫るコーベットに,パドリコットはニューゲイト監獄の良い部屋を要求。コーベット,これが最後と要求を飲む。パドリコットは,ベネディクト神父が殺された日,背の高い人物が神父の家の鍵穴を細工して窓から火を投げ込んだのを目撃したと語る。ただし,それ以上の事はわからない。

王家の現金が戻った事について,王はとりあえず満足。コーベットの申し出により,ケイドやジュディスも報償を与えられる事となり,ウォーフィールドは処刑される事になる。パドリコットは、コーベットのたっての願いにより,四裂きでなく通常の処刑にする事もしぶしぶ同意。

コーベットはまだ解決されていない殺人事件の解決へ向かう。

しかしコーベットが立ち去った後,王はウォリンに密かに命じる。ケイドには皆の前で,王からの特別なお世辞を言う事,及び,パドリコットの刑の執行は普通で良いが,その後皮を剥いで聖堂のドアに釣り下げ,王の財宝を狙えばどうなるか,見せしめとせよ!と。


Murder Wears a Cowl:11

2014-01-26 13:19:31 | Athelstan・Doherty
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ウェストミンスターでの仕事は一段落。マルトートを国王への連絡係として送り出した後,酒場でラナルフと2人,コーベットは,パドリコットが犯人と確信はあるものの,パドリコットが一体どこにいるのか全くわからないので,落ち着かない。

ラナルフ,いつもは殆ど酒類を飲まない主人がワインをがぶがぶ飲んでいるのに気づく。やはりプレッシャーは大きいんだ,と,心配。

#女をめぐってあわや決闘,になりそうになった2人だけど…(^^;)

コーベットは,ロンドン塔で3人の様子を見る。
しかしそこで行われている事を目の当たりにしたコーベットは,あまりのむごさに,一旦止めるよう命じ,記録者から話を聞く。

記録者によれば,ブラザー・リチャードは単に飲み過ぎただけで,他に罪は犯してないとの事。

執事のセンチェは,パドリコットを知っていた。実はセンチェの弟はニューゲイト監獄の見張りで,パドリコットに目を付けられ,飲み会の計画に荷担する事になったらしい。しかしある日,プレートのついた石が運び込まれるのを見て,これを盗む事を計画。
「誰も気づかなかったのか?」とコーベット。
記録者「いつもの事ですよ。病気の修道士,院長ではない…」と弱々しく笑う。ウォーフィールドの告白によれば,町の金物屋に聞けば,彼らがお金の鋳造のために持ち出したプレートはすぐわかる,また,パドリコットは16ヶ月前から,墓地から寺院の地下室へのトンネルを掘っていたらしい。彼らは成長の早いペンペン草?(^^;)を植えて外から見えにくくして,パドリコットは時々昼間も作業していたとの事。それを聞いて,コーベット,あれ?最初に墓地で見た年老いた庭師はひょっとして…と思う。

しかし,3人の僧は,まだいずれも殺人については強く否定しているらしい。ただし,記録者は,長年この職に従事した勘から,ウォーフィールドは殺し屋と思われると供述。

コーベットはその後の仕事をリマーに指示すると,一旦自宅に帰って休憩。しかしいろいろな悪夢に悩まされる。拷問を受ける人々,歩き回る死んだ娼婦達,寝室のタペストリは何故かサロメがヘロデの前で踊っている,ハウィサの殺された日付は,何故かいつものパターンと違う…等々

その後しばらくコーベットは自宅で過ごす。その間,ラナルフはすっかりおしゃれになる。ミーヴはそれを楽しんでいる様子。

しかしそんなくつろぎも,マルトートが帰ってくると一変。王は彼からニュースを聞くなりいきなり短剣を抜き,ウォリン卿が止めなければ自分が刺される所でしたと報告。さらに王は部屋中を破壊,寺院の僧侶はみな縛り首だ!(首をちょんぎってしまえ!ではないんだな(笑))と騒いでいるとの事。(^^;) そしてコーベットに関しては,全ての職を解き,ランディ島へ追放…,さらに,王は急いで支度してウィンチェスターを後にし,至急コーベットに会いたいとの事。

コーベットは,すぐに3人で飲みに行って,明日死んでも良いように飲み明かそう!と無理矢理ラナルフとマルトートを連れ出す。実は2人は,レディ・メアリーを訪問する予定だったが,コーベットのあまりの剣幕(笑)に,仕方なくついていく。

彼らはコーンヒルの3つの薔薇という居酒屋に落ち着く。コーベットは,飲めば飲むほど落ち込む。裏が取れたのはようやく2つ。僧侶達が誓約を破った事と,王家の宝物がこの国1番の大泥棒に盗まれた事のみ。
ラナルフとマルトートは,すっかりふさぎこんだコーベットを抱えて家路へ。しかしラナルフはコーベットはそれほど酔っぱらってないと確信。何故なら,最後の1時間はお説教タイム(笑)で,身分違いの恋はうまくいかないと諭されたから。

マルトートが先頭を歩き,ウォールブルックからセントスティーブンス教会に差し掛かったその時,突然4人の刺客が彼らを襲う。刺客はコーベットとラナルフが2人で歩いて来ると思って石灰を投げつけたが,それはマルトートにストライク,コーベットとラナルフは難を逃れた。しかし,お互いに剣を抜く乱闘となる。ようやく敵が逃げると,マルトートの目が大ピンチ。

一旦ウォールブルックの一般家庭で目を洗う。マルトートは痛みで叫びまくり。彼らは聖バーソロミュー病院まで彼を連れて行く。トマス神父が薬草で治療に当たった。コーベットは仮眠を取った後,修道士にブレッド通りの自宅への伝言を頼んで,治療が終わるのを待った。

しかし,トマス神父曰く,マルトートが視力を回復するかどうかはわからない,片目または両目の視力を失うかもしれない。。(取り乱すラナルフ)マルトートはしばらく病院で休む事になった。

修道士から,ミーヴ夫人が心配しているので帰るようにとの伝言を受け取り,ニューゲイトに差し掛かると,さらにその修道士が,クラオンを見張っていた小僧から,彼が宿舎をでようとしていると伝言があったと伝えられた事を告げる。

一体どういう事かと苛立ちを隠せないラナルフに,コーベットは,刺客はずっと自分達をつけていたはず,レディ・メアリーに会いに行けばそこで待ち伏せしているだろうし,家に戻れば家を襲われる,我々を襲ったのはクラオンの手の者だろう,と,言う。

コーベットは,まだマルトートが心配でならないラナルフを引っ張って,早朝営業の酒場でパイと薄めたビールを頂く。ようやくラナルフは落ち着きを取り戻す。

2人は,クラオンの宿舎を訪ねた時,通りにはゴミが溢れていた(昔の欧州では朝お○るの中身を道路に投げ捨てていたんですよね(^^;)→それが傘やハイヒールの発明に繋がったとか(^o^;))が,肥桶は空っぽだった事を思い出す。

コーベットはラナルフに急ぎの用事を2つ言いつける。
まず馬を手に入れ,あたかもマルトートが一緒にいるかのようにギルドホールに行って,ケイドに言ってテムズ川の港湾事務所にすべての出荷作業を止めてもらう。
そして1時間以内に全ての兵をテムズ通りの角に集める。

マルトートを襲った犯人を捕まえるためだ。

残ったコーベットは己の愚かさを呪う。パドリコットに王家の硬貨を持って行かれた。

しかし,もしその硬貨を使ったら,わかるのでは?どこで使えば誰も気づかないか? コーベット,ある事に気づく。急いで酒場を出る


Murder Wears a Cowl:10

2013-10-19 07:33:55 | Athelstan・Doherty
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何か一件落着のように見えますけど,実は起承転結の転が,まだ終わってないのですよ。どんでん返しがあるのでしょうか?

…と、思いきや、リチャード・パドリコットは実在の大泥棒で、今回は大変有名な事件を扱っていたのでした。その事件については、後にドハティさん自身がレポートしております。

リマーを大将とする水軍は,ウェストミンスター寺院まで船を進めると,そこで上陸。コーベットは,リマーに,講堂にベンチと椅子を並べてもらい,さらに教会管理係アダム・ウォーフィールド,執事ウィリアム・センチェ,修道士リチャードを逮捕して連れてこさせる。

ウォーフィールドはかなり激しく抵抗。しかし,ブラザー・リチャードが,本当の事を話すと言い出す。修道士の誓いも問題だけだと思ってるな,と,コーベット,しかしもっといろいろな話があるぞ,と,言うと,リチャード,ウォーフィールドに詰め寄り「一体何があるのですか?!」

コーベット,ウォーフィールドに「この活動を組織していたセニョールとは何者だ? 名は何という?」ウォーフィールド「知らん」するとセンチェ「リチャードと言ってたぞ」ウォーフィールド「黙れ!」「いや,黙らないぞ」

コーベット「彼は髭を生やしていたか?」センチェ「はい,髪は黒だったと思います。」

するとコーベットは,ブラザーアダム・ウォーフィールド,君は正体を知っていたかもしれないが,彼の名は,リチャード・パドリコットという。有名な犯罪者だ。君たちは,何故完全な部外者が,どんちゃん騒ぎを起こす事に熱心だったか聞いた事はないか?」

ブラザー・リチャード「我々は退屈だと言ったんです。そしたら,何か面白い事をやろうと…,という事で,…我々は誰も傷付ける事はなかったんですよ!」
「誰かが,パーティは終わりだ,娼婦達の口封じをしようと言い出すまではな」
「まさか,我々が彼女達を殺したと?!」
「それだけじゃない。目撃したベネディクト神父と,何か証拠を握っていたサマービル夫人もな。」

アダム・ウォーフィールド,かんかんになる。「絶対にそんな事はしてなーい!!」
「しかし,目撃者がいるのだ。下手人はベネディクト派の僧服,今,君達が着ているようなのをな,着ていたと。」
「証明できるものか」
「今はな,しかし,すぐにだ。」
「いやいや,できるものか」

コーベット,そこでラナルフとマルトートを呼ぶ。
「いや,証明してみせるぞ」
コーベットは,皆を率いて南の翼廊から出て,大きなドアの前に立つ。皆の抵抗を無視して,封印を剥がす。ラナルフ,「何するんですか!鍵ないじゃありませんか!」コーベット,ああそうだったと(今頃)気づく。リマーに命じようとするがちょっと引き気味(笑)
「王の名に於いて命じる,このドアのちょうつがいをはずせ!」
の一声で慌てて部下を呼ぶリマー。さらに1番長いはしごも調達。

で,何でドアを開けるかと思いきや,出た! LOTRで超お馴染み(笑),battering ramすなわち,大槌…しかし,何を大槌にしてると思いきや,実はベンチ。(へぇ,そんな用途に使えるんだねぇ)

さて,ドアが開くと,コーベットは3人の僧に見張りを付けてその場に残し,ず~っと後ずさりしていた(笑)ケイドを呼びつけ,中へ侵入。壊された階段の代わりにはしごで降りると,金銀のプレートの入った箱の山。「しかしこれを売るのは難しい。こんなものを売るのはアホだ。。。」しばらく行くと,金銀のコイン入りの袋を発見。「ははあ,盗人の目的はこの袋だったか。」袋は既にほとんど持ち去られている。

コーベットは,盗人は上から来たのではなく,横から穴を掘ってきたと推測する。すると,ラナルフが,ついに壁に出入口を発見。古い墓地につながっているらしい。

そして彼らは,墓地に使い込まれた道具と共に,地下室につながると思われる穴を発見。これで問題はあと2つ。コーベットはこの泥棒はパドリコットの仕業と確信しているものの,奴はどこにいるのか,盗んだものはどこにあるのか。そして,犯行の証明。今の所,乞食と娼婦の証言及び,老夫人の書いたものしかない。すなわち,確固たる証拠がないのだ。

とりあえず,Cotbettは3人をロンドン塔に送って,「話を聞く」(拷問だな,きっと)兵達は,少なくても2人は聖職者だと言ってためらうが,「王の財産を盗んだ反逆者だ」

とりあえず,一段落。するとレディ・メアリーがやってきた。コーベット早速彼女の手にキス。ちょっと羨むラナルフ,ところが,メアリー ネビルはラナルフを呼び止め,手にキスを許し,そればかりか,Amor vincit omnia - Love conquers all(愛は全てを克服する)と,イミシンなお守りを頂いてしまった♪


Murder Wears a Cowl:9

2013-10-19 07:31:00 | Athelstan・Doherty
Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)Murder Wears a Cowl (A Medieval Mystery Featuring Hugh Corbett)
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発売日:1993-04-01

Corbett was breaking his fast in the buttery ...

辞書に載ってませんが,朝食をとっていたという意味かな。またbutteryは辞書を引くと食料貯蔵室とあるけれど,今風の言い方をすれば,

コーベットはキッチンで朝食をとっていた

という事ですね。

さて,早朝コーベットがキッチンで朝食をとっていると,ドアをバンバン叩く音。開けるとケイド。「また殺しか?」「ヘイ親分,ハウィサという娼婦が自室で殺されました」という感じで…

ケイドは朝飯を分けてもらい,ガツガツ食う。が何か狼狽した様子。「知り合いか?」ケイドは食べ物口一杯にして「はい,でも個人的な事です」

そこへのそのそやってきたラナルフを,コーベットは思いっきり絞め上げる。「お前が外をうろつくと全て私の責任になるのだ! 敵は多いんだぞ! またレディ・メアリーか?! 彼女は身分の高い未亡人だぞ!」しかしラナルフは逆ギレ。「私が何だと言うのですか?! それともあなかが彼女をお好きなのですか?!」思わず短剣に手が伸びる両者。ラナルフ「今まであなたに仕えてきました。父は誰か知りませんが母は農民の娘でした。母は野望を持っていましたが才能はありませんでした。私は両方あります。いつか王の基にひざまづきます! 騎士にしてもらいます。」コーベット,手を元に戻し,「好きにするがよい。しかし今は別の仕事がある。」

コーベットは,ラナルフ,マルトート,ケイドと共に,以前アグネスの遺体を検分した教会へ。そこで偶然口にした連続殺人の犠牲者の人数が,ケイドのリストと合ってない事に気づいたコーベット,ケイドのリストと,教会の埋葬者リストを付け合わせる。そして(ケイドをナイフで脅して)ケイドのリストに載っているジュディス(ケイドのお気に入り)という女性が,犯人の攻撃から生き残り,ケイドの「妹」として修道院に匿われているという事を知る。

修道院では一行を暖かく迎えた。特に男性の客は好きだそう? ジュディスはケイドの妹として匿われているのだが,修道女達は何とはなしに,彼女が本当はどんな女性かわかっている様子。ジュディスはケイドを見ると両頬にキスをして挨拶を交わしたが,目の回りのくまが痛々しい。

その日ジュディスは自室に帰ると,戸棚で何か物音がした。飼っていた猫が入ってしまったのかと思って,開けると,突然襲われたそうだ。彼女の肩から肩にかけて,大きな傷跡が残っている。
彼女が見た犯人はフードを被り,焦げ茶の僧服に白い房。これはベネディクト修道僧が着るものだ。すなわち,ウェストミンスターでケイドが黙っていたのは,そこにいた僧達がそのような装いだったから,だったのだ。

ケイドは壁を叩き,ジュディスを見て,すまない,娼婦の言う事など誰も信じてくれない,と言う。コーベット,ジュディスの前にひざまずき,本当の事を言えば,犯人を捕まえ,君を故郷に帰してあげようと約束する。

1年位前,ジュディスや他の女の子達はウェストミンスターに召還され,どんちゃん騒ぎのパーティに参加した。相手の男性はマスクをしていたが,何人かは修道士に違いないと思った。このようなパーティの主催者は,背の高い筋肉質の男で,いつもセニョールと呼ばれていた。

何故修道士とわかったの?とのコーベットに質問に,ジュディス,にっこりして,道に立っていれば,いろいろな殿方の事はたくさん存じております。トンスラがあるのは修道士だけですもの(^o^)

しかし,何故誰も訴えなかったの?というケイドにジュディス,あなたはいい人だわ,でも頭良くないわね,結構なお金や食べ物もらって,誰が訴えるっていうの? それに,さっきあなたが言ったように,娼婦の言う事なんか誰も信じないのよ。

では,おそらく女の子達を殺したのは修道士であろう。そのようなランチキ騒ぎをした事を隠したかったのか。修道士なら誰も疑わない,家の近くまで入れる,サマービル夫人を殺したのも修道士なのか,確かに乞食のRagwrtの証言,犯人は重いサンダル履き,とも合致する。ベネディクト神父も,それを知ったから殺されたのか。

しかし,ちょっとひっかかる所があると思うコーベット。
セニョールは,センチェでもウォーフィールドでもないだろう。パドリコットなのだろうか? しかし何故有名な詐欺師であるパドリコットが,修道士を使ってドンチャン騒ぎを起こす必要があるのだろうか?

コーベット,ある事を思いつく。
突然,ケイド,ラナルフ,マルトートを従えて,黄金のトルコという居酒屋へ。コーベットは,ケイドには食事を許さず,代わりに王の印を渡して,(ロンドン)塔の隊長に,至急3隻の軍艦に王家の射手を乗せ待機させるよう命じる。

ラナルフとマルトートには,酒場で食事を許す。

自身は個室にこもり,ケイドの調書をチェック。パドリコットは元々はケンブリッジに通った秀才だったが,そのまま書記になるエリートコースを歩まず,商人になって,海外で取引をするようになる。ところが,ベルギーに滞在中,イングランドが当地の商人からの借金を踏み倒す事件が置き,彼自身は全く関係なかったがイングランド人への仕返しのために,フランダースの刑務所に入れられる。そこを脱獄して以降,パドリコットは悪の道まっしぐら。今やどんな人物でも騙す,超一流の詐欺師に成長した。

そして,準備完了。ケイドが帰ってきた。軍船はウール埠頭に停泊中。ピーター・リマーという隊長が出迎える。船には弓矢等で武装した兵が待機。そして彼らは,ウェストミンスター寺院へ向かう。



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