ふむ道,小道,数多く

趣味いろいろ。2014/9に別ブログを合体したので、渾然一体となってしまいました(笑)

One Flew over the Cuckoo's Nest (82-87)

2006-01-30 23:49:25 | BookClub
その夜,チーフは久しぶりに「夜の薬(強力な睡眠薬)」を飲まなかった。彼は,薬を飲まずに,夜な夜な黒人達が周りの患者に犯している「ありとあらゆる恐ろしい罪」を観察するのが好きだった。

その夜,黒人達はビールを楽しんだ後,仲間と思われる人物?と一緒に,病室に忍び込んできた。彼らは何か火炉のような物を持って部屋を歩き回る。そしてBlasticというVegetableを掴んでフックに片足をかけ逆さに吊るす。(お~,これとまさにおんなじ風景を,ハリポタ5巻で見ましたね(汗)→まさか,これをもじった?) Blasticの顔に恐怖が。そして彼を袋に押し込むんで捻る。そして火炉が口を開ける‥!

チーフはMcMurphyやHardingを起こしたい衝動に駆られたが,そんな事をしたら,自分も彼らに逆さ吊りにされて,「インディアンの体の中身を見てやろうか」と言われるに違いない。チーフは,例のパンパンに膨れたPublic Relation(あ~,ファッジ氏を思い出すと思った人ですね。。)を思い出す。(チーフにはその悪戯をしているのは,そのPublic Relationだと思ってます,ホントにそのPublic Relationがやっているのかどうか,定かではありませんが‥‥)

チーフが気が付くと,Turkleさんが「悪い夢は終わりだ」と言って,起こしてくれた。彼はたまにこっそりチーフを拘束している紐を緩めてくれる。でも,彼がやったとバレないようにしている。彼は他の職員と違い親切だが,クビにならないよう,自分の保身を図っている。今回は紐を緩めなかったが,その代わり,見た事のない医師が,かわいそうなBlasterを,今までの誰よりも丁寧に,ストレッチャーに乗せていた。


One Flew over the Cuckoo's Nest (73-81)

2006-01-30 08:01:51 | BookClub
クリスマスにサンタクロースと思われる男がやってきた。
チーフ曰く,Miss Ratchedは時計の進み具合を自由に変更できるように見える。誰かが訪問する時などは時計のスピードを上げるが,普段は死ぬほど遅くしている。

そんなある日,酋長は体が思うように動かずトイレに行くのが間に合わず,黒人達のお世話になってしまう。その日,ある事が起きる。Miss Ratchedが1日の仕事を終え「お休みなさい」の音楽がガンガン鳴る中,Acute達はカードに興じ,テレビが映る場所を探していた。

新入りのMcMurphyは壁から流れる音楽が非常に気になる。一方Harding等古株は全然気にしてないようだ。滝の音は聞き慣れれば気にならないだろうと言うHardingの言葉に故郷の?滝を思い出す酋長。しかしMcMurphyは「あの音が滝と同じだって?」彼は怒って「あの狸め!」止めに行こうと立ち上がるが,Hardingが「ゲームの賭はどうするんだ」と、止める。McMurphyの声はだんだん大きくなっていった。

McMurphyはこんな事を言う。「最高のペテン師ってのは,いかに相手が何をしたいかを見抜き,いかに彼にそれができていると見せかけるか,なんだ。」
The secret of being a top-notch con man is being able to know what the mark wants, and how to make him think he's getting it.


夜の薬の時間になる。看護婦はMcMurphyにドギマギして手元も怪しい。彼女はきっとMiss Ratchedはに注意されているのだろう。「あの赤毛の男は性的異常者よ。」McMurphyは彼女にニコニコ。慌てて彼女は水差しを落とす。「手を貸しましょうか。」と言うMcMurphyに「患者さんはここに入ってはいけません! 下がりなさい! 私はカソリックよ!」と叫ぶ。しかし彼は「いや、俺はただ。。。」彼女は叫び声を上げる。「。。。落とした水差しを拾おうとしただけだよ。」

このどさくさでチーフは薬を取り損なった。McMurphyはベッドに戻り「薬いるか」チーフは首を振る。すると彼はあたかも害虫のごとく薬を振り払う。

彼のパンツは黒地に赤い目をした白い鯨がプリントされていた。(まじかい!) チーフが見ているのに気付くと,彼はニッコリ。彼は日焼けしていて両肩に悪魔とトランプの入れ墨が入っている。消灯後しばらくしてMcMurphyは突然笑い出す。チーフに「お前,あの狸が来たって聞いて飛び上がったよな。誰かがお前の事、耳が聞こえないって言ったと思ったんだけどな。」

実は映画を鑑賞しました。感想はこちらです。McMurphyとチーフが何故親友になったのか,原作ではここで語られているんですね。彼はチーフが本当は耳が聞こえると気が付くのは結構早い段階でなのですが,映画とはちょっとタイミングが違いますね。


カッコーの巣の上で

2006-01-29 14:11:05 | 映画
まだ1/4しか読んでないのですが,別ブログで原作読書感想アップ中の本の映画をDVDで鑑賞しました。

この映画は,1975年のアカデミー賞で9部門ノミネートされ,5部門を獲得したそうです。ROTK等は11部門獲得しましたが,この映画はその半分の5部門と言っても,作品賞,監督賞,主演男優賞,主演女優賞,脚本賞,‥と,重要な賞ばかり取っています。実質的には,本当に素晴らしい映画という事なのでしょう。

これは余談ですが,この映画は,音楽も素晴らしいのに,何故作曲賞を取れなかったんだろうと思ったら,それを受賞したのは「ジョーズ」でした。そりゃしょーがないわ!(笑)

それにしても,優れた原作の映画化,という点に於いては,LOTRと共通ですね。また,それ以前はそれほど有名でなく,この映画で知名度がぐんと上がったというキャストがいるという点も共通ではないかと思います。

30年も前の有名な映画ですので,今更言ってもしょうがないのですが,ネタバレ注意,でございます。(笑)

主なキャラクタを演じた俳優さんからチェックしてみると,‥

McMurphyを演じたジャック・ニコルソン。もちろん今や押しも押されぬ大御所ですが,ハンサムというイメージではなかった? 私は映画を観るまで顔すら忘れてましたが(汗),でもこの映画のMcMurphyは原作通りの「いい男」でした。ハンサムというイメージがなくても,一流の俳優は見栄えを合わせてくるもんだなあと思いました。(笑)

仮病で入院してきた彼は,他の患者がもう既に疑問を持たないような,いろいろな「変な習慣」に,普通に疑問を持つのですが,その表情がカッコいいです。ある時は正攻法で,またある時は奇想天外な方法で,いろいろ改革を試みるのですが,ついに病院を見捨てて逃亡を図ろうとします。一緒に行こう,と,声を掛けるのですが,これに応えたのは,小説の語り手であるChiefと,McMurphyの連れの女性に一目惚れした吃音障害を持つ若い患者Billy Bibbitだけ。

今まさに出て行こうとする時,残していく患者を見ている表情がまた感慨深いものでした。でも,彼は結局,Billy Bibbitに時間を与えた為に逃げ損なってしまいます。そして,彼が,Billyにかけた気遣いを,完全無視したRatched看護婦に,溜まりに溜まった怒りをぶつけてしまいます。

問題のRatched看護婦を演じたのは,ルイーズ・フレッチャーという,現在も現役で活躍する女優さんです。原作では50才前後だけどグラマーで「well-preserved」(笑)な美人看護婦というキャラクタでした。さすがに当時50才ではなかったようですが(笑)年の割りに若く見えるきれいな女優さんです。また,看護婦のキャップが似合う方で,その後も看護婦さんを演じた事があったようですね。映画で驚いたのは,McMurphyに首を絞められた後,首に包帯を巻いてすぐに業務に復帰していた事です。

IMDBでキャストをチェックしたら,ぶったまげました。Billy Bibbitを演じたのは,ななんと当時新人のブラッド・ドゥーリフでした! 名前から「Hobbit」を連想してしまいます(笑)が,この病院でも皆から可愛がられる存在なんですね。McMurphyが逃亡を図った日に,彼が連れてきた女性に恋をした事をためらいがちに告白し,彼の許可をもらって彼女と一夜を共にして,一瞬まともさを取り戻すのですが,それは病院内の事。当然,Ratched看護婦に叱られ,お母さんに言いつけるという言葉に逆上,ひどく狼狽し,悲惨な末路を辿ってしまいます。この一連の「McMurphyの禍」(←LOTR風(笑))となる行為の演技が,本当に素晴らしく,完全に場をかっさらってしまいます。

もしアカデミー賞に「新人賞」があれば,きっと取れたでしょうにと思ったら,この演技で,ゴールデン・グローブ賞の新人賞を取っていました。でも,元々舞台俳優だった彼は,その光栄にも,もちろんその後LOTR等での高い評価にも溺れる事無く,地道に活動していますね。

指輪キャストが出ていると知り,急に力が入って参りました。(笑) 

‥McMurphyを待っていたのは「ロボトミー」でした。しかし,McMurphyの行動に勇気付けられ,喋る能力を取り戻した語り手のChiefは,McMurphyに「君をこんな姿のままで置いていけない,一緒に連れていくよ。」と言って,彼を「連れて」病院を脱走して行きます。窓を割って走り去るChiefの後姿を,声にならない「ブラボー!」で見送っていたのは‥‥誰?! Harding? (すみません,キャストとキャラクタの顔が一致してない。。)

ところで,Chiefは小説上では混血ですが,演じた俳優さんはWill Sampsonという,クリーク族というネイティブの一員で,実際身長も原作のChiefのように2mあったそうです。どこかで見た顔だなあと思っていたら,この映画以降に,いろいろな所で「チーフ」を演じていたようです。ただ,残念な事に,1987年に53才の若さで亡くなったそうです。

‥で,まだ原作の方は1/4しか読んでいないのですが,この話にはいろいろな「テーマ」がありそうです。本の方はまた楽しみに読んでいくとします。

それにしても,いかに優れた映画と言っても,やっぱり原作には到底かなわないというのは,既にこの時点でわかります。映画では語られていなかった伏線もあるし,個々の患者についての説明もいろいろあるし,そうそう,原作では重要な役割を果たしているHardingが,映画ではあまり目立っていませんでしたね。また,Ratched看護婦のどこに問題があるのか,もっときちんと説明されています。(映画だけを見ると,単なる嫌なオバサン程度に見られてしまいそうなんですけどね)

One Flew over the Cuckoo's Nest (64-72)

2006-01-28 10:15:53 | BookClub
人を支配する為に,まず,人を落ち込ませるというテクニックを使うヤツがいるんですよね。そーか,それは「テクニック」だったんですね。そういうヤツって,世の中によくいますよね。解決策があったら,あやかりたいもんです。さて,そんな「ヤツ」をどうやってやっつけるか。McMurphyとHardingの議論は続きます。。。。

HardingはMcMurphyは健康なウサギだと言う。しかしHardingや他の患者達は,男らしさもない本当に弱い生き物なのだ,と。ここで,Billy Bibbitが「彼女が何をできるか昼のミーティングで見ただろう。」

しかし,McMurphyは「見たのは,彼女が幾つかのナイスで簡単な質問をする事だ。質問は杖や石ではない。」Billyの傍に爆弾マニアScanlonがやってきて,「やるべき事は,全てぶっ飛ばす,だ。」(汗;) 

その後,さらに皆は,病院にテレビもない事,あまり汚い言葉遣いをしていると,電気ショック室送りになる事を話す。Hardingは,Shock Shop,すなわち,電気ショックの犠牲になった人々,Ellis,Ruckly,そして(Bromdenさん改め)チーフについて話す。(Hardingによるとチーフは電気ショックのせいでいつも箒を持つようになったとか。。)

McMurphyは,今まで誰も笑わないのを不思議に思っていたと話す。

その時,Hardingが,どうやってこの『女家長制度』の病院で勝てるのかと訊く。彼はガラス部屋を手で示す。そこには(Big Nurse改め)Miss Ratchedが立っていた。あたかもテープレコーダをどこかに隠し,既にどうするかを計画しているようだった。(こわ~!)

皆は次にMcMurphyが何を言うかと注目。しかしさすがのMcMurphyも,ここでちょっと考える。

Hardingは「彼女はブスではないし『well preserved』だ。(お~っと,この言葉はビルボ・バギンスの為だけに使われるのではなかったのですね!(笑))彼女は若い時はきれいだったろうな。彼女が若くてトロイのヘレンのように美しかったら,どうだい?」McMurphyは「ヘレンは誰だか知らんが,俺はあのおばさんがマリリン・モンローでも嫌だよ。」「ほらみろ,彼女の勝ちだ。」

するとMcMurphy「俺には関係ない。3000ボルトは御免だ。」

しかし彼女は手ごわい。
I don't want to be jumping outa the fryin' pan into the fire.
(おおっと,ここでまたホビットボキャブラリが→6章でしたね(笑))McMurphyは,電気椅子で処刑されずに勝てる見込みはあるのかと考える。(ギャンブラー!)

McMurphyは、この戦いを、賭と見る事にする。そして彼は、1週間で彼女を困らせて見せると請け負う。


FOTR CD : 1-5 A Conspiracy Unmasked

2006-01-28 02:51:49 | Tolkien・LOTR
まず章の始めに,ブランディバックの歴史が簡単に語られます。ここはもちろんメリーの実家でもありますが,ホビットの冒険ではトゥック家について語られた部分があったので,ちょうど均衡を取っているのでしょうかね。それと,フロドのお母さんはブランディバック家出身で,彼自身も両親の死後はずっとそこで育ってきたのですよね。

バック郷の人達は沢地の人達(マゴットさんのような)と仲良しと聞こえてきました。特筆すべきは,古森のある方向には,しっかりとした生垣を作っていて,夜は家に鍵をかけるという辺りでしょうか。で,トゥック家のホビットと同様,ホビットにしては行動的で,ブリーの章でも,たまにバック郷のホビット達がやってくるとありましたね。

サムだけはボートは初めてというような表現があります。日本人にはホント想像もつかないのですが,水と縁のない人達っているんですね。

ところで,この章からブリーまでは,全く映画に出てこなかった所です。実は映画でメリーがカッコよくキメている"Twenty miles north to Brandywine Bridge.は,原作では,「(黒の)馬は,(追ってくるとしたら)20マイル北のブランディワイン橋を回ってくる事になるかな。」というような事を言っているセリフの一部でした。映画だけ見てると,はあ?20マイル漕ぐの?って取ってしまいますよね。(笑) また,覚えている方はいらっしゃるでしょうか? HoMEで,ちょっと前でブランディワイン橋から垣出まで20マイルと言っているのに,バックル村の渡しからブランディワイン橋までまた20マイルと言っていて,ミステリーと騒がれたそうですが,実はトールキンさんの単なるチョンボで,10マイルの間違いでした。

そして,一行は堀窪に到着。お風呂を,「年の順か,早い順だな。」とピピンにイジワルしている(笑)フロドですが,お風呂を3つ用意しているメリーがスゴイ。(笑)で,ここでピピンが歌う,メロディー付き,お風呂の歌,を聞いてまたびっくりです。FOTRの各CDの最後に出てくる曲と同じなんですね。ほぉー,では,FOTRのテーマ曲はお風呂の歌だったんですか。ところで,HoMEでのお風呂の歌は,こんな楽しいのではなく,この後の話のあらすじのような歌詞で,ピピンに歌わせるにはシリアス過ぎでした。
で,HoMEには「もう正式版と殆ど同じだから」と出てこなかった,「陰謀の暴露」シーンです。何から話そうかドギマギしているフロドに,突然メリーが,自分が話そうかと畳掛け,フロドは口パクパク。(笑) この辺りのメリーは,さすが,HoMEの最初から(名前は‥)登場していたキャラクタだけあって,賢いですね。ビルボにしろ,フロドにしろ,注意深いように見えてそうでもなかったって,しっかり見ているサム,メリー,ピピンです。メリーは,ビルボがお誕生日パーティ以前に,サックヴィル=バギンスから逃れる為に指輪を使ったのを目撃。そして自分はバギンス家以外で唯一,ビルボの本を読んだとか。(へぇ~,これって,彼が後に"Herblore of the Shire"(ホビット庄本草考)を著す事になる伏線なんでしょうかね?)

しかし,1番の陰謀家は実はサムでした! メリーとピピンに情報を与えていたのは彼だし。もちろん,彼はフロド旦那の為ならドラゴンの口の中にだって飛び込みます? 皆に押し切られ,1人で行くのを諦めたフロド。最後は,ビルボが冒険旅行をした時と同じ歌,同じメロディで締めくくり。(う~ん,確かに,ホビットの冒険の時と同じメロディかも♪)

その夜フロドは何か変な夢を見ました。これもHoMEを読むまで,夢の内容まで気にしてなかったのですけどね。(汗) 最初は,どこか高い位置の窓から,森の中のような所で,(複数の)何かがくんくんしながら上がって来る所(これってロスロリアンでしょうか?)そして,海の音,潮の香りのする荒地。海の傍の塔。そして稲妻。。。う~む,不思議な夢です。

HoME7 XXII : Treebeard (4)

2006-01-28 00:33:50 | Tolkien・HoME
この前の,トム・ボンバディルに関する記述は,その後全て削除されてしまいました。(汗) その後の下書きは正式版に近づいたのですが,木の鬚はこんな事を。。。

<本文>
何か大きな影が北の方にあるのは間違いない。そして悪い記憶は後世に伝えられる。その森は古いからな,と言っても私的には古いとは言えないのだが。しかしその森の中のどこか今まで闇がなかった所に幾つかの空洞の谷間がある‥‥
</本文>

木の鬚は,メリーとピピンを運んだ『家』までの距離を,正式版では言ってないそうですが,下書きの中では「12リーグの3倍」,また後で7倍,と修正されているそうです。その場所(正式版:水湧き出ずる広間)の名前は,最初,Fonthill(泉の丘)だったそうです。最初は,彼は(現在より体が柔らかかった?)「かがんで2つの器をテーブルに持ち上げた」りもしたそうです。(→削除(笑))

<本文>
メリーとピピンの話の中で,木の鬚が興味を示したのは一部でした。彼はとりわけサルマンに興味を示しますが,メリーとピピンは,ガンダルフが彼について何て言っていたか,あまり思い出せなくて,申し訳なく思いました。

木の鬚は,サルマンにはいろいろ話をしたけれど,彼は結局,自分には何も報いず,何も語らず,まるでシャッターを下ろした窓の様な顔になったそうです。しかし,彼がパワーを持とうとしていると知り,ようやく納得。木の鬚は,エルフや人間の戦争には興味がないが,魔法使いには興味がありました。彼らは未来を気にする! 自分は未来を気にするのは嫌いだ,そして,サルマンが,木を切り,機械や火を導入する事に,嫌悪を示します。もしRohirothやOndorが,冥王に征服されたら,自分は行き場所がない,エルフは自分を船には乗せてくれないだろう,と嘆きます。

そして,これからアイゼンガルドに一緒に行くか,と,2人を誘います。
</本文>

正式版がどうだったか記憶にないのですが(汗)

その後の話の原案が,ほとんど消えかかった鉛筆メモで残っていました。

<メモ>
エント達は興奮,「アイゼンガルドへ!」
ホビット達は後ろの木を見る「森は動くの?」
オークがエントの森に来る。恐ろしい事に,木は生きている。彼らを滅ぼす。
</メモ>

エントとエント女の歌の初期のアイディアが書いてありました,
1番(エント)と3番(エント)の節は同じだそうですが,それ以外の概略は,以下のような感じになります。

2番(エント女):春,草が芽生え,花が咲き,地上は暖かく潤いがある時,私はここに留まろう。何故ならここは美しいから。
4番(エント女);夏,果物が熟れ,作物が実り,ハチミツやりんごが溢れる時,私はここに留まろう。何故ならここは最高だから。
5番(エント?):冬,枝から葉が落ち,草は灰色,星のない夜,嵐が吹き荒れ,冷たい雨の時,私はあなたを捜そう,あなたを呼ぼう,あなたの所へ行こう。


そして,最後の部分が,

戻ってきてあなたを捜そう。あなたを慰めよう,そして雨の中であなたを見つけよう。一緒に歩き,種を集め,それを植え,一緒に暮らせる島を捜そう。

いや~ん,何か,すごく優しい詩ですね~。今まで,あまり真面目に読んだ事なかったのですが。正式版は,最後は「2人で一緒に」なのですが,これはエントの方かな?

HoME7 XXII : Treebeard (3)

2006-01-26 00:08:17 | Tolkien・HoME
木の鬚関連はちょっと難しくてなかなか進まないですねぇ~。(汗)

木の鬚の身長は,10フィート→12フィート→14フィートと変化したのだそうです。
以下は,木の鬚の,ロスロリアンとファンゴルンに関する,「暗い」話の下書きです。

<本文>
黄金の森の外はどこもケレボルンが若かった時とは変わってしまった。Tauretavareatumbalemorna Tumbaletaurea landatavare これはかつての名前だ。我々はたくさんの物を変えた。(彼は古森等にあるような心根の腐った木を排除したと言っている)
</本文>

しかしこれはすぐに以下のように変更されました。

<本文>
木の鬚「‥物事は変わってきた。しかし真実のある場所もある」
「どういう意味?何か真実なの?」とピピン。
「よくわからんし,説明もできない。しかし,ここには邪悪な木はないという事だ。(彼らにとって邪悪な物はないという事)‥」
</本文>

ピピンの「(邪悪というのは)古森(の柳じじい)みたいな?」という質問に対しては,

<本文>
ああ,そのような物だが,そんなに悪い物ではない。そこ(古森)は太古の昔からよくない方角だった。しかし何かおかしな事が起きている。最初の森はロスロリアンに近かった。ただ,より深く,強く,若いというだけだった。1日中歩いて,歌って,自分の声以外は何も聞こえなかった。そして,匂い。何週間も(何ヶ月も)ただ息をしているだけの事もあった。

「何かよくない事が起き,人間の中にも闇に捕まった者がいるそうだ。噂だが。彼らの中には"treeherd"がいないからな。エントがバランドゥインを歩いていた時から長い時が経ってしまった。」
するとピピンが「トム・ボンバディルは? 彼は木の事を理解しているようだけど。」
木の鬚「Tombombadil? 長い名前だ。(笑) 彼は木を理解しているが,エントではない。彼は何も悪い事はしない。しかし彼は何も癒さない。何故なら,野原を歩く事と庭を手入れする事とは違うからだ。エントと木の関係は,羊と羊飼いの関係より近い。馬と人間の間より近い。エルフ達は木と話し始めたが,闇がせまり,海の向こうへ行ってしまった。」
</本文>

FOTR CD : 1-4 A Short Cut To Mushrooms

2006-01-25 00:41:06 | Tolkien・LOTR
エルフが去り,目覚めたホビット達。結局黒の乗り手の正体を聞けなかった事をピピンはとても残念がります。フロドは,彼らが語らない理由を,何か納得しているようですが。しかし私はピピンに共感を感じてしまいます。(笑)こういう所が,私がピピン好きな理由かな。

フロドは,サムに本当についてくるのか,と確認を。この時点で,彼はサムを危険な旅に連れて行く気はありません。思えば,原作では,フロドは最初から一貫してこの姿勢なのですね。しかしもちろんサムはどこへでもお供する気満々です。(笑) サムのセリフで印象深い物の1つ,
"Don't you leave him! They said to me. Leave him! I said. I never mean to. I am going to with him!"
は,ギルドール達との会話から来た言葉だったのですか。映画ではガンダルフが言ったかのようにされていたので,すっかりその気になってました。(汗)

東四が一の庄が近づくにつれ,ピピンは切株村の金のとまり木館のビールが気になります(笑)が,隠密に行動する為に,譲らざるを得ません。

途中でDISC3が終わりDISC4へ。
今更気付いたのですが,DISC毎に入っている最後の短い音楽,FOTR,TTT,ROTKでそれぞれ違うのでしょうか? FOTRは明るい雰囲気なのですが,ROTKはちょっと悲しげな旋律でした。

「回り道」に入ると,彼らは遠くに黒の乗り手の姿?を見ます。やっぱり回り道でよかったのかな・・

彼らの歩く道の描写が続きます。丘を回って草原に出て‥‥,これを聴いていて,NZ生まれのPJが,NZって中つ国じゃないかと思ったという理由がわかりました。この辺りの描写は,確かに,NZの風景を思い浮かべるとピッタリ来ます。それにしても,秋の風景が美しいですねぇ。。

途中,彼らは,黒の乗り手と思われる,お互いを呼び合う恐ろしい声を聴きます。

やがて,彼らはマゴットさんの農場に近づきます。この辺りから,マゴットさんの農場にかけての話は,初期の下書きから登場するのに,思いっきり変遷を重ねてきた所ですね。大人気ない2階問答,ビール横取り事件,逃げる帽子事件‥‥,下書きの方が全然面白かったんですけどねぇ。‥残念!(笑)(その辺のエピソードを見たい方はこちらからどうぞ(笑))

マゴットさんちのビールはもちろん,絶品です。ピピンは金のとまり木館に行けなかった事はこれで打ち消しになったと思います。

フロドは,昔,若気の至りで悪行の限りを尽くした?マゴットさんの家に近づくのはどうも好かないようです。サムも,主人に害を及ぼす可能性のある人はニガテです。が,マゴットさんと親交のあるピピンは平気で入って行きます。意外な事に,マゴットさんは,やっぱりアレは若気の至りでしょうと,フロドを優しく迎えますが,HoMEを読んだ今となると,どうも,フロドに対するこの優しさは「今はもうブランディバックの『その他大勢』のホビットではなく,バギンス家の旦那だからなんじゃないか?」とか,変な勘繰りを入れてしまいます。(笑)

マゴットさんは,黒の乗り手達が自分の家にやってきた恐怖を語ります。正式版のその話を聴いていると,HoMEにあった,マゴットさんと,ビルボ,フロドとのビミョーな関係は全然削除されてしまっているんですね。マゴットさんは単にシャイアの端に住む,普通の臆病なホビットと何ら変わりなくなってしまったかなあ。。(汗)

マゴットさん,結局,「大きな人達とは関わらないように。」と,あまり意味のない(汗)アドバイスをします。そして彼はちょっと送ってくれる事に。馬が近づいて来るので,皆一瞬焦ります,が,
the voice was the voice of Merry Brandybuck.
という文章が何か可笑しい。どうしても言葉遊びをしたくなっちゃうトールキンさん,ですかね。(笑)

マゴット夫人特製のきのこ,おいしそうですねぇ。

HoME7 XXII : Treebeard (2)

2006-01-25 00:25:04 | Tolkien・HoME
最初の草稿は,鉛筆で書かれた物で,"much interest but with various puzzling features" なのだそうです。何が描いてあるのか楽しみですね。さっそく読んでみましょう。

最初のエルフの長達は,木を理解する為,もしくは理解しながら,Tree-folkを創作したのか?
ギムリとレゴラスは,トロッター,ボロミアと一緒に行くので,ガンダルフを見つけるのはメリーとピピンでなくてはならない。

木の鬚について:
ある意味,かなりstupid(いろいろ意味がありますが‥間抜け?、能なし?,鈍いやつ?、うすのろ?)だ。(汗;) Tree-folk(Lone-Walkers)は,木のようになってしまったhnauか,それとも木がhnauになったものか?

hnauとは何とC.S.ルイスの造語で,"Out of the Silent Planet"という本の中で,地球にはhnauは人間1種類だけ,しかし,Malacandraという星には,3種類のhnauがいるとか。。こんな話から,トールキンとC.S.ルイスとの「深い仲」が伺えますね~。(笑)

木の鬚は「動かない」かもしれない。
現存するものは非常に少ない。十分なスペースがない。それは,日がな一日歩いて歌って,山々から聞こえる彼自身の声以外何も聞こえなかった時代の事。
トロルとの違いは,‥彼らは石でできていて,ゴブリンの心を持っている。彼らは石の巨人,だが,tree-folk。(インクでエントと加筆)
木の鬚はニュースを聞いて心配する。彼はそんなにたくさんは聞いてない。But he smells in the air. (ええ,ガラドリエルが映画の冒頭で読むこのセリフ,これは実は元々彼のセリフなんですが,この早い時期に既にあったんですね。)この頃東の風が強い。機械に犯されたサルマンは嫌い。ガンダルフは唯一木を理解してくれるので好き。彼の消失に心を痛める。

馬の主達が何故国を空にしたか話す。
現在,3人しか残ってない,自分自身と,SkinbarkとLeaflock。(ここは正式版もそんな感じで。。) サルマンはSkinbarkを捕まえている。Leaflockは「tree-ish」になってしまった。彼は夏の間深い草の中で半分眠っている。冬になるとちょっと起きる。
木の鬚は彼らをローハンかミナス・ティリスに連れて行こうと言う。彼は戦争の臭いを察知している。彼らはWolfriders(狼乗り→サルマン)とHorsemaster(馬の達人)の戦いを見る。

どうやってガンダルフに会うか? それはサムかフロドの,ガラドリエルの鏡に現れる。
ガンダルフの復活は,ボロボロの帽子を被った乞食がミナス・ティリスの門前に現れるのがよいだろう。彼はそこに入れてもらい,包囲された外側の壁が崩れた時,彼は立ち上がってマントを取る―白! 彼は突撃隊をリード,‥それとも,飛蔭に乗り,ローハンの騎士達を連れてくるという事にするか。。

他に考えられるのは,フロドとサムの救出の道を切り開く事。サムを道に迷わせてガンダルフに会わせるか。そして一緒にミナス・ティリスを冒険するか。(でもガンダルフを見たのはフロドだ。サムは彼が暗い崖の下に横たわっているのを見る。そしてくねくね階段)
くねくね階段は,石でできていて,ゴルゴロスから見張りの塔へ,ミナス・モルグルはカット。

‥ガンダルフの大活躍は,最初から予定されていたものなんですね。実は指輪物語のヒーローはガンダルフだった?!
あれれれれ~?という展開もありますが基本的に,ここに描かれた事は,形を変えてもほとんど最終版に反映されてますね。(笑) 「ミナス・モルグルはカット」って,TTTに入る直前に語られた,フロドとサムの冒険談の事かな。

ところで,もう少し鉛筆の下書きがあります。

トロッターはギムリとレゴラスとBoroimirをミナス・ティリスに行かせる。彼はホビット達を捜して彷徨う。ガンダルフと会う。彼は誘惑はされるが,野望は棄てる。
木の鬚とエント達はサルマンをどうするか? Rohirothの助けを呼ぶか?

クリストファーさんは,この鉛筆書きの下書きに出てくる「サムかフロドの,ガラドリエルの鏡に現れる」は,元々,トールキンさんは,サムがガンダルフに会うべきだったと考えていたという事ではないかと推測しております。

エントについては,以下の1954年11月27日の手紙に,

私はかねてから,アングロ=サクソン語で,巨人またはずっと昔の強い人,を意味する,奇妙な"ent"という言葉を,誰か古めかしい人物にあてはめようと思っていたんだ。(これ,正確に日本語にするのは難しいので,かなり意訳)

と書いてあるそうです。

彼らはやがて林間の空き地に来ます。両側には2本の木が門柱のように立っていました。エントが近づくと,木は枝を持ち上げ,葉っぱ達がガサガサと囁きました。その向こうは広い平地で,丘の傍に作られたホールのようでした。後ろの壁からは,エント川から出てきた流れが銀の雫のカーテンのように水を流しています。この流れは緑の盆地に集まり,また流れ出て,エント川に合流します。


One Flew over the Cuckoo's Nest (53-63)

2006-01-25 00:12:17 | BookClub
今日は,印象に残るセリフがたくさん出てきましたので,途中に織り交ぜようと思います。

Hardingを激しく非難する?ミーティングは2時まで続いた。彼らはまた友達の1人を罪人扱いするよう操縦されたのだ。彼らはHardingを避ける。

McMurphyは何も言わず,Hardingの傍に座って煙草を吸う。「いつもこうなのか?」とMcMurphyが尋ねる。「いつも鶏の血を見て羽と肉と骨になるまでつつき合うのか?」彼は,は「あの看護婦が最初につついているんだぜ。」とHardingに畳み掛ける。

Hardingは「今日の事は私の為に皆がした事だ,わからないのか」さらに「Miss Ratched(=Big Nurse)は,この道20年のベテランなんだよ。それともお前が皆を治せるって言うのかい?」

McMurphyはこれについては議論せず「この方法で治ると思っているのか?」Harding「彼らも我々を治したいと思っているんだ。モンスターじゃない。彼女は目をつつくような化け物じゃない。」McMurphy「彼女は目はつつかないぜ」「じゃあどこだ?」「根性(balls(笑))だよ!!」

Hardingは笑おうとしたが,笑顔にならなかった。するとMcMurphy,
Seen'em all over the country and in the homes - people who try to make you weak so they can get you to toe the line, to follow their rules, to live like they want you to.

If you're up against a guy who wants to win by making you weaker instead of making himself stronger, then watch for his knee, he's gonna go for your vitals.

「あの女は化け物の鶏じゃあない。国中にも家にもいるが,他人の力を弱めて自分の思い通りにするタイプの女だ。俺はあばずれは沢山見てきたが,彼女が1番だぜ。」

それを聞いて,Hardingは,いかにMiss Ratched(Big Nurse)が徳の高い人かを力説する。
しかし,周囲の目に気付き,ついに「あんたが正しいよ。」と認める。

McMurphyは「あの嫌な医者はどうだ?」と聞く。するとHardingは「皆と同じさ。彼は力のない医者だよ。」Hardingは,ドクターは,麻薬中毒である事を,McMurphyに話す。しかも,Ratchedは,これを見て見ぬふりをしているという。
「どうしてその医者をクビにしないんだ?」と聞くMcMurphyに,「Hardingは,女院長はMiss Ratchedの言いなりだよ。」
We are the victums of matriarchy here.

Hardingは,さらに,
The rabbits accept their role in the ritual and recognize the wolf as the strong. In defense, the rabbit becomes sly and frightened and elusive and he digs holes and hides when the wolf is about.

そして自分達はうさぎだと言い出す。

McMurphyは,皆正気じゃないか,と,逆に驚く。


Run!Run!Run!