ビリーが寝ようとすると、隣の男が「お前がビリー・ピリグラムか?」と聞きます。ビリーは黙って寝ようとすると、男はいきなり「やっぱりお前か、ここから出ろ!」何が何だか?のビリー。周りから、「静かにしろ!」と言われると男は「静かにするさ、ピリグラムがここから出たらな!」
「どこで寝ればいいんですか?」と尋ねるビリー。「俺以外とな!」すると他の男が「そうだ、俺以外だ。このくそったれ。お前、怒鳴ったり蹴ったりするからな!」
「え、え、え~?私そんな事しましたか?」なビリー。ですが、今や車両中の兵という兵皆、ビリーの敵。
8日目、ビリーの側にいた40才のヒッピーぽい兵が、「悪くないぜ、俺はどこでも満足だ。」と言います。「そう?」とビリー。しかし翌日その兵は亡くなります。最期の言葉は「良くないと思うか? これは悪くないぜ。」その頃、ウェアリーの足の傷が悪化して彼も亡くなります。しかし彼の最期の言葉は「仇を取ってくれ」仇の名は、ビリー・ビリグリム。
10日目、収容所に到着。その収容所は元々ロシア軍捕虜撲滅の為に建てられた物だそうです。迎え出たドイツ人将校達は、初めてのアメリカ人捕虜を、好奇の目で眺めます。この辺、Vonneguutさんは、アメリカ人捕虜達は、闇夜の中、鳩か梟のようにクークー鳴くドイツ兵の中に流れ出す汁のようだと表現してます。またドイツ兵が持っていた、死んだ捕虜から奪ったコートが、干し草の束のように見えたとも。彼らはそのコートを着るよう勧めますが、実はそれらのコートは氷がべったり貼り付いていて、彼らは銃剣やアイスピックで剥がしていました。
ビリーが受け取ったコートは、凍っているうえに、やけに小さくて帽子のよう。べとべとの染みが付いているし、死んだ動物が張り付いていました。(それは首の毛皮)さらに、周りの兵がもらったコートには金ボタンや房が付いていて、軍人の物のようでしたが、ビリーのだけは何故か死んだ一般人の物でした。
ビリーは汚い服を着たロシア人を発見。丸い扁平な顔が
ラジウムダイアル(蛍光で闇夜に光る時計)のようにぼーっと薄暗く光ってます。(アジア系ロシア人かな?)
やがて彼らは白いタイルに刺すように明るい電気の部屋へ。ここはシラミ取りステーションなのですが、ビリーはTralfamadoreにいるみたい、と、思います。
ドイツ兵はビリーを検査しながら、一体どこからこんな弱っちいのが送られてきたの?(笑)と聞いてます。でもまあ、他のアメリカ兵の体も、今やビリーと似たりよったり。
もっとも良い体をしていたのは、インディアナポリスから来たエドガー・ダービーという高校教師でした。彼はウェアリーの死の床で頭を支えておりました。(^o^;) 彼は44才、息子は太平洋戦区で戦う海兵隊員です。彼はPolitical Wireを使って兵隊に入りました。教科は西洋諸国の現代の問題:Contemporary Problems in Western Civilization。(1945年辺りのその教科って一体どんな事勉強したんだろ?)またテニスチームのコーチです。
しかしVonnegutさんはここで、ダービーの息子は戦争で生き残るけど、ダービーは68日後のドレスデン爆撃の犠牲になる、と、読者にばらしちゃいます。(汗)
逆に、最も貧弱な体だったのはビリーではなくて(^^;)、ポール・ラザロというイリノイ出身の男。体が貧弱な上に歯が腐り、体中に染みだらけ。彼もまたウェアリーの車両にいて、仇に天誅を与える名誉を賜り、ビリー・ピリグリムとはどの裸の奴かと必死に捜していました。
アメリカ兵達は皆裸で、シャワーのコントロールも許されず、ただされるがままの状態でした。彼らの服はしっかり消毒されました。
ビリーは赤ちゃん時代に戻ります。
お母さんが彼をお風呂から出して、ちくちくタオル(^^;)に乗せてパウダーをはたき、お腹をさすってくれてます。
すると今度は中年のビリー。夏の盛りにゴルフ。パットを決めると…、
Tralfamaforeの円盤の中でした。今地球から300万マイルの所で、あと数時間で到着だそうです。それにしても、宇宙人がマイルを知っているのは不思議ね(笑) 一体どうやってそこに行くのかと尋ねるビリーに、Tralfamadore星人は、「それは他の地球人に説明させよう。地球人は説明好きだ。我々は全ての時をお前達がロッキー山脈を見るように見る事ができる。全ての時は全ての時だ。それは変わらない。警告や説明は役立たない。それは単純にそのものだ。瞬間を瞬間毎に取り出すのだ。お前は我々が全てだという事を理解するだろう。以前言ったように、琥珀の中の虫なのだ。」彼はさらに「もし私が地球人と過ごさなければ、『自由意志』とは何か、わからなかった。今までたくさんの星を訪ねてきたが、自由意志について語られているのは、地球だけだ。」
抄訳でございますが、なんかとても、意味深な言葉。。。