詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
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最新の詩   ミッドナイト・スペシャル

2019年10月03日 | 犯罪
北海道で素晴らしいのはその例え難い蒼色の空だ
まるでジョバンニが駆け抜けていった空のように
銀河や人工衛星で満ち溢れていた空

生き続けるという桎梏のため
ぼくらは無関心と非情さとで武装する
でも夜になると自分をとり戻す夢の旅路の途上
子供時代へと還る道を閉ざされてる訳でもないから

物心がついて以来いつも
ぼくは独り野山や雪道をさすらい歩く少年だった
雪山でも波打ち寄せる海辺でも
風の中で大声をだしながら

まるで絶滅しつつある世界に祈りを捧げるシャーマンのように
悪罵を投げつけられるばかりのテロリストのように
ただただ生きるためには何か目的が必要なだけ
 
空中にばら撒かれた謎の文字がそろそろ還ってくる頃
赤蜻蛉や羽虫の文字で一杯の夕空のテラを
流れてゆく一筋の雲 心地良さげに浮いている羽虫たち
死んだ命や死んでゆく命の入り混じる地球を

ぼくもジョバンニのように牛乳配達少年だった
まるで銀河鉄道のような鉄道が走る海沿いの町で
眠れず深夜耳を澄ますと懐かしい『ミッドナイト・スペシャル』が聞こえ
遠い汽笛がいつまでも湾岸のあちこちに響き渡る