詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

「狂い咲き、奥崎」 mackychan氏の書き込みより 

2008年11月11日 | Weblog
コメント感謝です。ちょっと、ここから長文になると思いますが、お許しくださいませ。『ゆきゆきて、神軍』制作の経緯について。

監督の原一男は、「アクション・ドキュメンタリー作家」を自称しています。確かにちょっと、ほかのドキュメンタリー作家とは毛色が違って。
脳性麻痺の人々と向き合った『さようならCP』、パートナーの自力出産を見つめる『極私的エロス』、そして作家・井上光晴の虚言癖を追いながら、結果として死の記録となってしまった『全身小説家』。
井上光晴は調布市に住んでいまして。原監督がカメラを携え、井上さんの癌摘出手術を取材していたころ、自分は同市に住んでいたんです。撮影が行われていたことなど、まったく知らずに。
映画は、公開初日に観にいきました。既に『ゆきゆきて』で原監督を神と崇めていましたから。スクリーンに映し出される、見覚えのある光景。えっ、自分の住む街じゃないかと。原さんがここで映画を撮っていたのかと。
自分が調布市に住んでいたのは日活の専門学校があったからであり、学校の近くの朝日新聞専売所で奨学生として働いてもいたんです。
映画が公開されて数週間が経ったころ―井上光晴夫人が、うちの新聞の購読者であることが判明して。自分の担当区域ではなかったのですが、その区域の担当者にお願いして、今月分の集金、自分に行かせてくれと。
とても穏やかな方なのですが、「映画、観ました。素晴らしかったです」と感想をいうと、苦笑し、「そうですか・・・ごめんね、あたし、大嫌いなの、あの映画」と。

すいません、前置きが長くて。
このエピソードほど、原一男の映画を端的に表現しているものはないな、と思いまして。
距離感が、ほかのドキュメンタリー作家と異なるようで。その肉迫するスタンスを、自ら「アクション」といっているのですね。ときに無神経なほどに「寄る」カメラを「不快」と捉えるひとも多く、淀川さんも酷評していました。

さて『ゆきゆきて、神軍』ですが。
そんな原監督でも、奥崎さんには手こずったようです。企画そのものは今村昌平で、今村さんから声をかけられたとき、奥崎さんは「自分主演の劇映画を創る」つもりだったというんです。とにかく格好よく撮ってくれと。つまり撮られることを強く意識して、かつての上官の家に「アポなし」で向かっていたと。ドキュメンタリーの対象者は、カメラを向けられている時点で「ある程度」は撮られていることを意識するものだと思いますが、それが「病的なほど」だったそうです。
こんな場面があります・・・
かつての戦争犯罪を正直に告白しない元上官に腹を立てた奥崎さんが、元上官を殴る蹴る、、、しかし元上官の家族によって羽交い絞めにされる・・・と、奥崎さん「(カメラを)止めろ!止めろって! 俺がやられてるじゃないかっ!」と。つまり、そういうことだったんです。
撮るものと撮られるものとのあいだに生じていた、乖離。なんなら俺が監督をやろうかと挑発する奥崎さんと、カメラだけは渡さないと意地になる原監督。元上官の息子を銃撃したことにより、唐突な幕切れが待っているこの映画は、そのエンディングも含めて予測不可能なことばかりが起き、「最後まで(奥崎さんを)好きになれなかった」と、原監督にいわしめた苦難の撮影だったそうです・・・って、やっと質問に対する答えを記せました笑

キャラクターとして突き抜けたところがある奥崎さんですから、誰が撮っても面白いものが出来上がるだろうというひとも居ます。でもそれは、絶対に違うと思うんです。ほとんどの監督は奥崎さんに敗北し、奥崎さん主導で撮っていく形となっていたでしょう。出来上がるのはもちろん、格好いい奥崎さんばかりが捉えられた、しかし退屈なプロモーション映画になっていたはず。原監督の闘争がなければ、肉迫するカメラがなければ、『ゆきゆきて』のような映画は生まれなかったと思います。

最後に、もしお時間があれば、こちらをどうぞ。もう完全に、狂い咲いてます。
http://jp.youtube.com/watch?v=t3EALg22uMY

映画って・・名もない森を抜けてゆくような快感がある

2008年11月10日 | 日記
掲示板に映画ファンや歴史好きなら見過ごせないmacychan氏の書き込みありです。http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/pikkipikki/bbs

原一男監督の「ゆきゆきて、神軍」は、僕の忘れられない映画ベスト1だ。この頃の僕はトヨタグループへと毎日片道二時間をかけて通勤しながら、脳梗塞・動脈瘤破裂手術で認知症や寝たきりになってしまった母を介護をしながら、「出向拒否はけしからん」とか、「早く会社を辞めろ」「絶対に首にしてやる」「辞めるまで仕事を一切与えない」と上司に恫喝される毎日だった。

そういう時は、一人ででも組合を作って会社と交渉というのがベストです!トヨタグループ等の大企業では組合が一番の出世コースでリストラの先頭に立ってるし、中小企業では組合自体がない所がほとんどなので。

macychan氏の書き込みで、この監督の他の作品には、脳性麻痺の人々と向き合った『さようならCP』や、パートナーの自力出産を見つめる『極私的エロス』や、作家・井上光晴の虚言癖を追いながら、結果として死の記録となってしまった『全身小説家』という映画があるのを初めて知った。

是非多くの人にこの映画や原監督の他の作品も見てもらいたいなと思う。興味がある人は是非この映像をご覧下さいーhttp://jp.youtube.com/watch?v=t3EALg22uMY
さらに反戦映画という観点からはーhttp://www1.bbiq.jp/oyako-de-manabu/eiga1.html


ショック!「ER緊急救命室」原作・製作総指揮のマイケル・クライトン死去

2008年11月09日 | 日記
「ER」は全巻ビデオを持っている。舞台になってる風の街シカゴが好きなせいもある。ルイ・アームストロング、アルトゥーロ・デ・コルドヴァやウディ・ハーマン楽団や若かりしビリー・ホリデイがメイド役で登場して歌う姿も声も良かったな(ビリー・ホリディの唯一の出演映画!)『ニューオリンズ』(1947)では後半の舞台がシカゴだった。
クライトンの死亡記事はーhttp://sankei.jp.msn.com/world/america/081106/amr0811060812014-n1.htm

クライトンはそのSF映画よりも、僕にとっては「ER」の原作・製作者としてや、「インナー・トラベルズ」(早川文庫)という自伝的作品で心に残ってる作家だ。なんとかこの自伝を映画化してもらいたかったなと思う。超能力体験やアジアでの欧米日人の犯罪的児童売春や人身売買の実態(売春ばかりではなく日本からの臓器移植用に殺害)など・・

それをさらに受け継いで、鋭く切り込んだのが、僕が現いまいちばん好きな作家、最もノーベル文学賞に相応しい作家と思うヤン・ソギルだ。(「夜を賭けて」「血と骨」「月はどっちに出ている」等映画化も多い作家)。上記の東南アジアの悲惨な子供たちの物語は「闇のなかの子供たち」。

怖い怖い歴史物語&ホラーは「H」。朴大統領暗殺犯の切ない物語は題名をちと忘却。


オバマ新大統領の先に待っている様々な「時限爆弾」

2008年11月07日 | 日記
世界情勢に関しては、最も信頼がおける田中宇さんのブログから一部をコピーしたい。詳しくはーhttp://tanakanews.com/

「オバマと今後の米国」
《  ー前略ー
オバマは11月4日の選挙でさわやかに快勝した。多くの米国民が、これでブッシュ政権による無茶苦茶から脱却し、新たな時代が来ると期待している。しかし私が見るところ、ブッシュ政権はすでに、金融財政・軍事・外交といった米国の覇権を支える何本もの大黒柱に「時限爆弾」的な破壊のシステムをセットし終わっている。これらの爆弾は、オバマ政権になってから爆発する。

9月のリーマンブラザーズの破綻など、すでに大黒柱の崩壊は始まっている。ブッシュ政権は残る2カ月の任期で、さらに不可逆的な自滅策を画策するかもしれない。たとえば現政権は、任期末が迫る中、環境保護や消費者保護の法律や規制をどんどん緩和している。規制緩和のやりすぎが経済崩壊につながるのは、昨年来の金融危機で経験したとおりだ。オバマが大統領に就任した後、経済・軍事・外交という各方面で、大黒柱の崩壊が加速し、米国の覇権崩壊が進み「黒人が大統領になったからダメなんだ」と、共和党系が強い米マスコミが声高に批判する展開になるのではないかと私は懸念している

米国の衰退は、軍産複合体の衰退である。今の日本は、米国内の一部の勢力だけに賭け、全体像が見えていない。日本は非常に危険な状態にある。国家や国民の姿勢としても、米国という強者(いじめっ子ジャイアン)の後ろについていけば安泰だという姿勢は不健全である。しかも、その強者が崩壊しかかっているのに気づかずゴマすりばかりやっているとなれば、なおさら不健全で格好悪い。悪い米国と戦うロシアや中国やイランや北朝鮮の方が、悪い米国に追従する日本より格好良いと、世界の多くの人々が思い始める事態が始まっている。最近の日本人の閉塞感の源泉は、戦後の対米従属方針の潜在的な破綻にあると私は見ている。》

ついでなので、《ブッシュ大統領は「自分と周りの政府責任者は戦争犯罪の責任に問われない」という法案を準備し、下院を通過させたが上院はまだである》という情報が面白かったジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏のブログもリンクをーhttp://benjaminfulford.typepad.com/benjaminfulford/


大好きな宮沢賢治の詩 〔サキノハカといふ黒い花といっしょに〕

2008年11月06日 | 日記
サキノハカといふ黒い花といっしょに
革命がやがてやってくる
ブルジョアジーでもプロレタリアートでも
おほよそ卑怯な下等なやつらは
みんなひとりで日向へ出た蕈のやうに
潰れて流れるその日が来る

やってしまへやってしまへ
酒を呑みたいために尤らしい波瀾を起すやつも
じぶんだけで面白いことをしつくして
人生が砂っ原だなんていふにせ教師も
いつでもきょろきょろひとと自分とくらべるやつら

そいつらみんなを
びしゃびしゃに叩きつけて
その中から卑怯な鬼どもを追ひ払へ
それらをみんな魚や豚につかせてしまえ

はがねを鍛へるやうに
新らしい時代は新らしい人間を鍛へる
紺いろした山地の稜をも砕け
銀河をつかって発電所もつくれ

注:改行は僕の責任です。
サキノハカは墓という字を分解したという説がある。晩年にはマルクスやレーニンを勉強していたり、「革命」という作品名が賢治の手帳に残されている。
その他に好きな詩は「生徒諸君に寄せる」。宇宙飛行士の毛利さんが好きで宇宙まで持っていったという詩集から朗読していた詩でーhttp://www.ihatov.cc/haru_3/383_d.htm
賢治には珍しい切実な恋愛の詩「ローマンス」もーhttp://www.ihatov.cc/haru_3/315_d.htm

戦場に生きる (トイレに起きたら過激な詩が・・)

2008年11月05日 | 日記
もうどのくらい長いこと
この日本という戦場で生きてきたんだろうか
気づいてみると
誰もが懸命に貧弱な武器を握りしめて
敗残兵よりも哀れな姿

米国からの要求にどれだけ早く従うかを競った
与党の「構造改革」という名の棄民政策のせいで
もう十年間もの間
ある者は
年間三万人以上という
自殺者の葬列へと叩き込まれ
ある者は
サービス残業や労災やリストラで傷つき
過労死や労災死や
絶望や貧困の中で息絶えていった

生き残った人々も
あるいは 路上生活へと転落し
あるいは 精神を病み
あるいは 犯罪へと走らざるを得なかった

小泉・竹中とその仲間たちの偽改革という
アメリカと官僚と大企業言いなり政治のために
せっせと税金をつぎ込んできた国民共有財産もまた
郵便局も高速道路も国立大学も
豊かな自然を支えてきた国有林も
そのほとんどが もはや
強奪され破壊されてしまった

地方も雇用も医療も介護も教育も年金制度も
日本の社会基盤のほとんどが
剥き出しの欲望のままやりたい放題の
アメリカや官僚や大企業へと差し出されてしまった

金融機関のゼロ金利やバブルの後始末で
不当に霧散した税金や金利だけでも
百兆円をくだらない
そのうえ さらに
我々の税金をアメリカに貢いだ結果の
外貨準備の紙くず化してゆくばかりのドルは
いまや千数百兆円にもなり
暴落を待つばかりの米国債は
700兆円にもなる
(中国はその機会を今や遅しと待ってる)

軍隊を持たないという憲法を持つ国の
世界第五位の軍隊の自衛隊でさえもが
総額で十兆円もの思いやり予算や侵略戦争貢献の結果
哀れなる米軍の傭兵と化してしまった

日本人は今や
戦場をよれよれと逃げ惑う敗残兵の群れ
選挙で小泉与党という売国奴どもを選んだツケは
ぼくらの良さのすべてを破壊してしまった

もはやぼくらには
少し前までのあの豊かな生活や
あの幸せな日々は
もう二度と戻ることはない
それでもぼくらは 
もうこれ以上
奴隷であることを拒否して
この戦場で戦いつづけねばならない

「溢れる映画偏愛、喰らえ!」さんをまねて僕の好きな映画監督をー

2008年11月04日 | 日記
「溢れる映画偏愛、喰らえ!」という映画のHPは驚くほど読み応えがある。詳しくはーhttp://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/mackychan/diary
彼の日記を参考に、僕の好きな映画監督をリストアップする事にー
[最近の監督①]キム・ギドク『受取人不明』『魚と寝る女』『春夏秋冬そして春』『うつせみ』・・映像がとても美しく過激
[最近の監督②]ヘルマー『ツバル』『ゲート・ツウ・ヘブン』・・独特の笑いがある
[最近の監督③]ケン・ローチ・・心が疲れてる時には観たくなる。どの作品も好きだ
[最近の監督④]マジッド・マジディ『運動靴と赤い金魚』『少女の髪どめ 』・・大好きなイラン映画の代表で。日常生活がとても微笑ましくて子供たちが生き生きしてる

古い監督はー
①アンジェイ・ワイダ『灰とダイヤモンド』(59)『地下水道』ー大好きな東欧・ロシア映画の代表として
②フランク・キャプラ『スミス都へ行く』(39)『ある夜の出来事』(34)ー最近ビデオで観て感動
②ロマン・ポランスキー『水の中のナイフ』『ローズマリーの赤ちゃん』(現代ホラーの出発点)『戦場のピアニスト』ーポーランド系ユダヤ人でゲットーから脱出後逃亡先を点々。俳優としての映画もスキャンダルも多い
②黒澤明『どん底』(57)『生きる』ー日本では一番好きな監督
③スティーブン・スピルバーグ『太陽の帝国』(87)ー原作者のJ・G・バラードは僕の大好きなSF作家なのでこの自伝は興味深々だった
③マーティン・スコセッシ『タクシードライバー』(76)ーホラーファンの僕としては・・
③ミロシュ・フォアマン『アマデウス』(84)『カッコーの巣の上で』(75)ーカッコーの・・をビデオで観て以来ずっとニコルソンの大ファン
④原一男『ゆきゆきて、神軍』(87)ーこれは新しい映画の形だと思った
⑤大島渚『愛のコリーダ』(76)『絞死刑』(68)ー他にも好きな映画があったけど思い出せないな
⑥スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』『博士の異常な愛情』(63)『シャイニング』(80)ーSFファンには欠かせない監督
⑦チャールズ・チャップリン『独裁者』(40)『モダン・タイムス』(36)ーこの世で初めて観た映画が『独裁者』だったので
⑧フェデリコ・フェリーニ『81/2』(63)『サチュリコン』ー学生時代一番好きだった監督
⑨ジョン・フォード『わが谷は緑なりき』(41)ーたまには泣ける映画もいい
⑩アルフレッド・ヒッチコック『サイコ』(60)ーヒッチコックには無駄がないと思う
⑪フランシス・フォード・コッポラ『地獄の黙示録』(79)『ゴッドファーザーPARTⅡ』(74)ー力作だと思う
⑫黒木和雄『祭りの準備』ー三回観たのにいずれも途中で寝てしまった。中島丈博の脚本が素晴らしい青春映画
⑫市川崑『おとうと』(60)ー原作もしみじみして良かった。原作者幸田文(幸田露伴の娘)の「北愁」という小説もいい

破廉恥罪で警察に逮捕されてオーウェルの「1984」を連想

2008年11月01日 | 日記
風邪でごろ寝してたら
破廉恥罪で
警察に逮捕される夢をみた

コスモスがさわさわ揺れる
しなびた駅のプラットホームで
ぼんやり立ってると
ホームの端から
改札を通らずに出てゆくきみの後ろ姿が見えた

きみが通って行ったらしい
細い路地へと足を踏み入れた途端
真っ赤に紅葉した落ち葉が
はらりはらはら

門からその樹を覗いてると
とっても大きな白い花が
庭中を埋めつくして咲いていたので
通りすがりの老爺に
「あの花はなんて言うんですか」
「いやよくわからんですな」

するとすぐ横で
さっきホームから出て行ったきみが
「あれはクチナシの花だよ」って
でもクチナシって秋だったかな・・
首を傾げながら歩き出すと
きみもすぐ後から歩き出す

「毎日毎日夜勤明けでくたくただよ」とぼくが言うと
「家族と喧嘩して家出してきたとこだよ」と呟く
あの頃のままのきみ

「あそこでちょっと休むべか」と
牧草ロールが両脇に転がる草原に寝転んで
青い青い空と
流れゆく雲を見上げていると
まるで 早く帰って来いよと
囁いてるようなせせらぎの音

いつの間にか すぐ隣に
寝そべったきみの襟足の金色のほつれ毛
かすかなきみのため息が
幾千もの綿毛となって飛んでゆく
ススキからススキへの秋の風のなか
どうしてだか
きみに口づけをし
力いっぱいきみを抱きしめてた

どやどやという大勢の足音に
周囲を見渡すと人相の悪い一群
「警察へちょっときてくれ」
「こんな見晴らしのいい場所でけしからん」
「お前はなんて破廉恥な奴なんだ」

さめざめと泣いている
きみの横顔に見とれながら 
突然思い出したのは
オーウェルの「1984」の結末
それと同じ光景だった
トヨタグループ最後の日の首切りの儀式

誰もが毎日
唇を噛みしめながら生きている
こんなことでは駄目になってゆくと
もしもこうだったらなと

けれども
今日の惨めさからしか
ほんとうの出発は
ついに訪れないのに違いない

可憐な花梨

2008年11月01日 | 日記
どうしてだか
まん丸い梨より
でこぼこざらざらの西洋梨の方が
子供の頃から大好き

部屋中に置いた
黄緑色の不ぞろいな花梨は
馥郁と西洋梨の香り

天国のきみにも
この香りが届くようにと
きみが微笑んでる写真の前にも
可憐な花梨

まるであの頃のきみみたいな
可憐な花梨
そろそろ
初恋のきみのお墓にも
まっさらな雪が
ふわり ふわふわ
降り始める季節