日経ビジネスオンラインに、慶応大学でEV車エリーかを開発した名誉教授のj話を載せているが中々、技術者には面白い話であった。2004年に試作車が動き始めたエリーかは、インホイール・ドライブで、モーターを車輪に埋め込み、8個の車輪を駆動するという画期的な発明をしている。
そのノウハウをベースに2009年にシムドライブという会社を起こしている。その時の経験から、ものを作るということは、試作開発、製品開発となるが、それぞれに谷があるという。アイデアを試作品に作り上げるまでが「魔の川」で、その試作品から製品に仕上げるのが「死の谷」です。製品化というのは、信頼性・耐久性・安全性の証明が必須です。ここが、EVにおける「死の谷」というわけ。
「死の谷」は一見すると分からない。だから試作品と「死の谷」を渡った後のクルマは、見た目は同じに見えるでしょう。けれども、商品になるのは信頼性、耐久性、安全性を証明できたものだけなのです。そしてそのためには試作開発費の何十倍の手間と金がかかるという。2012年に出された試作車も格好良いが、2人乗りで航続距離が300kmで、2010年に出荷された日産のLeafが航続距離が260kmで販売に苦労をしていたから、シムドライブも製品化の資金を集められなかったのだろう。また2010年の初めでは電池容量が大きいものがなかったという時代背景も大きい。
清水慶応大学名誉教授はエリーかの経験、シムドライブの経験からインドと100万円のEV車の共同開発をしているということで、時代背景も大容量Li電池開発も進んでいるし追い風だから、面白いEV車が誕生するであろう。