先端技術とその周辺

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パリの現在は、塞翁が馬?

2018年12月09日 23時53分31秒 | 日記

パリは現在、オイル税引き上げ、福利構成引き下げ、などでレジスタンスの最中でしかもフランス全土に飛び火している。この現象を見たロイターの記者が逆にパリから新たな政治の方向を決める動きが出て着るのではないかと解説していた。その根拠は、①世界てjきな反デモクラシーが強まる中、レジスタンスはその逆をゆくもの ②マクロン大統領も当社は社会保障充実や、富裕層への課税を強めたり法人税の増加で射かい保障を充実させようとしていたから、初心に戻れば、悪くはない ③パリは地政学的に世界の首都と通信し易い。 ④フランス自体、先進的なところもある。それゆえ、パリ発の革新運動がおこりうると説く。面白い発想だと思う。以下その内容:::::::::::::: 

[パリ 4日 ロイタ] - 筆者がパリに転居して間もなく、米マイクロソフトやグーグルによるテクノロジー支配を変えようと、熱い野望を抱いて代替となる基本ソフト(OS)開発に取り組む起業家と知り合った。

 
 
12月4日、筆者がパリに転居して間もなく、米マイクロソフトやグーグルによるテクノロジー支配を変えようと、熱い野望を抱いて代替となる基本ソフト(OS)開発に取り組む起業家と知り合った。写真は11月、パリの凱旋門前で開かれた第一次世界大戦の終結100周年記念式典で演説するマクロン仏大統領。代表撮影(2018年 ロイター)

そしてまた、黄色いベストを着て怒りの声を上げ、政府打倒を訴えるデモ参加者とも出会った。どちらも、いまや「レジスタンス(抵抗)」の世界的な中心地となりつつあるパリの顔だ。

シャンゼリゼ通りで自動車が燃えているさなかに、英文経済メディアのエディターがニューヨークを離れ、ロンドンやフランクフルト、香港を素通りして、一時フランスに拠点を移すことは、不思議に感じられるかもしれない。だがパリこそ2019年、拠点とすべき場所だ。

まず、米国や英国、イタリアなどの政治に浸透する反自由主義や経済の保護主義と戦う任務は、消去法により、マクロン仏大統領の肩にかかっている。

マクロン大統領がその任に適しているかどうかは、来年明らかになるだろう。反乱のような「黄色いベスト(gilets jaunes)」運動はフランスの伝統芸とはいえ、さらなる改革を推進するマクロン氏の能力を直接脅かすことになる。

フランス政府は4日、来年1月に施行する予定だった燃料税の引き上げを延期し、マクロン氏は就任18カ月で初となる大きな挫折を経験することになった。だが、抗議活動がこれで終わるとは限らない。

ニューヨークやロンドンの「もの言う株主」がフランスの一部大手企業への揺さぶりを強めるなか、産業政策における国家の役割といった問題も含め、フランス型資本主義に対する新たな課題も浮上するだろう。その一方で、泥沼化する英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)によって、フランス政府に、黄金の経済的好機が転がり込む。

パリを拠点とすべきより実務的な理由もある。

フランスのタイムゾーンは、アジアや欧州、米国を股に掛けた世界的なオペレーションに適している。パリからであれば、夕食の邪魔することなくシンガポールや北京の同僚と話し、その後、欧州の仕事をこなしてから、ニューヨーク向けの用事に取りかかることができる。本当に難しいのは、パソコンの前から離れるタイミングを決断することだ。

移動も簡単だ。ロンドンは実のところ、パリの地下鉄の延長線上にあるようなもので、ニューヨークのマンハッタンからコネチカット州ニューヘイブンに行くのとなんら変わらない。アムステルダムやチューリヒとも高速鉄道で結ばれている。

航空大手エールフランスKLMは財務問題も抱えているが、カバーする路線網は素晴らしい。中東まではあっという間だし、中国に行く場合の「時差ぼけ」も、ニューヨークから上海に行く場合の時差13時間の悪夢と比べれば大したことはない。

確かに、フランクフルトやアムステルダム、ブリュッセルなどの欧州都市にも同様の利点がある。これらの国の税制は、政権が交代してもさほど大幅に変わることはないだろう。だが、産業と金融、メディア、政府そして文化が交わる交差点という点で、パリに匹敵する都市はない。多様な分野にまたがるネットワーク形成においてパリは理想的だ。

さらに、業界最大手30社を含む850社が上場するフランス株式市場の時価総額は、欧州大陸で最大だ。この多様性と重みが、他の欧州都市と比べてパリが、より多くブレグジットの恩恵を得る理由だろう。

ロンドンは、世界の金融の中心地であり続けるだろう。だが、経済的な愚策であるEU離脱を英国がどう実行したとしても、資本フローや欧州金融情報のハブとしての地位は弱まることになるだろう。

順応したい組織は、パリの人員を増やし、買収や合併、資本市場取引についての情報を集めるといいだろう。実業界のリーダーと会議するためにロンドンから同僚を招くのも簡単だ。フレンチ料理のランチに誘うのも、驚くほど効果的だ。

だが実務的な事情はさておき、マクロン大統領が登場しなければ、筆者がパリに来ることはなかっただろう。2017年2月、仏大統領選に立候補したマクロン氏は、トランプ時代の政治的言論の毒に嫌気がさしていた筆者のような人間にこう語りかけたのだ。「イノベーションを起こす米国の優秀な人々に聞いて欲しい。(新大統領が就任する)来年5月以降、フランスがあなた方の新たな母国となるだろう」

確かに、黄色いベストを着て抗議活動に参加している人々だけでなく、多くがマクロン氏にうんざりしている。筆者が最初に覚えたフランス語の1つは、政治談議が好きなタクシー運転手から教わった「金持ちのための大統領」という言葉だった。

燃料税の引き上げを含め、変化を好む人は誰もいない。40歳の浮世離れしたロスチャイルド系の投資銀行出身者から押し付けられた変化ならなおさらだ。失業した庭師に、皿洗いの仕事に就けと言うことは、論理的には正しいかもしれないが、大半の有権者の不評を買うものだ。

それでも、2019年の欧州議会選に向けてEU支持を盛り上げたり、地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」や、イランとの核合意を守ろうとするマクロン大統領は、反リベラリズムや世界に安定をもたらしてきた多様性を擁護する旗手として、支持されるのにふさわしい。

同時に、マクロン大統領の課題は、これまでタブーだった市場に友好的な政策へとフランスの舵を切ることにある。

これは、必ずしも国民皆保険や十分な教育を受ける権利などの利点を手放すことを意味しない。

とはいえ、給油する際に少しだけ余分に負担することで、次の世代までフランス式の生活を守り、同時に地球温暖化対策に貢献できるということを、マクロン大統領は、黄色いベストを着た地方からのデモ参加者に納得してもらうよう、さらに努力を重ねるべきだ。

同時に、ロンドンの金融街で成功を収め、現在はフランスの技術者チームとともにシリコンバレーの巨人に挑もうとしている冒頭の起業家ジャンロマン・ロム氏のような人が、最高レベルの才能を持つ人材を世界から集められるよう、労働市場の柔軟性を高める必要もある。

レジスタンスを率いることは、富裕層または貧困層、あるいは世界を飛び歩く都会人と持たざる地方の労働者のどちらかを利することではない。世界や国の共通の利益のために、こうした人々を団結させ、前進させることだ。

これこそが、今日の最大の課題であり、その展開を見届けるためにパリほど適した場所は他にない。