先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

東日本の送電線、5割超が空き不足 再生エネ普及に壁

2019年10月10日 19時02分28秒 | 日記

日経が、『北海道、関東の東日本の送電線、5割超が空き不足 再生エネ普及に壁』と報じていた。新たな再生エネルギーを窮しきれないと言う。電力会社にすれば、既存の化石燃料による発電を再生エネルギーを利用した発電に切り替えるには、発電量が不足するので、簡単には切り替えられないのだろう?   

送電線の空き容量不足が課題となっている

送電線の空き容量不足が課題となっている

送電線の容量不足が深刻になっている。日本経済新聞社が大手電力のデータを基にまとめたところ、北海道や東京など東日本で送電線の5~8割が空き容量不足に陥っており、新規に発電所をつくるのが難しい実態が明らかになった。増えつつある再生可能エネルギーに現在の送電網では対応しきれない。容量不足は再エネの普及の足かせとなり、国のエネルギー政策に影響を及ぼしかねない。

送電線は発電所から家庭へ電力を送る役割を担う。送電線は停電に備えて、普段はピークの容量の半分しか使わない。電力会社は発電所を作る際に、送電線を使う権利を確保する必要がある。今回の調査ではこの権利が全て埋まり、再生エネなどの新設の発電所につなげない送電線を「空き容量不足」とした。

具体的には電力各社が自社のホームページで公開している送電線の空き容量の目安などのデータを基に、各地域の主要な送電線のうち、何割が容量不足の状態にあるかを調べた。

関東や東北では5割、北海道では8割近くの送電線が容量不足となっていた。西日本では関西と中国が2割程度の不足で、九州や北陸、四国では主要送電線では容量が確保されていた。

 

関東は首都圏の需要をまかなう大型火力発電が集中し、東北や北海道は風況が良くて風力発電が多く、空きが少ない。主要送電線に空き容量があっても、発電所から主要送電線につなぐまでの細い送電線が目詰まりしている例も全国である。

容量不足にはいくつかの理由がある。1つめは送電線の権利は先着順で埋まる制度の問題だ。送電線の整備は1970年代から本格的に進み、新設計画のあった大型の火力や原子力発電所で権利が埋まった。電力大手は原則、廃炉を決めた原発の権利は手放すが、未稼働でも今後の再稼働を目指す原発の権利は維持している。

2つめは発電の実態の変化だ。この10年で、太陽光や風力発電などの再生エネが普及し始めた。再生エネの発電所は山奥や過疎地が多く、現在の送電網では対応しにくいケースも多い。

そしてこの再生エネが急激に増えている。2012年に再エネの固定価格買い取り制度(FIT)が導入され、各地で太陽光や風力発電などの新設が相次ぎ、発電量が一気に増えた。

電力大手は再エネ事業者などが新規に発電所をつくる場合、容量不足の地域では送電線の整備にかかる費用を一部求めている。ただ、再エネ事業者からは「大手が送電線を増強しないせいで、発電所が増やせない」といった不満が出ている。

そのため国や電力会社は送電線の運用を見直し、空き容量を生み出す仕組みの運用を始めている。東北電力は普段は稼働していない石油火力発電所などの送電線の使用枠を一時的に開放する仕組みを導入した。この結果、空き容量が大幅に増えたエリアもあった。停電などの際に使う予備容量を一部使う試みも出始めている。

電力大手が整備した送電網は老朽化が進むうえ、太陽光や風力は天候によって発電量が変わり安定しないため送電線に負荷がかかりやすい。勢力を増す台風などへの耐性が弱まりつつある。

大型の火力や原子力発電所だけの「集中型」から、太陽光や風力などが様々な場所で発電する「分散型」へと発電の実態が変わる中で、つくった電気を有効活用する送電線の在り方が求められている。


アメリカでは大都市から人口流出が続く!

2019年10月10日 14時16分21秒 | 日記

Getty Images

ニュージャージー州、コネティカット州、ロングアイランドを含むニューヨーク都市圏では、過去9年間で100万人の人口が流出した。ブルームバーグによると、毎日300人近くが同地域を去っている計算になる。

この傾向はニューヨーク都市圏に限ったものではなく、他の類似地域の多くでも住民が他州に移住している。ロサンゼルスやシカゴ、首都ワシントン、サンフランシスコ、コネティカット州のハートフォードやブリッジポート、ニューヘブンではいずれも、大規模な人口流出が起きているのだ。

人の流れのデータを記録している引っ越し業者ユナイテッド・バン・ラインズ(United Van Lines)によると、ニュージャージー、ニューヨーク、コネティカットの米北東部3州はいずれも、人口流出の速度が非常に高い州となっている。

こうしたデータは、現地に住む人であれば誰しも納得がいくことだ。生活費の高さやインフラの崩壊、高い税金が、住民にとって大きな問題となっている。ニューヨーク市の場合、住民が巨額の納税を強いられる一方で、学校や橋、トンネル、鉄道、空港、病院は崩壊している。

ニューヨークの道をただ歩くだけでも、街中が非常に混雑し汚いことが目に付く。また、治療を受けていない深刻な心身の病があることが明らかなホームレスの人々を目にしたり、そうした人々に話しかけられたりする確率も高い。

同市を運営する政治家らは、こうした人々を適切な施設で治療するのではなく路上で生活させる方が人道的だとでも感じている。また、犯罪率も上がっている。さらにそれに追い打ちをかけるのが、雪の降る寒い冬と、非常に蒸し暑い夏だ。

米人材紹介会社ロバート・ハーフのダレン・デファジオ副社長は、ニューヨーク都市圏のビジネス環境は全体的に強固であるものの、「企業は同地域を去り、会社や従業員にとってより魅力的な条件やインセンティブがある都市に移動している」と述べている。

政治家は、そのことを気にも留めていないようだ。ビル・デブラシオ市長は、市内が大規模な停電に見舞われていた最中、同市を離れて勝機のない大統領選の選挙運動に奔走していた。

ニューヨーク14区選出のアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員は、1万人以上の雇用を創出するはずだったアマゾン第2本社建設を阻止する運動を先導した。こうした反ビジネス感情はアマゾンのみならず、ニューヨーク市への進出を考えていたかもしれない企業も追い払ってしまっただろう。
 
昔は、働く場所としてニューヨークに匹敵するものはほとんどなかった。同市は銀行や金融、メディア、広告、ファッションなどの業界の聖地であり、自分の分野で大物になりたい企業や個人は誰もが同市に行く必要性を感じていた。しかし今は、技術の急速な発達により世界のあらゆる場所から働くことが容易になり、都市に集まる必要性が減っている。

事業の拠点を米南部や南西部に移すことは、劇的に増大するトレンドとなっている。ウォール街の銀行や金融企業は既に、フロリダ州やノースカロライナ州、テキサス州、アリゾナ州、テネシー州に大規模な拠点を確立。その他ニューヨークを拠点とする企業の多くは、そうした地域に従業員を移転させたり、新たなオフィスを開設したりしている。

企業や人材にとっては簡単な決断だ。ニューヨークから離れることで、納税額を大きく減らし、仕事も確保した上で、大きな家をより安い価格で購入し、新鮮な空気を楽しみながら気楽な生活を送れるのだから。



魅力的な税優遇措置やビジネス誘致の姿勢を持つ都市に移る企業が増えるにつれ、ニューヨーク都市圏を去る人の数は増えるだろう。人や企業が出て行けば、失われた収入を補うべく税金を上げなければならない。税金が増えれば、さらに企業や人が流出する。税金の基盤が失われると行政サービスは劇的に削減され、教師や消防士、ごみ収集作業員、警察官が解雇されるだろう。そうして、残された人の生活の質は下がる。

このパターンは、あなたのキャリアにとって非常に重要だ。あなたが住んでいる街や地域は成長しているだろうか、それとも衰退しているだろうか? 新たな仕事が増えているだろうか、それとも求人は減っているだろうか? ニューヨークで高い給与を稼いでも、税金や家賃、高い生活費を差し引いた後に手元に残る金が少ないのであれば、それには果たして意味があるだろうか?

ニューヨークなどの大都市だけを唯一の目的地として考えることは、もはやできない。自分にとって最高の仕事とライフスタイルを得られるのがどこかを見極める必要がある。キャリアを決める際には、生活の質や、自分の給与でどれほどの生活ができるか、そして将来の成長の機会を考慮する必要がある。