英国の科学技術雑誌Natureの10月23日号に、Googleが量子コンピューターによる「量子超越性の実証」したと言う記事が出て、世界の雑誌がGooleが量子コンピュータを実現と言う記事を載せていたが、すごいことであるとか、大した話ではないとか、喧々諤々の議論を巻き起こしている。 Natureは論文を載せている雑誌ではなく、いわばエッセンスを掲載しているもので、詳細が分からないため、喧々諤々の議論を起こしたと思う
冷静に現状を解説したEngadget 日本版の記事とNatureの記事の一部、を引用した。
アメリカの科学技術雑誌Engadgetの記事のURL:: https://japanese.engadget.com/about/
通常、コンピューターが処理する最小の情報単位は0と1をあらわすビットですが、量子コンピューターでは0と1のほか、両者を重ね合わせた状態を表現できる「量子ビット」を扱います。これにより、従来のコンピューターでは時間がかかる計算も、効率的に行えるとされています。
Googleによれば、従来型の世界最速スーパーコンピューターが1万年かかる計算を、Googleが開発した53量子ビットを持つ量子プロセッサー「Sycamore」は、200秒で計算できたとのことです。
この論文は9月末に一時掲載され、各所で大きな話題となったもの。例えばIBMの研究者は、Sycamoreは特定の問題を解決するために設計されており、量子超越性を実証したとは言えないと反論していました。今回、論文が掲載されたことにより、各方面での検証・議論がさらに深まるものと考えられます。
なお、この研究がすぐに役立つものでないのは、Google自身も認めています。ただし、MIT Technology Reviewのインタビューでは、ライト兄弟の最初の飛行に例えており「最初の飛行機は12秒しか飛べず、実用性はなかった。しかし、飛行機が飛ぶ可能性を示した」としています。
今回の論文が量子コンピューターの歴史を振り返ったときに、実用化への最初の一歩であることを示せたのかどうか。今後が楽しみなところです。
Natureの記事のURL https://www.nature.com/articles/d41586-019-03213-z
Nature:Hello quantum world! Google publishes landmark quantum supremacy claim
Scientists at Google say that they have achieved quantum supremacy, a long-awaited milestone in quantum computing. The announcement, published in Nature on 23 October, follows a leak of an early version of the paper five weeks ago, which Google did not comment on at the time.
In a world first, a team led by John Martinis, an experimental physicist at the University of California, Santa Barbara, and Google in Mountain View, California, says that its quantum computer carried out a specific calculation that is beyond the practical capabilities of regular, ‘classical’ machines1. The same calculation would take even the best classical supercomputer 10,000 years to complete, Google estimates.
Google's quantum computer excels at checking the outputs of a quantum random number generator.