ヨーロッパでは意外に民族紛争が多いのに驚かされる。ヨーロッパの歴史を見るに、単一民族で作られた王国と言うものがなく、王国内での民族闘争が絶えなかったという歴史がある。世界史を思い起こしてみても、ヨーロッパの歴史は戦争の歴史でもある。
①古代から中世までのローマ帝国:イタリアだけでなく地中海全域に広がる帝国であった。15世紀まで続く。
②フランク王国:ドイツとフランス、北イタリア、東欧では、ローマ帝国に並行して現ゲルマン人のフランク王国があった。
③ブルボン帝国:フランク王国も、10世紀になると、フランス王国が力をつけ、現在のフランスにフランス王国が誕生。1789年のフランス革命まで存続。
④ローマ帝国の1273年、オーストリアのルドルフI世が神聖ローマ帝国の皇帝に選出されてハプスブルグ帝国ができる。オーストリアを核としてブルゴーニュ、ドイツ、ベルギー、イタリア、スペイン、ハンガリー、ボヘミアに及ぶ。1918年まで存続、ヨーロッパの大半を支配下におさめ、その間約5世紀のあいだ神聖ローマ帝国の皇帝の地位を占めました。それだけに、現在に 至るヨーロッパの政治、経済、文化、学問などのあらゆる分野に、ハプスブルク家は深く関わり、影響を与え続けてきたのです。
⑤地中海および中東ではオスマントルコ帝国:15世紀から17世紀まで:トルコを中心とし、地中海、現在の東よーロパ、そしてアラビア、中東を含む広大な帝国
⑥スチュアート王国とイングランド王国:ヨーロッパ大陸の紛争には比較的巻き込まれずに12世紀から17世紀まで双方存続するが18世紀にイングランド王国で一本化される。ヨーロッパ大陸の紛争には比較的巻き込まれなかったと言いながら、フランスとイングランドは1337年から1453年まで。、フランス王国王位継承およびイングランド王家がフランスに有する広大な領土をめぐり、百年戦争が起きている。
⑦スペイン王国: 長い分裂の末、2つの王国の合併で成立したスペイン王国が、イベリア半島からイスラーム勢力を一掃した1492年以降、1898年の米西戦争に負けて植民地を失うまで存続した。
⑧東欧の歴史を踏まえると更にヨーロッパは戦争だらけ。
それが現在までも続いている。北アイルランド紛争、英国内の民族対立(スコットランととイングランド)、スペインの民族問題、東欧のコソボ紛争、ボスニア紛争。戦争の歴史であったヨーロッパを終わらせようと言うのがEUであったはず。1993年マーストリヒト条約の締結で誕生したEUでは共通通貨の導入、欧州共同体の運営、外交と安全保障の共通化、司法と内務の共通化で、戦争の廃絶は明記されていないが、EU tannjyouno 切っ掛けとなった当時のドイツのヘルムート・コール首相とフランスのフランソワ・ミッテラン大統領の平和への強い念願があったからと言われている。