1970-80年代のポスターやテレビの広告は、三船敏郎の「男は黙ってサッポロビール」のポスター(1970)、「DISCOVER JAPAN」(国鉄 1971)など、たしかに広告が社会をけん引し、夢をみせてくれた。
そのころのビジュアルやCM音楽を視聴できる博物館が汐留にある。当時と比較すると広告の力は衰えたかもしれないが、政府イベントや政権PRでは威力を増しているかもしれない。 . . . 本文を読む
日本人の被曝は、広島、長崎、そして2011年の福島だけではない。世界初の水爆実験で被曝した日本人漁民がいた。その名も「夢の島」に木造の巨体が展示されている。「夢の島のラッキー・ドラゴン」となるとブラック・ジョークのようだ。 . . . 本文を読む
NHKの朝ドラは放送開始から58年、今春100作の「なつぞら」放送開始となった。100作の展示をみて、自分のこれまでの数十年の生活といろいろリンクしていることに気づいた。さらに「なつぞら」に出てくる居酒屋から、いまはない2軒の新宿の居酒屋のことがいろいろ思い出された。
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昨年夏、大宮の鉄道博物館がリニューアル・オープンした。新たにつくられた「歴史」の部分を中心にみたが、鉄道は社会や国家の歩みと軌を一にしていることがよくわかった。施設が広大で、時間の制約もあり見られなかった展示も多いが、見るべきポイント多数の博物館のようだった。 . . . 本文を読む
両国の震災復興記念館は、関東大震災と東京大空襲の「歴史の記憶」を継承する施設である。地震そのものは天災だが、そのなかで起こった自警団や憲兵・警察による「虐殺」は人間の犯罪であり、戦争はいうまでもなく人災である。歴史の教訓を記憶に留める努力や活動は、次世代へ未来の社会づくりを継承するうえで重要だ。 . . . 本文を読む
溝の口に1万4000冊もの社史が書架に並ぶ珍しい図書館がある。書庫の社史まで含めれば1万9000冊、よく集めたものだ。「社史の図書館と司書の物語」(高田高史)は、この館の社史関連のさまざまな活動やイベントを紹介している。一般の人にも社史に興味をもってもらえそうなエピソードが多く収録されている。 . . . 本文を読む
日本の金融政策の総元締め日本銀行。道路を隔てた場所にある、貨幣の歴史や貨幣と文化・社会をテーマとする博物館を訪れた。いろいろトリビアな知識も得られる。ただ博物館の本体である、黒田日銀の6年に及ぶ迷走ぶりには嫌気が差す。 . . . 本文を読む
映画監督、俳優、イラストレーターなど6つの顔をもつ多彩な伊丹十三。雑誌、書籍、テレビ、映画などメディアの世紀の日本のダ・ヴィンチともいえるほど多面的な才能を発揮した。亡くなって20年以上になるが、記念館が松山の郊外にある。気持ちのいい風が吹く緑の中庭があり、470pの文庫本サイズの充実したガイドもあった。
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今年4月国立映画アーカイブが、改組によりオープンした。7階展示室の常設展「日本映画の歴史」はよくできていた。断片的にしか知らなかったできごとを体系的に理解することができた。上演映画は昔通りもちろん充実していて、図書室も宝の山だった。何度でも行ってみたくなる映画愛好者のパラダイスである。
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「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉があるが、「いろは48組」の江戸の町火消は人気の的で、歌舞伎や浮世絵にもよく取り上げられた。ただ江戸時代の消防は火を消すのではなく、建物を壊す活動という、驚くような事実を消防博物館で知った。 . . . 本文を読む
日本に警察の前身、首都を守るら卒が生まれたのは1871年、トップは薩摩の下級士族、メンバーも3000人のうち2000人が薩摩出身だった。さらに警察音楽隊の生みの親、軍楽隊も薩摩から生まれたそうだ。京橋の警察博物館で知った。 . . . 本文を読む
東京都中央区(旧京橋区、日本橋区)には明治以降、出版社や新聞社が多く存在したこともあり、印刷・印刷関連工場が集積していた。入船の企業博物館、ミズノ・プリンティング・ミュージアムでは現存する世界最古の印刷物や国産第1号の活版印刷機など、貴重な文化遺産を展示している。ただわたくしにはコンピュータ化以前の近過去の印刷関連技術にも貴重なものがあるように思える。 . . . 本文を読む
ちょうど開催中の運慶展をみたあと、これまで入ったことのない東洋館や黒田記念館を含めて平常展(総合文化展)をみた。ため息がでるほどすばらしい名品も多く、さすが東博だと思った。また10年近く前に来たときと比べ、ずいぶん観客を意識した展示や運営に変っていた。 . . . 本文を読む
賀川豊彦はわずか4歳で両親と死に別れ、徳島の父の実家で育った。美しい自然のなかですくすく育ち小学校・中学校ともに普通より早く入学した。そして15歳で洗礼を受けキリスト者となった。格差社会が固定化し、アベ政権が戦争へのタイマーを「始動」させたいま、賀川豊彦が提唱した「友愛・互助・平和」の理念を再認識する意味は大きい。 . . . 本文を読む
NHKの朝ドラ「べっぴんさん」のモデル企業、ファミリアの4人の女性創業者と商品の発展の展示をみた。意外に細かいところまで事実に即していて驚いた。ただ肝心のドラマはもうひとつ盛り上がらない。 . . . 本文を読む