日の丸君が代強制で悪名高い東京の10.23通達から丸8年が過ぎた。10月22日(土)夜、御茶ノ水の全電通会館で「学校に自由と人権を!10.22集会」が開催された(参加343人)。「命がけで憲法を破る」と公言した石原都知事が主導した10.23通達により処分された教職員は437人に上る。もはや東京には「校門を入ると憲法がない」という状態だ。大阪では、3回不起立でクビ、2年連続定員割れで廃校という教育条例をかけ、橋下徹前知事が11月13日告示、27日投票の大阪市長選挙に出馬する。
主催した16団体
集会のプログラムは、斎藤貴男さん(ジャーナリスト)と澤藤統一郎さん(弁護士)の講演、大阪の井前弘幸さんと日航CCUの内田妙子さんの2つの特別報告というものだった。斉藤さんの講演のうち、日経連(当時)の提言と日米一体の軍事再編についてはかつて掲載したことがあるので短縮している。(cf 07年10月の記事、10年2月の記事)
『君が代』裁判が問いかけるもの 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)
大震災から7か月になる。これだけの災害があっても日本社会は何も変わらない。すなわち日本社会は経済成長以外の価値をほとんど認めない。震災直後の4月に菅首相は復旧より復興と呼びかけ、5月末に日本経団連は「復興・創生マスタープラン」を発表した。このなかでアジア諸国との事業環境のイコール・フッティングを確保するため、法人実効税率や労働コストの引き下げを主張し、大震災を利用し、身勝手をいっきに進めようとしている。そして野田首相は組閣前に経団連にあいさつに向かった。これをマスコミはまったく批判しない。経済成長は人びとが幸福になる重要な手段のひとつだが、目的になってはいけない。経済成長が目的になると、たとえば人権が成長の阻害要因ということになる。
新自由主義は、金持ちをもうけさせれば貧乏人もおこぼれに与れるという考えに立つ。教育もこの流れのなかにある。今年小学校で新学習指導要領がスタートした。この指導要領の特徴は愛国心や公共の精神、道徳の強調と国際競争への対応だ。石原は知事に就任したころからこの路線を先取りして実行してきた。
大阪ではさらに極端な「教育改革」を実行しようとしている。橋下知事の「子分」の市議が10月10日の朝日のインタビューに答えている。「人格形成だけで人は生きてゆけない」「『国内で仲良く』という育て方で競争力を失った」「私は格差を生んでよいと思っている」「まずは格差を受け入れてでも、秀でた者を育てる必要がある」。市議とは思えない暴言のオンパレードである。
言葉は激しいが、大阪だけが突出しているわけではない。石原がこれまでやってきたことであり、国の大方針でもある。
教育の分野で格差を拡大するとどうなるか。小泉構造改革とは積極的に格差を拡大する政策だった。その結果雇用の面で、非正規労働者が激増した。それより前の1995年に日経連(当時)が「新時代の日本的経営」を発表した。日本の人件費は高すぎるので国際競争力を失っている。そこで、終身雇用をやめ、人の能力に応じ、長期能力蓄積型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の3グループに階層化することを提言した。この雇用柔軟型が、必要なときだけ雇い必要なくなるとクビを切れる社員、いまの呼び方では非正規労働者のことである。
教育は産業界のニーズに規定される。前回の学習指導要領改訂のポイントはゆとり教育だったが、改訂の原案をつくった教育課程審議会の三浦朱門会長にそのころ取材した。「ゆとり教育になると平均学力が低下するのではないか」と尋ねると、「出来ん者は出来んままで結構、実直な精神だけ持っていてくれればいい」と答えた。ノンエリートの教育予算を削り、その分を少数のエリート養成の原資とする、積極的にバカ(無知)をつくるのが「ゆとり教育」の本来の目的なのである。こういう社会のモデルはアメリカである。
軍事の面でも、在日米軍再編で自衛隊と米軍の司令部が一体化しつつある。横須賀の海軍、横田の空軍、キャンプ座間の陸軍に隣接して自衛隊の司令部がある。アメリカの戦争を日本がいっしょにやる体制がすでにできている。もちろん反発する人が出てくる。政府は反発されると困るので進められているのが、愛国心の涵養による国民統合なのである。
経済も軍事もアメリカと一体化し属州化していく。
戦前の軍国主義への逆戻りという言い方があるが、戦前の天皇制との違いは、天皇のうえにアメリカというスーパー神様がいることだ。
石原や橋下の教育改革は、国の方針に従い、国際競争に勝ち抜くためのエリート教育および文句を言わない棄民教育を進めることだ。しかし教育がそういうものであってはならない。何よりもそれぞれの子の人権、命、未来のためにある。教育というより「調教」に負けてはいけない。
最高裁判決とこれからの闘い 澤藤統一郎さん(弁護士)
日の丸君が代を強制することは、憲法の理論からみて絶対にできない。なぜなら、もっとも重要なのは個人であり、人権や人間の尊厳を横暴な国から守るものが憲法だからだ。個人に対し、国家への敬意の表明を強制することなどできるはずがない。憲法がつくった価値序列の倒錯である。しかも日の丸君が代という歴史的に負の遺産を背負ったものを強制することはなおいけない。さらに強制を行う場が教育の場である。生徒は明日の主権者だが、生徒に一つのイデオロギーを吹き込む結果になる強制はなおさらいけない。
多数決でなんでもできるわけではない。民主主義はいわば手段的な価値でしかない。根本的価値は人権であり人間の尊厳だ。それを侵害するような多数決が民主主義の名において正当化されるはずがない。東京の石原知事は308万票取って10.23通達を用意し始めた。また大阪の橋下知事は、自分が民主主義を体現する人物だとし、民主主義がなんでもできるというとんでもない思い込みをしている。
最高裁はどのように判断したのか。この問題は「人に対し、ある外部行為の強制がその人の内面の思想や良心を傷つけることになり、その結果、その強制は憲法19条思想・良心の自由に違反することになるのかどうか」という形で提起されている。
2006年の予防訴訟判決で東京地裁難波判決は憲法違反とはっきりいった。しかし07年2月のピアノ訴訟最高裁判決では一転し、外部行為強制と思想良心の侵害が一般的客観的に関連していれば思想良心を侵害しているといえるとした。これでは多数派が認める場合しか救済されないことになり、評判が悪かった。
今年5月から7月の最高裁判決は「間接制約」という概念を持ち出した。職務命令は思想良心を直接制約するものではないが間接制約することは否定しがたい。ただし、直接制約なら厳格な審査基準が必要だが、間接制約は「必要性・合理性」を充足していればよいとした。この問題に対し宮川裁判官だけが反対意見を書いた。
アメリカでは89年のジョンソン事件判決(84年のダラスの共和党大会で国旗につばをはき燃やした事件)で無罪判決が出た後、連邦法に「国旗侮辱罪」を追加した。これに抗議してワシントンで国旗を燃やしたアイクマン事件に対しても連邦法1条を理由に無罪とした。見上げたものである。
このたびの最高裁判決は、一枚岩で自信をもった判決ではない。まだまだ裁判は続くが、逆転するチャンスはある。
特別報告:こんな条例あり?大阪府『教育基本条例』の撤回を求める
井前弘幸さん(大阪・新勤評反対訴訟団事務局長)
大阪では、橋下徹知事ら大阪維新の会が10月5日に大阪府教育基本条例案を上提した。内容変更は8回に及び、維新の会が右往左往していることがわかる。10月11日、13日、17日の3回教育常任委員会で審議されたが、議員提案なのでまともな答弁はなかった。そして昨夜(21日)18時すぎに12月議会へ継続審議になることが決定した。
橋下知事は31日に正式辞任し、11月13日告示、27日投票のダブル選挙の大阪市長選挙に立候補する。
この動きに対し、大阪では9月24日に全国集会を開催し、一昨日の10月20日にも集会を開いた。条例の中身が少しずつ市民や教職員に浸透し「こんな中身やったんか」ということがわかるにつれ状況が変わってきた。一方これまで橋下の親衛隊ともいうべきメンバーが態度を変えてきている。橋下が権限を一括化し、教育をわがものにするということなので教育委員、委員会事務局、PTAなどが「とてもじゃないが」と条例の中身に則した批判を始めた。
橋下知事は7月には「教育の大きな方針は政治が決める」と自身のツイッターに書いていた。しかし10月12日には「今の文科省を頂点とする教育行政ヒエラルキーを徹底的に解体する。超分権型学校組織に転換させることがこの条例の本来目的です」「文科省・教育委員会を軸とする学校ヒエラルキーを、住民・保護者が関与する自立組織に改めたい」と徐々に言い方を変化させている。追い込まれていっていることがわかる。
条例案の中身の「これはおかしい」とわかるような材料をいま作っているところだ。今後も大阪に注目し、協力していただきたい。
日航”整理解雇”との闘い 内田妙子さん(日航CCU委員長)
昨年12月31日の大晦日に、わたしたち165人は解雇された。うちパイロット76人、客室乗務員72人計148人が2つの解雇撤回裁判を闘っている。裁判は急ピッチで進み、12月19日と21日に結審し来年3月に判決が出る。
日本航空は今年1月19日に会社更生法が適用され、更生計画の中心は人員削減だったが、今年3月末時点で31300人の目標に対し32600人で1300人超過、利益計画も目標が641億円だったのに1884億円と過去最高を記録した。人件費は目標を206億円上回る削減を達成した。裁判のなかで、9月30日には証人出廷した稲森会長が「整理解雇は経営上必要なかった」と証言するなど、整理解雇の4要件を満たしていないことが次々に明らかになった。
いま日本航空の職場は沈滞している。加藤元管財人代理は全社員教育のビデオで「今後2度と破たんしないため、7000億から1兆円の内部留保が必要だ。内部留保達成まであなたたちは「安全」を口にするんじゃない」と言い放った。中堅やベテランは職場を去り、パイロットの他社流出、整備士の退職は後を絶たない状態だ。
このあと、今年の卒入学式で処分された8人の教職員、5-7月の最高裁判決を受けた11個人・団体、16の主催団体の紹介があった。最後に「日の丸・君が代」強制と石原・都教委の教育破壊を許さず、闘おう」というアピールを全員で採択した。なお最高裁要請は被処分者の会のHPのこのサイトから署名できる。
☆大阪の「教育条例」の問題は大阪だけの問題ではない。大阪を被処分者437人の第二の東京にしないため、全国から力を結集して、橋本の落選を実現させたい。
主催した16団体
集会のプログラムは、斎藤貴男さん(ジャーナリスト)と澤藤統一郎さん(弁護士)の講演、大阪の井前弘幸さんと日航CCUの内田妙子さんの2つの特別報告というものだった。斉藤さんの講演のうち、日経連(当時)の提言と日米一体の軍事再編についてはかつて掲載したことがあるので短縮している。(cf 07年10月の記事、10年2月の記事)
『君が代』裁判が問いかけるもの 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)
大震災から7か月になる。これだけの災害があっても日本社会は何も変わらない。すなわち日本社会は経済成長以外の価値をほとんど認めない。震災直後の4月に菅首相は復旧より復興と呼びかけ、5月末に日本経団連は「復興・創生マスタープラン」を発表した。このなかでアジア諸国との事業環境のイコール・フッティングを確保するため、法人実効税率や労働コストの引き下げを主張し、大震災を利用し、身勝手をいっきに進めようとしている。そして野田首相は組閣前に経団連にあいさつに向かった。これをマスコミはまったく批判しない。経済成長は人びとが幸福になる重要な手段のひとつだが、目的になってはいけない。経済成長が目的になると、たとえば人権が成長の阻害要因ということになる。
新自由主義は、金持ちをもうけさせれば貧乏人もおこぼれに与れるという考えに立つ。教育もこの流れのなかにある。今年小学校で新学習指導要領がスタートした。この指導要領の特徴は愛国心や公共の精神、道徳の強調と国際競争への対応だ。石原は知事に就任したころからこの路線を先取りして実行してきた。
大阪ではさらに極端な「教育改革」を実行しようとしている。橋下知事の「子分」の市議が10月10日の朝日のインタビューに答えている。「人格形成だけで人は生きてゆけない」「『国内で仲良く』という育て方で競争力を失った」「私は格差を生んでよいと思っている」「まずは格差を受け入れてでも、秀でた者を育てる必要がある」。市議とは思えない暴言のオンパレードである。
言葉は激しいが、大阪だけが突出しているわけではない。石原がこれまでやってきたことであり、国の大方針でもある。
教育の分野で格差を拡大するとどうなるか。小泉構造改革とは積極的に格差を拡大する政策だった。その結果雇用の面で、非正規労働者が激増した。それより前の1995年に日経連(当時)が「新時代の日本的経営」を発表した。日本の人件費は高すぎるので国際競争力を失っている。そこで、終身雇用をやめ、人の能力に応じ、長期能力蓄積型、高度専門能力活用型、雇用柔軟型の3グループに階層化することを提言した。この雇用柔軟型が、必要なときだけ雇い必要なくなるとクビを切れる社員、いまの呼び方では非正規労働者のことである。
教育は産業界のニーズに規定される。前回の学習指導要領改訂のポイントはゆとり教育だったが、改訂の原案をつくった教育課程審議会の三浦朱門会長にそのころ取材した。「ゆとり教育になると平均学力が低下するのではないか」と尋ねると、「出来ん者は出来んままで結構、実直な精神だけ持っていてくれればいい」と答えた。ノンエリートの教育予算を削り、その分を少数のエリート養成の原資とする、積極的にバカ(無知)をつくるのが「ゆとり教育」の本来の目的なのである。こういう社会のモデルはアメリカである。
軍事の面でも、在日米軍再編で自衛隊と米軍の司令部が一体化しつつある。横須賀の海軍、横田の空軍、キャンプ座間の陸軍に隣接して自衛隊の司令部がある。アメリカの戦争を日本がいっしょにやる体制がすでにできている。もちろん反発する人が出てくる。政府は反発されると困るので進められているのが、愛国心の涵養による国民統合なのである。
経済も軍事もアメリカと一体化し属州化していく。
戦前の軍国主義への逆戻りという言い方があるが、戦前の天皇制との違いは、天皇のうえにアメリカというスーパー神様がいることだ。
石原や橋下の教育改革は、国の方針に従い、国際競争に勝ち抜くためのエリート教育および文句を言わない棄民教育を進めることだ。しかし教育がそういうものであってはならない。何よりもそれぞれの子の人権、命、未来のためにある。教育というより「調教」に負けてはいけない。
最高裁判決とこれからの闘い 澤藤統一郎さん(弁護士)
日の丸君が代を強制することは、憲法の理論からみて絶対にできない。なぜなら、もっとも重要なのは個人であり、人権や人間の尊厳を横暴な国から守るものが憲法だからだ。個人に対し、国家への敬意の表明を強制することなどできるはずがない。憲法がつくった価値序列の倒錯である。しかも日の丸君が代という歴史的に負の遺産を背負ったものを強制することはなおいけない。さらに強制を行う場が教育の場である。生徒は明日の主権者だが、生徒に一つのイデオロギーを吹き込む結果になる強制はなおさらいけない。
多数決でなんでもできるわけではない。民主主義はいわば手段的な価値でしかない。根本的価値は人権であり人間の尊厳だ。それを侵害するような多数決が民主主義の名において正当化されるはずがない。東京の石原知事は308万票取って10.23通達を用意し始めた。また大阪の橋下知事は、自分が民主主義を体現する人物だとし、民主主義がなんでもできるというとんでもない思い込みをしている。
最高裁はどのように判断したのか。この問題は「人に対し、ある外部行為の強制がその人の内面の思想や良心を傷つけることになり、その結果、その強制は憲法19条思想・良心の自由に違反することになるのかどうか」という形で提起されている。
2006年の予防訴訟判決で東京地裁難波判決は憲法違反とはっきりいった。しかし07年2月のピアノ訴訟最高裁判決では一転し、外部行為強制と思想良心の侵害が一般的客観的に関連していれば思想良心を侵害しているといえるとした。これでは多数派が認める場合しか救済されないことになり、評判が悪かった。
今年5月から7月の最高裁判決は「間接制約」という概念を持ち出した。職務命令は思想良心を直接制約するものではないが間接制約することは否定しがたい。ただし、直接制約なら厳格な審査基準が必要だが、間接制約は「必要性・合理性」を充足していればよいとした。この問題に対し宮川裁判官だけが反対意見を書いた。
アメリカでは89年のジョンソン事件判決(84年のダラスの共和党大会で国旗につばをはき燃やした事件)で無罪判決が出た後、連邦法に「国旗侮辱罪」を追加した。これに抗議してワシントンで国旗を燃やしたアイクマン事件に対しても連邦法1条を理由に無罪とした。見上げたものである。
このたびの最高裁判決は、一枚岩で自信をもった判決ではない。まだまだ裁判は続くが、逆転するチャンスはある。
特別報告:こんな条例あり?大阪府『教育基本条例』の撤回を求める
井前弘幸さん(大阪・新勤評反対訴訟団事務局長)
大阪では、橋下徹知事ら大阪維新の会が10月5日に大阪府教育基本条例案を上提した。内容変更は8回に及び、維新の会が右往左往していることがわかる。10月11日、13日、17日の3回教育常任委員会で審議されたが、議員提案なのでまともな答弁はなかった。そして昨夜(21日)18時すぎに12月議会へ継続審議になることが決定した。
橋下知事は31日に正式辞任し、11月13日告示、27日投票のダブル選挙の大阪市長選挙に立候補する。
この動きに対し、大阪では9月24日に全国集会を開催し、一昨日の10月20日にも集会を開いた。条例の中身が少しずつ市民や教職員に浸透し「こんな中身やったんか」ということがわかるにつれ状況が変わってきた。一方これまで橋下の親衛隊ともいうべきメンバーが態度を変えてきている。橋下が権限を一括化し、教育をわがものにするということなので教育委員、委員会事務局、PTAなどが「とてもじゃないが」と条例の中身に則した批判を始めた。
橋下知事は7月には「教育の大きな方針は政治が決める」と自身のツイッターに書いていた。しかし10月12日には「今の文科省を頂点とする教育行政ヒエラルキーを徹底的に解体する。超分権型学校組織に転換させることがこの条例の本来目的です」「文科省・教育委員会を軸とする学校ヒエラルキーを、住民・保護者が関与する自立組織に改めたい」と徐々に言い方を変化させている。追い込まれていっていることがわかる。
条例案の中身の「これはおかしい」とわかるような材料をいま作っているところだ。今後も大阪に注目し、協力していただきたい。
日航”整理解雇”との闘い 内田妙子さん(日航CCU委員長)
昨年12月31日の大晦日に、わたしたち165人は解雇された。うちパイロット76人、客室乗務員72人計148人が2つの解雇撤回裁判を闘っている。裁判は急ピッチで進み、12月19日と21日に結審し来年3月に判決が出る。
日本航空は今年1月19日に会社更生法が適用され、更生計画の中心は人員削減だったが、今年3月末時点で31300人の目標に対し32600人で1300人超過、利益計画も目標が641億円だったのに1884億円と過去最高を記録した。人件費は目標を206億円上回る削減を達成した。裁判のなかで、9月30日には証人出廷した稲森会長が「整理解雇は経営上必要なかった」と証言するなど、整理解雇の4要件を満たしていないことが次々に明らかになった。
いま日本航空の職場は沈滞している。加藤元管財人代理は全社員教育のビデオで「今後2度と破たんしないため、7000億から1兆円の内部留保が必要だ。内部留保達成まであなたたちは「安全」を口にするんじゃない」と言い放った。中堅やベテランは職場を去り、パイロットの他社流出、整備士の退職は後を絶たない状態だ。
このあと、今年の卒入学式で処分された8人の教職員、5-7月の最高裁判決を受けた11個人・団体、16の主催団体の紹介があった。最後に「日の丸・君が代」強制と石原・都教委の教育破壊を許さず、闘おう」というアピールを全員で採択した。なお最高裁要請は被処分者の会のHPのこのサイトから署名できる。
☆大阪の「教育条例」の問題は大阪だけの問題ではない。大阪を被処分者437人の第二の東京にしないため、全国から力を結集して、橋本の落選を実現させたい。