森の中、異様な足音にその方向に足を向けると・・・
人間(あたし)におびえるシカさんがその場を逃げようとしている。
が、何かがおかしい。
何かが足に引っかかり、その場から逃げられないでいる。
近寄って外してやろうと思ったが、それは危険すぎる。
当初、鹿避けネットに絡まりついているのかと思ったが、良く見ればそれは金属製のワイヤーロープだった。
どうすることも出来ない。
しかし、なぜ?
ワイヤーロープをくくりつけている木に、小さな看板がくくり付けてある。
近づいてみてみると、全てが判明した。
それは 「くくり罠」というものだった。
このまま彼女がおびえ疲れて死ぬのを待つのだろうか?
それとも、このように何日も何日も苦しませておいて、最後は射殺するのだろうか?
いや、ここは国立公園内、別の処分の仕方があるのだろう。
樹木への食外が深刻化していることは重々承知しているし、増えすぎたシカさんたちを間引かなければならないことも理解できる。
悲しげに見えるシカさんの目が、無力の自分に何かを訴えているように見えた。
自分は、しばらくその場を離れることが出来なかった。
人間(あたし)におびえるシカさんがその場を逃げようとしている。
が、何かがおかしい。
何かが足に引っかかり、その場から逃げられないでいる。
近寄って外してやろうと思ったが、それは危険すぎる。
当初、鹿避けネットに絡まりついているのかと思ったが、良く見ればそれは金属製のワイヤーロープだった。
どうすることも出来ない。
しかし、なぜ?
ワイヤーロープをくくりつけている木に、小さな看板がくくり付けてある。
近づいてみてみると、全てが判明した。
それは 「くくり罠」というものだった。
このまま彼女がおびえ疲れて死ぬのを待つのだろうか?
それとも、このように何日も何日も苦しませておいて、最後は射殺するのだろうか?
いや、ここは国立公園内、別の処分の仕方があるのだろう。
樹木への食外が深刻化していることは重々承知しているし、増えすぎたシカさんたちを間引かなければならないことも理解できる。
悲しげに見えるシカさんの目が、無力の自分に何かを訴えているように見えた。
自分は、しばらくその場を離れることが出来なかった。