国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

米のアルメニア人虐殺非難決議案は、ギリシャ人とアルメニア人が支配階層だった東ローマ帝国の再興が目的?

2007年03月12日 | トルコ系民族地域及びモンゴル
かつての東ローマ帝国でアルメニア人はギリシャ人に次ぐ支配的地位にあり、オスマントルコ帝国でもコンスタンチノープルを中心とする都市部に多数のアルメニア商人が居住していたことが注目される。この都市部アルメニア人の迫害と海外移住は今回問題になっている20世紀はじめの二回目の迫害ではなく19世紀末の第一回の迫害がきっかけであると思われるが、都市部アルメニア人の故郷への帰還がもし認められるならば、それはかつてオスマントルコによって滅ぼされた東ローマ帝国の復活を意味するとも考えられる。欧米に居住するアルメニア人の多くはコンスタンチノープルなどの都市部出身であるとも考えられ、彼らがボスポラス海峡という地政学的要地をイスラム教徒から奪還するための新たなシオニズム的運動の推進者になるのかもしれない。それは忌まわしい侵略者であるトルコ人の追放として、ほぼ全ての欧州民族に強く支持されることだろう。1960年代にドイツがトルコから大量の外国人労働者(その1/3がクルド人)を受け入れたことも、日本が従軍慰安婦の強制連行を捏造して謝罪し続けたことも、欧州によるトルコ弱体化作戦の一環だったのかもしれない。アジア大陸の東端と西端に位置する半島に居住する人口七千万人の周辺から孤立した民族という点で、トルコと南北朝鮮は非常に似通っている。 ブッシュ政権による北朝鮮・イラク・イラン三カ国の「悪の枢軸」との認定は北朝鮮とイランに関する限りは冷戦と同様の茶番劇であり、実際には友好関係にあると想像される。そして、この「悪の枢軸」認定は、国際金融資本の世界支配後の多極化世界で極となる日本・中国・ロシア・欧州・イラン・アラブなどの利益のために米国が悪役を厭わず戦争を起こすことが目的であると思われる。冷戦の真の目的が日独両国の封じ込めであったのと同様、米国の「テロ戦争」の真の標的は韓国・イスラエル・トルコだろう。この三カ国が弱体化すること、あるいは滅亡することは全ての周辺国が望んでいることである。その望みを米国が軍事力を用いて実現することの引き替えに、日本・中国・ロシア・EU・アラブ産油国・イランなどが米国の経済的苦境を助ける(具体的には、ドル暴落時の金融支援)という密約が存在するのではないかと想像する。 . . . 本文を読む
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