国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

ニクソン政権と現ブッシュ政権、ベトナム戦争とイラク戦争の類似性

2007年09月18日 | 米国
宮崎正弘氏が、田中首相が米国の資源戦略の勘気に触れて失脚などという「台本」は後智慧の産物であったと述べている。田中角栄が失脚したのは文芸春秋の報道による「田中金脈事件」であり、辞任後のロッキード事件により彼は闇将軍として生きるしかなくなった。では、田中角栄の真の失脚理由は何だろうか? 私がここで連想するのは、同時期にウォーターゲート事件で失脚したニクソン大統領である。そして、ニクソンと田中は共産中国を親西側陣営に引き戻すという一大事業を成し遂げた指導者である。私は、ニクソンと田中は共に反国際金融資本陣営に属し、共同作業で共産中国を親国際金融資本陣営から反対陣営に寝返らせたあと、わざと失脚したのではないかと想像している。また、「ニクソンが日本の頭越しに米中国境回復を実行したことは日本外交最大の敗北」という一般的な分析も捏造ではないかと想像している。それは、二人の指導者の業績の偉大さを隠蔽して日米両国を勝利に浮かれさせない目的か、あるいはケネディのように暗殺されることを恐れたのかもしれない。 毛沢東政権下で共産中国では人口が激増した。貧困に苦しむ膨大な人口を有する中国は隣接する日本やソ連にとって脅威そのものであり、国際金融資本はこの中国の脅威を使って日本やソ連を脅し乗っ取って米国の次の寄生先にする計画であったのではないかと私は妄想している。しかし、貧困と内政混乱に苦しむ中国では毛沢東の政権基盤は危うくなり、彼は権力闘争での敗北を恐れた為に国際金融資本を裏切って田中角栄・ニクソンと結んだのだと想像する。間もなく毛沢東が死去すると中国では一人っ子政策が導入されるとともに日本からの資金・技術導入が進んでいる。これは、「貧困に苦しむ膨大な人口を有する共産中国」という脅威が減少したことを意味し、日本及びソ連の安全保障上画期的な大勝利であったと考えられる。 ニクソンはケネディ暗殺の後、ケネディの遺志を継いでベトナム戦争を激戦化させ、敗戦をもたらした人物である。ニクソン政権の参謀であったキッシンジャーやラムズフェルドが現ブッシュ政権で活躍していること、ニクソン・フォードの跡を継いだカーター政権の参謀であったブレジンスキーが次期大統領候補であるオバマの外交参謀に就任したことも当時と類似している。私は、現在のイラク戦争はベトナム戦争の再現ではないかと想像する。 . . . 本文を読む
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