国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

北朝鮮はなぜイスラエルを滅亡させようとするのか?

2007年09月27日 | 韓国・北朝鮮
北朝鮮はイスラエルと対立するシリアやイランに対して、ミサイル兵器や核兵器を譲渡することでイスラエルを滅亡させようとしている、と私は想像している。しかし、アジア大陸の東の果ての小国北朝鮮がなぜ、アジア大陸の西の果てのパレスチナ紛争にそれほどまで真剣に関与するのだろう? <イスラエル側要因:最後の新大陸国家、イスラエル> 米国は先住民の住む土地を奪い先住民を虐殺することによって成立した国家である。それを正当化するために、アメリカ大陸は神が米国民に与えたものだという「マニフェスト・デスティニー (明白な運命)」という理屈が作り出された。同様に、イスラエルもまた先住民の住む土地を奪い先住民を虐殺することによって成立した国家である。それを正当化するために「シオニズム」という理屈が作り出された。米国の建国理念・イスラエルの建国理念には共に、先住民に対する配慮が完全に欠如している。 <日本赤軍側要因:大東亜戦争の理念の延長線上にあるパレスチナ紛争> イスラエルが米国建国理念の延長線上にあるという認識に立つならば、パレスチナ紛争は米国の侵略に対するアジアの抵抗活動という観点で「世界を植民地化する米英を打倒する」という大東亜戦争の理念の延長線上にある。日本赤軍は大日本帝国の降伏後も大東亜戦争をパレスチナという戦場で戦い続けているのだ。これこそ、江田島孔明氏の言う「満州の残滓」であろう。そして、北朝鮮もまた日本赤軍と同様の「満州の残滓」であるからこそ、日本赤軍のメンバーを自国に保護し続けてきたのだと考えられる。 <北朝鮮側要因:屈辱の歴史を払拭して日中露に胸を張れる大英雄を必要とする朝鮮民族> 朝鮮民族はその屈辱的歴史に苦しみ、偉大な歴史と偉大な英雄を必要としている。北朝鮮のシリア・イランに対する軍事支援がイスラエルを滅亡させるならば、金正日はイスラム世界を中心に全世界から英雄と賞賛されるだろう。私は、金正日(父である金日成も含む)はそのような考えで日本赤軍を保護し、ミサイル開発や核開発を実行してきたのだと想像する。そして、日本の支配階層も大東亜戦争の継続という観点から北朝鮮を支援し、英雄を必要とする朝鮮民族の願いを聞き入れて、イスラエルにとどめを刺すという大役を金正日に任せたのではないかと考える。 . . . 本文を読む
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