国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

「北朝鮮、核実験やって良かった」との山崎拓自民党前副総裁の失言は、日朝間のラッパロ条約を意味する?

2007年09月19日 | 韓国・北朝鮮
自民党前副総裁で北朝鮮や韓国にたびたび渡航している山崎拓氏が、9月18日の講演で「北朝鮮に核実験をやらせて良かった」と問題発言を行っている。「10月に(北朝鮮は)核実験をやった。あれはやらせて良かった。(北朝鮮が)核兵器を持っているのか持っていないのか、憶測が乱れ飛んだ。それがはっきりした。そういう意味で良かった」というのがその発言内容である。しかし、政治家の発言の多くが深い意味合いを持つことを考えると、この問題発言には裏の意図が隠されている様に思われる。 今年2月16日の金正日の誕生日に、ブログ「ネットゲリラ」と「軍事評論家=佐藤守のブログ日記」で、北朝鮮の建国は旧日本陸軍の残留諜者と深い関係があることを明言する記述があった。江田島孔明氏も「世界史に見られるランドパワーとシーパワーの戦略」VOL148とVOL171で同様のコメントを残している。 では、山崎拓氏の発言の真意は何だろう?私は、日本と北朝鮮はラッパロ条約の関係にあったのではないかと想像する。 ラッパロ条約とは、第一次大戦後のヴェルサイユ体制から除外されていたドイツとソ連の秘密交渉の結果成立した条約である。これより、両国は軍事面で連携を深め、ソ連は赤軍の訓練をドイツで行い、ドイツは航空訓練(ヴェルサイユ条約で一切の空軍を持つことをドイツは禁止されている)や、毒ガス実験の場をソ連から提供された。これは後日のドイツの再軍備をスムーズにする点で非常に大きな効果があったと想像される。 同様に、日本は第二次大戦後の連合国体制で敵国条項の対象となり、北朝鮮は国連加盟さえ認められなかった。この疎外された両国が軍事面で結び付き、日本が技術面で北朝鮮の軍需産業に協力し、北朝鮮は日本に弾道ミサイルや核兵器の開発の場を提供するという「ラッパロ条約」が結ばれたのではないか、というのが私の想像である。つまり、北朝鮮が核実験で爆発させた核爆弾は日本の技術を用い、日本製部品や日本製工作機械を利用して製造されたのではないかということである。核爆発がTNT(軍用高性能火薬)で400~500トン規模の爆発と推定され、最近アメリカが研究している1キロトン(1000トン)クラスの小型核弾頭の更に半分の規模しかないことも、日本の技術が使われていると想像するならば、米国を上回る世界最高水準の核爆弾であることが想像される。 . . . 本文を読む
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2012年APEC首脳会議開催地に決定し大規模開発が予定されるウラジオストク

2007年09月19日 | ロシア・北方領土
9月5日~9日にかけてシドニーで開かれたAPECの閣僚・首脳会議で、2012年のAPEC首脳会議がウラジオストクで開催されることが決定した。そして、ロシア政府は2兆5400億円を投じる「極東・バイカル湖東方開発計画」をこのほど確定している。これは旧ソ連時代は軍事閉鎖都市だったウラジオストクを「極東の首都」(ラブロフ外相)に変ぼうさせ、「欧州の窓」としてサンクトペテルブルクを建設したピョートル大帝のように「アジアの窓」を築こうとするものだ。 恐らく近い将来に、ロシア極東地方の行政の中心は現在のハバロフスクからウラジオストクに移されることになるだろう。ロシア極東の南の果てという地理的条件は行政の中心として決して有利ではない。ブラゴベッシェンスク、ウラジオストク、コムソモーリスク・ナ・アムーレから夜行列車で一晩で到着できるハバロフスクの方が有利であることは間違いない。しかし、地理的不便さを承知でウラジオストクを開発するという政府の強い意志は、不凍港ウラジオストクを大都市にすることで西太平洋でのロシアのプレゼンスを高めたいという意図を感じさせる。ハバロフスクよりも中露国境から遠いことも要因の一つかもしれない。 更に注目すべきなのは、地球温暖化の影響で近い将来に北極海航路を通常船舶が可航になる可能性があることである。その場合、サンクトペテルブルグからバルト海・北極海・ベーリング海・太平洋・日本海を経てウラジオストクに至るロシアの沿岸航路はアジアとヨーロッパを結ぶ海の大動脈になる可能性がある。ただ、問題になるのは秋から春にかけて猛烈な低気圧が滞留することの多いベーリング海やオホーツク海である。ペトロパブロフスク・カムチャッキー港や千島列島の小港湾、根室・釧路・苫小牧・函館などの港が悪天候時の避難先として重要性を高めることになるだろう。 . . . 本文を読む
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