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今年7月20日、横浜にOPENした原鉄道模型博物館。
コクヨの社員だった
今年91歳になる原の個人のコレクションからなる博物館だ。
見ものは架線から本当に電源をとって走る1番ゲージのジオラマだ。
一緒に行く友人がインターネットで優先券を買っておいてくれたので、並んでいる人を横目にスルリと入場。
この優先券は午後13時以降に適応される優先入場券なのだ。
午後15時の待ち合わせということもあり、若干は混んでいるが、見えないと言うことはなく、ゆったりと観ることができた。
博物館のロゴにもなってくるこの車両は原少年が初めて作った模型らしいのだが、小学生が作ったとは思えない緻密さだ。
また、物資の無い時代にも茶筒などを利用したりと創意工夫されているが、1つわかった点は、大金持ちの息子さんだったということだ。
小学生の頃、ツケでオモチャを買ったり、当時の総理大臣の給料と同じくらいの舶来のオモチャをお祖母様の許しを得て買うくらいだっ。
ここがポイントで、オモチャをツケで買ったり、父母ではなくお祖母様の許しをこうあたりがなんともお坊ちゃまがにじみ出ている。
中学生になると、またもやお祖母様の許しを得て、当時の銀行員の給料分くらいの鉄道の旅に出たり。どんだけ金持ちだったんだろうか?
戦時中も、入隊前に
大陸に鉄道旅行に出かけている。しかも入隊1年もしないで病気という理由で除隊している。怪しい。
その後、コクヨに入社するのだが、なんで国鉄に入社しなかったのかが不思議?????
1/1モデルを扱えたらそれこそ喜びだったのではと思うが、天才が考えることは凡人にはわからないのだろう…
中学生くらいからだろうか原少年は『一番切符』
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面白いのが、慶應を風邪だと言って休んで並び、見事一番切符をgetしたのだが、それが新聞で紹介されてしまい、学校から怒られたとか言うエピソードもある。
まあ、学生時代は怒られるくらいで済むが、社会人になってからもそれは続けられ、家人総動員で上り下りの一番切符を入手している始末だっ
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それにしても、一週間も会社を休んで大丈夫だったんだろうか…今なら完全にクビである
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ある時、原氏が海外出張で一番切符を断念せざるを得なかった時、夫人が内緒で数日並んで、一番切符をGETし、出張から帰ってきた原氏に『お土産』と言って渡したという微笑ましいエピソードもある。
う~ん、私も並んじゃうかなぁ
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つまり、家族の理解あっての鉄の道なのである。
後に家族で憧れのオリエント急行で旅をするのだが、家族への原氏なりの感謝の気持ちなのだろう。
ちなみに息子さんは小さな頃はヨーロッパの時刻表トーマスクックを完璧に使いこなせるよう英才教育を受けたらしい。
そんな原氏、単に鉄道で遊び呆けていたわけではない。
コクヨで次々と開発を行い貢献し、最終的には子会社の社長まで上りつめているからあっぱれだっ。 凄い数の緻密な鉄道模型を作成し、数々の一番切符を手中に納め、世界を鉄道で旅し、仕事では素晴らしい開発を行い社長になり、一体、いつ寝ていたというか、本当に一人でやってのけた所業なのか〓
まさに、神業である。
さて、肝心の一番ゲージのジオラマだが、ずっと一番ゲージの車両を観ながら、ジオラマの展示になるので、HOゲージと変わらない?とか錯覚を起こすが、後で1階のミュージアムショップでそれぞれの大きさを比べてみると、Nゲージの小さいこと、小さいこと
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やっぱりHOゲージぐらいないとと思ってしまう。
それくらい一番ゲージは大きいのだ。
もちろん、原氏がこだわった通り線路も真鍮ではなく鉄なので、耳をすませばカタンカタンという、本物さながらの走行音が聞こえてくるから凄い。しかも電源はパンタグラフからとっている。車内も忠実に内装が再現されている。
ただ少し残念なのは、ヨーロッパの車両が主なことだ。
だからあまり見たことの無い車両ばかりなので、初心者の私には現実みに欠けるところもある。
嬉しいのはジオラマ展示室では無料で簡易オペラグラスを貸してくれる。
鉄博やリニア館のジオラマとは一味違う迫力ある一番ゲージを是非お楽しみいただきたい。
私の老後の大きさ達者鉄道喫茶の良い参考になった。
鑑賞時間はだいたい2時間30分~3時間あれば充分なスペース。子供よりは大人のための博物館といえよう。
まあ、一度見れば充分だが、展示内容が変わったらまた見に行ってみたいし、原氏の講演があれば聞いてみたい。
ちなみに原氏の芦屋のご自宅にも巨大なジオラマ室と工作場があるらしい。
ぜひ、原氏の案内で見てみたいなぁ~
私個人のおすすめとしては、一番ゲージはもちろんだが、家族とのエピソードが描かれた年表が面白かった。