◎憑依と脱身
日本では、古事記以来帰神の伝統があるので、神下ろしすなわちシャーマニズムが津々浦々にある。神下ろしに好適な状態は、上実下虚。本山博によれば、上実下虚は、気が胸、背部、頭部に上がった状態で(上実)、特にスワジスターナ(丹田)とムラダーラ(会陰)で気が足りなくなった状態を言う。
この状態は、非常に不安定な状態であって、変な霊がとりつきやすい状態である。こうなると呼吸は速く、浅く、心拍も速く、意識はぼーっとしていて、神仏の信仰心がないか薄い場合は、アストラルの変な霊がとりつきやすいという。
これに対して、ムラダーラ、スワジスターナが気が充実し活性化され、胸部、頭部が羽毛のように軽く、明るく、呼吸がないようになるのが、これが、下実上平。
(以上参照:神秘体験の種々相1/本山博P172-179)
下実上平は、定(有想定、無想定)の状態で、自分がまだ残っている状態。この場合は、上実下虚はダメで、下実上平はよしというように書いているが、
脱身直前は、あらゆるエネルギーが頭部に集まることは知られている。ババジの絵で、両目が上方を向いているのを見たことがあるだろう。つまり、脱身直前は、上実下虚になるのだ。
だから一概に、上実下虚はダメで、下実上平がよいとは言えない。