大和五年 西暦831年
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正月庚申,幽州盧龍軍亂,逐節度使李載義,楊志誠が自立。
親唐朝派の載義が逐われ、野卑な軍人志誠が自立。乱の原因はよくわからない。載義は功績が評価され京師で宰相格で山西節度使に起用された。
三月庚子,宰相宋申錫が解任。癸卯,降封漳王湊為巢縣公。
文宗は申錫と共謀して宦官達を殺害する[実情としては、専権が目に余る王守澄とその徒党対象であっただろうが]計画をねっていた。
ところが計画がばれ、守澄は先手を打ち、「申錫が文宗を廃して漳王を擁立しようとしている」と密告させた。漳王は弟にあたる。
小心な文宗は陰謀がばれたことに狼狽し、申錫を犠牲にして事をごまかそうとした。守澄等は申錫を誅殺し大規模な捜査を行うつもりであったが、漳王を申錫が擁立することなどありえないずさんな筋書きの誣告であったため、諌官をはじめ官僚達や身内の宦官からも厳しい批判を受けたため、申錫を配流する程度で事態を収拾した。
九月、吐蕃維州副使悉怛謀請降,盡帥其衆奔成都。
西川に赴任した李徳裕は鋭意軍備の整備に努めていた。ところが停戦中であった吐蕃から要衝維州を守る悉怛謀が内応し城を引き渡した。徳裕は喜び上奏したが、宰相牛僧孺は対吐蕃の停戦が崩れるのを懼れ、徳裕の反対を押し切り悉怛謀を送還することを命じた。送還後悉怛謀達は虐殺され、以降帰順するものはいなくなった。德裕は僧孺を激しく憎んだ。
積極行動派の李派と、安寧維持派の牛派の路線の争いから、派閥単位の人的憎悪に移行していった。
大和六年 西暦832年
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三月辛丑,邠寧節度使李聽為武寧節度使。
聽は以前に武寧節度であった時、部下を牙將に任用していた。再度の赴任に際して旧部下は聽が来ることを望まず、牙軍仲間と乱を計画し、前乗りの聽の近臣を殺害した。聽は懼れて赴任を辞退した。このように武寧の牙軍は好みで帥を選ぶようになっていった。
十月甲子,魯王永為太子。
敬宗の長子晉王普が太子格であったが、大和二年に薨した。そこで自分の子の永を太子とした。
十二月乙丑,宰相牛僧孺、出淮南節度使。
李德裕と親しかった宦官西川監軍王踐言が知樞密として入朝してきた。彼は悉怛謀を吐蕃に引き渡した事を大失策と弾劾し、文宗もそれに傾いた。德裕も入朝し、残る牛派の宰相李宗閔は憂慮していた。
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正月庚申,幽州盧龍軍亂,逐節度使李載義,楊志誠が自立。
親唐朝派の載義が逐われ、野卑な軍人志誠が自立。乱の原因はよくわからない。載義は功績が評価され京師で宰相格で山西節度使に起用された。
三月庚子,宰相宋申錫が解任。癸卯,降封漳王湊為巢縣公。
文宗は申錫と共謀して宦官達を殺害する[実情としては、専権が目に余る王守澄とその徒党対象であっただろうが]計画をねっていた。
ところが計画がばれ、守澄は先手を打ち、「申錫が文宗を廃して漳王を擁立しようとしている」と密告させた。漳王は弟にあたる。
小心な文宗は陰謀がばれたことに狼狽し、申錫を犠牲にして事をごまかそうとした。守澄等は申錫を誅殺し大規模な捜査を行うつもりであったが、漳王を申錫が擁立することなどありえないずさんな筋書きの誣告であったため、諌官をはじめ官僚達や身内の宦官からも厳しい批判を受けたため、申錫を配流する程度で事態を収拾した。
九月、吐蕃維州副使悉怛謀請降,盡帥其衆奔成都。
西川に赴任した李徳裕は鋭意軍備の整備に努めていた。ところが停戦中であった吐蕃から要衝維州を守る悉怛謀が内応し城を引き渡した。徳裕は喜び上奏したが、宰相牛僧孺は対吐蕃の停戦が崩れるのを懼れ、徳裕の反対を押し切り悉怛謀を送還することを命じた。送還後悉怛謀達は虐殺され、以降帰順するものはいなくなった。德裕は僧孺を激しく憎んだ。
積極行動派の李派と、安寧維持派の牛派の路線の争いから、派閥単位の人的憎悪に移行していった。
大和六年 西暦832年
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三月辛丑,邠寧節度使李聽為武寧節度使。
聽は以前に武寧節度であった時、部下を牙將に任用していた。再度の赴任に際して旧部下は聽が来ることを望まず、牙軍仲間と乱を計画し、前乗りの聽の近臣を殺害した。聽は懼れて赴任を辞退した。このように武寧の牙軍は好みで帥を選ぶようになっていった。
十月甲子,魯王永為太子。
敬宗の長子晉王普が太子格であったが、大和二年に薨した。そこで自分の子の永を太子とした。
十二月乙丑,宰相牛僧孺、出淮南節度使。
李德裕と親しかった宦官西川監軍王踐言が知樞密として入朝してきた。彼は悉怛謀を吐蕃に引き渡した事を大失策と弾劾し、文宗もそれに傾いた。德裕も入朝し、残る牛派の宰相李宗閔は憂慮していた。
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