にやける
2014-02-25 | 雑学
今日は文化庁の「国語に関する世論調査」についてご紹介します。
平成23年度に行われたこの調査の中で、「にやける」の言葉の意味についてどちらだと思うか、との質問がありました。
①なよなよとしている
②薄笑いを浮かべている
読者のみなさんはこの意味についてどちらが正解だと思いますか?
調査結果は、本来の意味の【なよなよとしている】と答えた人は15.7%、「薄笑いを浮かべる」という本来の意味ではない答えを選んだ人は76.5%だったそうです。
そこで「にやける」を広辞苑で調べたところ、「(ニヤケの動詞化)男などがめめしく色めいた様子をする」と説明しています。
「にやける」は、漢字では「若気(にやけ)る」と書き、「若気(にやけ)」を動詞化した言葉で、元々「若い、弱々しい」という意味なのです。
「若気(にやけ)」とは、鎌倉・室町時代に男色を売る若衆を呼んだ言葉で、「男色を売る」という意味から「尻(特に肛門)」も意味するようになった語だそうです。
「若気(にやけ)」を古くは「にゃけ」と発音し、「にやける」は明治頃まで「にゃける」と言ったようです。
明治時代以降、「にやける(にゃける)」は「ニヤニヤする」という意味でも使われ始めていることから、声を出さずに薄笑いを浮かべる様子を表した「にやにや」や「にやつく」などとの類推から、「にゃける」が「にやける」になったと思われているそうです。