蟷螂の斧
今月3日、北朝鮮が6回目の核実験を行いました。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験だそうで、爆発の威力は過去最大規模のようです。
小野寺五典防衛相は核実験の推定出力について「70キロトンになると考えられる」と述べ、これは1945年に広島に投下された原爆15キロトンの4倍超の威力になると言うことです。
近年、ますます北の脅威が増している現状から、当ブログでは北に関係するような内容の記事が増えていて恐縮しています。
今日も又、そのような記事になることをお許しください。
「蟷螂の斧(とうろうのおの)」と言う言葉があります。
意味は、力もないのに、自分の実力もかえりみずに強い者に立ち向かうことのたとえです。
正に現在の北朝鮮にピッタリの言葉のような気がします。
「蟷螂」とはカマキリのことで、相手がどんなに強くてもカマキリが斧をかざすように前足を振り上げて、人間に手向かってきますが、いくら勇ましく闘っても勝てるはずはありません。
この言葉の出典は中国の「漢詩外伝(かんしげでん)」で、その故事は次のように伝えられています。
斉の荘公が狩りにでたとき、一匹の虫が前足を振りかざして、あわや車輪の下に踏みつぶされそうになりながら荘公の車に襲いかかろうとしました。
荘公が「これは何という虫だ」と尋ねたところ、
「カマキリという虫でございます。この虫は進むことしか知らず、退くことを知りません。自分の力量を考えないで敵を軽んじます。」
と答えました。
これを聞いて荘公は、「この虫が人間なら天下の勇士じゃのう」と言って、わざわざ車を戻させ、カマキリを避けたと言います。
この故事より、自分の力量をもわきまえずに大敵に当たること。弱い者が身の程も考えず無鉄砲な勇気をふるって強い者に立ち向かうことを「蟷螂の斧」と言うようになりました。
蟷螂の北朝鮮、故事のようにアメリカが車を戻してくれればいいですが、戻さなければ踏みつぶされてしまうのが分からないのでしょうか?
なお、「蟷螂力を合わせて車を覆す」という対の句もありますが、北朝鮮はこの対の句を狙っているのでしょうか?
もしそうだとしても、果たして北朝鮮に力を合わせる蟷螂が現れるでしょうか?
いい加減に無謀な事は止めて、国際社会と協調を図ってもらいたいものです。