NHkでは9月2日から毎週土曜日に山本耕史さん主演で『植木等とのぼせもん』のドラマを放送しています。
植木等と言えば、昭和30年代半ばの高度経済成長期に出てきて、一世を風靡したコメディアンで、クレイジーキャッツのメンバーとともにたちまち茶の間の人気者になり、数々の主演映画やヒット曲も出しました。
そして、彼の代名詞となったのが『日本一の無責任男」とか「日本一のゴマスリ男」などという呼び方です。
しかし、今ドラマを観ていると「無責任男」どころか、至って真面目な一面があって、涙する場面も多々出てきます。
明日の土曜日は8回シリーズの3回目となります。
このドラマは、私が毎週楽しみにしている番組の一つでもあります。
今日は「ゴマスリ男」について調べました。
先ず、植木等の映画「日本一のゴマスリ男」のテーマ曲をお聴きください。
植木等が日本一のゴマスリ男なら、この人は中国一、いや、世界一のゴマスリ男かも知れません。
その人の名は李林甫(りりんぽ)と言う人です。
この李と言う人は唐の玄宗皇帝にゴマをすり宰相にもなった人なのだそうです。
調べてみると、故事は次のように伝えています。
唐の玄宗皇帝にゴマをすり宰相にもなった李林甫は、他の有能な宰相や官吏たちを、政治に飽きて諫めごとを嫌う玄宗皇帝に薦め退けさせました。
また、その間、玄宗の寵姫(ちょうき)の武恵姫(ぶけいひ)や宦官(かんがん)の高力士(こうりきし)にとりいって、玄宗の気に入るように勤め、その権勢を得るためには手段を選ばなかったそうです。
独裁的権力を握った後も、反対勢力の弾圧につとめ、多くの官吏が犠牲になったそうです。
当時、彼が反対勢力の台頭を恐れ、節度使(せつどし:地方の軍政・行政を司る地方長官)に異民族を用いる政策をとったことが、異民族出身である安禄山(あんろくざん)や史思明(ししめい)によって指導された反乱を引き起こすきっかけにもなりました。
このようなことから、当時、世の人たちは、口では優しく上手い事を言いながら、内心は陰険な人である李林甫のことを評して「口に蜜あり、腹に剣あり」と言ったそうです。
日本一のゴマスリ男は人情に厚いですが、中国のゴマスリ人間は腹黒いようです。
このことは、昔も現在も変わっていないようですね。