昔、低俗番組と批評されていた某TV番組の中で、あるコメディアンが ”♪ カラス何故鳴くの カラスの勝手でしょう~” と歌っていました。
「勝手」の意味は「都合」「便利」「都合のよいこと」とか「自分だけに都合のよいように行うこと」、或いは「わがまま」等の意味で使用されることが多い言葉なので、カラスが鳴くこの歌は理に適っているようです。
でも、この言葉に「口」がついて「勝手口」となると、台所の出入り口の意味になりますが、これは何故なのでしょうか?
今日は「勝手口」の言葉の由来について調べました。
マンションには「勝手口」はありませんが、戸立ちの家には必ずと言っていいほど台所に「勝手口」が設けられています。
ないと不便ですよね。
台所の勝手口です(ネットより)
何故、台所に勝手口があるのでしょうか?
一説には、室町時代ごろ、台所のことを「勝手」と呼び、また、茶室で茶の湯をしまっておくところを「勝手」ということから、家の者が人目につかずに出入りする口を「勝手口」と呼ぶようになったと言うことです。
そして台所のことを勝手というのは、「かて(糧)」の古い形「かりて」が転じたものとする説が有力で、食糧の意が転じて台所や生計の意を表すようになった と言うことです。
他にも、弓道に由来するという説もあります。
弓道では、弓を持つ左手を「押手(おして)」、弦を引く右手を「勝手」と呼びます。
そして、右手の方が都合よく動かせることから、この勝手が、「都合が良い」「気まま」といった意味で使われたようです。
そして、内情を良く知っていて都合が良いということから、「暮らし向き」「様子」を指す言葉となり、生計の意味から「台所」に転じたといいます。
勝手口の言葉の由来は諸説あるようですが、カラスに言わせれば、どのような説であれ” 勝手につけたのでしょう~” なのかも知れません。