らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

歳寒三友

2019-07-12 | 雑学

四字熟語に「歳寒三友」があります。
読み方は「さいかんのさんゆう」です。
これは中国で宋代より始まった文人画に好まれる画題のひとつでした。
歳寒三友は、日本で「松竹梅(ショウチクバイ)」と呼ばれる「松」「竹」「梅」の三つをさしています。
今日は「歳寒三友(松竹梅)」の由来を調べました。

日本では「松竹梅」は、おめでたいものの象徴として知られていますが、何故なのでしょうか?
その由来は次のように言われています。

中国では「三」という数字はめでたい数とされ、 縁起を担いで三つの植物の組み合わせが好まれました。
特に寒さの厳しい冬でも美しい葉や花で豊かな生命力を思わせてくれる 三つの植物のセットが「歳寒三友」と呼ばれて尊ばれたのです。

中国では宋代あたりから歳寒三友図なる画題が現れ、 冬を代表する植物であるマツ、タケ、ウメ、スイセンのうち いずれかの三つがセットで描かれました。
中でもウメは必ずといっていいほど描かれて、 中国における歳寒三友の要となっています。
この習慣が日本に伝わりましたが、日本ではそのまま定着したわけではありません。



マツやタケはもともと日本に自生していて 古来その生命力のたくましさが崇敬の念を集めてきました。
マツとタケは縁起物としてセットで扱われることが多く、 平安末期にはマツとタケを組み合わせた門松が 新年の門前を飾っていたと考えられています。
マツはその常緑性が長寿を象徴し、 タケはその生長力の旺盛さが繁栄を意味したのです。  
その後、マツは能の舞台に欠かせない高尚な木となり、 タケはかぐや姫をその茎に宿したロマンチックな存在にもなりました。

前述のとおり、中国で歳寒三友の要となって欠かすことのできなかった梅の木は、日本では8世紀後半の『万葉集』に登場することから、 奈良時代後期に日本に渡来したようです。   
当初、貴重だった渡来植物のウメは貴族にとって憧れの大陸文化の象徴でしたが、 自生の種であるマツやタケとは すぐには結び付きませんでした。
それでも春一番に美しく香しい花を咲かせることから 次第に冬の風物詩として定着していきました。

日本においてマツとタケとウメの 三つの植物が共に親しまれ始めたのは意外と遅く、江戸時代初期だそうです。
僧侶の如月が記した 『中華若木詩抄』という本に 「竹は松竹梅の三友にて、梅松と盟を結ぶ者也」 とあって、中国の歳寒三友を日本風に 解釈しなおしたものだったようです。
  
以後、長寿のマツと繁栄のタケという 渋い存在の植物に美しさを添える 大陸文化の風雅を象徴するウメが加わり、 ここに日本の歳寒三友、「松竹梅」が完成しました。  
長寿、繁栄、風雅と三拍子そろった「松竹梅」は、このようにして最強の縁起物となったようです。