先日、京都では日本三大祭りの一つ、八坂神社の祇園祭(7月17日~24日)が行われ、豪華絢爛な山鉾の巡行がニュースで紹介されていました。
一方、大阪でも7月25日には、これまた日本三大祭りの一つ大阪天満宮の天神祭が盛大に繰り広げられ、若い女性達が神輿を担ぐ"ギャル神輿”で大いに盛り上がっていました。
他にも秋田の竿灯祭りや青森のねぶた祭りなど、全国的に有名なお祭りが来月に控えており、更に全国各地でも伝統的な夏祭りが催されている事と思います。
日本の伝統文化であるお祭りには、これらの夏祭り以外にも春のお祭り、秋のお祭りなどがあります。
大まかには、春のお祭りは豊作を祈るための祈願祭であり、秋のお祭りは収穫への感謝祭で、これら農業に関わるお祭りは古くから行われています。
夏祭りはその後に生まれたお祭りだそうですが、では、夏祭りは何が目的で生まれたのでしょうか?
・天神祭のギャルみこしです(ネットより)
調べてみると、夏祭りには二つのタイプがあるそうです。
一つは、疫病を鎮めるための祈願祭がルーツのお祭りです。
平安時代以降、京都などの都市に人口が集中し始めると、衛生面の問題が生じてきました。
現在のように上下水道が整備されていない時代だったことから伝染病が頻繁に流行したようです。
とりわけ温度、湿度とも高くなる梅雨明け前後はその危険が最も高くなる季節でした。
当時の人々は伝染病についての知識がなかったので、疫病は悪霊によって引き起こされると考えていました。
そこで、悪霊を祓う祭りが行われるようになったということです。
もう一つは、「虫送り」をルーツとするものです。
これは田や畑につく害虫を追い払うための儀礼です。
夏は害虫が最も作物を荒らす季節なので、農民たちは害虫退治の行事を思いついたようです。
最初は村人たちが山椒やザクロ等の枝葉を焼き、鐘を鳴らしながら畦道を歩いて川岸や村のはずれまで害虫を追い払おうとしましたが、それがいつしか季節の風物詩となったと言われています。
青森のねぶた祭りや秋田の竿灯祭りはこの虫送りから生まれたそうです。
ねぶたに勇ましい絵が描かれるのは、その姿を害虫に見せ、怖気(おじけ)づかせようとしたと言う説もあるそうです。
しかし、起源的には盂蘭盆会(盆)・七夕、そして、それに絡んだその周辺的な行事であるものが多く、そこから近代化によって変質したものも多いということです。
このようなことから、夏祭りは一般的に厳粛な行事ではなく華やかな行事とされる傾向が強く、更に、他地域の伝統的な夏祭りを模倣したものも多くみられると言うことです。
いずれにしても梅雨が明け、いよいよ華やかな夏祭りの季節が到来しました。
昼は豪華に装飾された山車や御神輿を堪能し、夜はねぶたや竿灯、花火の大競演等に酔い痴(し)れて、夏のお祭りを大いに楽しんで頂きたいと思います。