名古屋するめクラブ

~名古屋発くうみるあそぶ~

<映画> トリノ 24時からの恋人たち 「Dopo Mezzanotte」

2007年06月11日 00時12分12秒 | 観る(映画・TV)

おもしろい!

フェリーニ、トリュフォーやゴダールの作品知識がないと楽しめない
って聞いてたけど、知識なくても十分おもしろかったです。
さりげない心象描写、さりげないユーモア、もろ好み。

2人の男と1人の女の三角関係に、監督の「映画論」が
ちりばめられた、もう一つの「ニューシネマパラダイス」って感じ。

その主人公の3人は、

マルティーノ(寡黙な映画オタクでトリノ映画博物館の夜警、
ハンバーガー嫌いで太極拳とりんごが好き)、


アマンダ(博物館近くのハンバーガーショップ店員)、


アンジェロ(アマンダの恋人で車泥棒)。


3人の恋愛ドタバタ劇から繰り広げられる、映画論付き究極のラブコメディ。
(但し、タイトルのようなロマンチック性はないので甘~いものを期待しないように)

博物館の屋根の掃除夫が、友マルティーノに映画持論をぶつけます。

「オレは映画が嫌いなんだ。映画が見せる現実は自分が考える現実の
本当の姿とは違うんだ。赤裸々な現実じゃないんだよ。」

ところどころ流れるナレーションは、一々もっともで押し付けがましくない。

「感情の数学。永遠に足し引きを続けてゆき、総数は変わらぬまま、
常に新しい組み合わせを生み出す。映画も唯一の物語を語る。
それでも人々は驚きを期待し続ける。」

と、掃除夫への反論的映画論でクライマックスへ。

結末では、アンジェロが街の暴漢に撃たれ命を落とします。
限りなくさりげない感じで。

タバコを手に最後の一服、アンジェロが人生に潔い決別をする
のは、いつか乗りたいと言っていたジャガーのショールーム前。
その瞬間、荷台に大きく「より安全な街を」と書かれた
街の宣伝トラックが目の前を通り過ぎる。

 「物語は灰のようなもの。ふわりと気ままな風に舞い浮かぶ。」 

トリノ、24時からの恋人たち
ハピネット・ピクチャーズ
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「トリノ 24時からの恋人たち」イタリア映画(92分)2004年
(原題:「Dopo Mezzanotte」(After midnight)
監督: ダヴィデ・フェラーリオ