きのうのブログ、わかりにくかったと思います。
すいません、正月ぼけしているようですね。で、若干補足します。
減築って、ようするに床面積を現状よりも減らすリフォームのことです。
高齢化社会を迎えて、夫婦ふたりだけの暮らし、っていうのが
一般的に多くなってきています。
実はそれに似合った間取り・使い勝手の住宅は案外少ないのです。
大きい家に少ない家族が暮らす、ということから、
掃除からして大変だし、エネルギー消費・光熱費などの面で不利になっているのです。
考えてみれば当たり前で、以前は子育て優先でとにかく個室の数が必要だったので
何LDKというものが、住宅の機能性をあらわす意味に使われたりしていましたよね。
間違っても、気積(立体的な大きさを表す)で何立米の家、なんていいません。
(ほんとうは性能的には、これが一番わかりやすいとは思うのですが)
一般表記自体が、個室の数を最優先した基準になっていた。
まぁ、それはそれで素晴らしいわかりやすさだったですけど
いまや、そういう概念で住宅を表すのが、意味を持たなくなってきています。
こうした流れというのは住宅リフォーム取材でよくわかります。
個室数優先だったので居間や台所といった
生活の基本部分の広さはその分、不足している。
こうした日常生活の豊かさに直結するスペースを拡大するタイプが
リフォームの間取り変更では一般的にたいへん多い形なんですね。
しかし35坪前後の床面積の住宅で4人家族想定という「平均的な」住宅では、
そうした改修を行ってもなお、床面積が広いというケースも多い。
極端に言えば、ほとんど2階は使わなくなったから、1階だけでいいわ、
というリフォーム需要というのもあるんです。
実際に秋田県で、こうしたリフォームを取材しました。
ここではいわゆる「減築」まではしませんでしたが、事実上、同じことをしました。
老夫婦だけの暮らしなので、断熱向上・住み心地の改善を1階だけ部分的に行って
2階はほとんど倉庫にしてしまったということなのです。
このケースでは2階建てが、使いやすい平屋に変更になったようなモノ。
間取り的には和室1部屋と、大きなリビングキッチンダイニング。
約22~3坪で1LDKの広さになったわけです。
こういう老夫婦にとって、使い勝手・間取りがほとんど変わらず
しかも暖かくリフォームされるっていうのは、すごく居心地がいい。
いくらいい家でも、使い勝手・間取りが変わるっていうのはストレスになるんですね。
高齢者住宅のモデルっぽいリフォームだなぁ、と思ったのでした。
こうした点から考えて、リフォームのときに「減築」するっていうのも
これから広がっていく動きなのかも知れません。
そういう意味合いから、朝日新聞の記事に注目したという次第だったのです。
わたしたちは戸建て住宅がメインなので、集合住宅は考えが及びませんでしたが
記事では、10階建てを7階建てにするみたいな、集合住宅の「減築」まで触れられていました。
そういう都市の再構築に近いことまで含めて、
どうもこれから、テーマが動き出すということなのでしょうか、ね。
<写真は仙台空港近くの海辺から蔵王方向をみたもの。
記事とはあんまり関係ありません>