三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

盛岡再生4 収納~あふれるモノ

2006年04月12日 06時06分51秒 | Weblog
写真は盛岡の家のリフォーム前の一部屋の様子。
モノがたくさん納められていたところと、引っ越し後の整理した状態の写真。
ここは個室として使っていた部屋なのですが、
うげー、っていうくらいのモノの山ですよね。
って、別にこのお宅だけのことではありません、
いまの日本の住宅はほぼみんな一緒の光景でしょう。
住宅は50~60年前に建てられていて変わらなかったけれど
暮らし方、とくにモノの総量だけが気絶するくらい増加した。
それが、わかりやすい「豊かさ」だったのでしょうかね。

ある設計者に、収納で困っている人へのアドバイスは?
と誌面で聞いたことがありまして
秀逸だった答えがありました。それは、
一度あなたの家にある、あふれかえっているモノを
全部捨ててしまってください、というもの。
すっきりと片付いた状態だったことを、そこで十分に堪能してください。
そしてできるだけその状態を維持するようにがんばってみましょう。
きっと思わぬ発見があるはずです。
どうですか、モノって本当にいりますか? よく考えてください。
そのうえで、どうしてもモノが必要だと感じたら、
既存にあったモノたちの中で、
絶対に必要だ、と思えるモノを
「ひとつだけ」入れて見てください。
それは、その場所に本当にふさわしいですか?
真剣に考えましょう、機能性はもちろん、その質感・デザイン
すべてにおいて、本当にあなたの暮らしを「豊かに」してくれるかどうか
じっくり検討してみてください。
本当に愛着をもてますか? 
そう思えたら初めて、そのモノの置き場所をじっくり考えましょう。
そうやって、あなたの暮らしと住環境を、一度再構築してみませんか?

というような考え方を勧めてくれていたのです。
日本人って、機能性とか、便利さ、っていうことへの欲求が
世界でも有数って言うくらい強い民族なのか、と思えます。
それがモノを作るという製造業の本質的な部分での強いメンタリティを
生んでいると思います。
でも、それが自分の家でも同じように発揮されると
結果としては、ほとんど混沌としたカオスのような、モノの宇宙になるんですね。

ってね、人ごとじゃありません。
どうすんだよ、わが家。っていうような状態に置かれているのが現実です。
いったいどうすればいいのか。
家は、一度建てたら、そうは、大きくならない。(笑)
コメント
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