三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

光の春・輻射熱

2008年02月07日 05時45分26秒 | 住宅性能・設備

札幌はいま、雪まつりが開かれています。
こういうネーミングは単純なほどよくて、ここまで続いてきているのは
わかりやすく北国らしさが明快、という要素が大きいと思う。
わたしは、広告の仕事キャリアが長いのですが
その仕事領域の中でも、コピーやキャッチフレーズが本職に近いのではないかと、
自己規定しています。
そんな思いで考えていると、だんだん、単純さに惹かれていく。
なるべく作為なく、明快なフレーズが民主的で良い。
そういう意味で、さっぽろ雪まつり、いいネーミングで、これしかないですよね。

というのは、前振りなんですけれど(笑)
この時期くらいになってくると、暑さ寒さも彼岸まで、じゃありませんが、
「春の日射し」という言葉が、思い出されるようになってくる。
まぁ、雪まつりに来られたみなさんからは、
こんな冬真っ盛りに、なにを言うんだ、って感じられるかも知れませんが
北国人には、徐々に日射しの強さが増してくる感じが募って参ります。
熱的に言えば、「太陽輻射」ということでしょうね。
熱というのはなかなかに難しいもので、
いわゆる「断熱」という場合、ひたすら問題にするのは
「伝導熱」なんですね。
外気と、室内の温度差、という概念は「伝導」の概念。
それとは別に、輻射熱というものがあり、
伝導的にはマイナスの気温であっても、日射しが「あたたかく感じられる」ということ。
こっちの方の熱が、北国でも強く感じられるようになる時期なのです。
写真でみれば、一面の雪景色なので寒そうなんですが、
黒っぽいダウンジャケットの背中には
なんとも言えない心地よさが感じられている。
こういう感じが、北の春を予感させる、
いわゆる「光の春」という表現になっていくのですね。
ちょうど、雪まつりが季語のようになっていて、
このお祭りが節目になって、光の春が日増しに強まっていくのですね。

でも、この輻射熱というのが、なかなか難しい。
住宅技術の世界でも、銀紙のようなもので、
板状断熱材を被って、この「輻射」の概念を利用しようという製品もあります。
NASAがどうこう、というのが決まり文句。
確かに、宇宙空間的には太陽輻射のあるなしで、
極端なプラスとマイナスに別れるものなのでしょうが、
地上では空気があるわけで、やはり基本は伝導で考えなければならない。
輻射という概念は、その上で考慮すべき概念、ということになるそうです。

北国の冬も確かに真っ盛りで、
冬本番ではあるのですが、しかし、確実に春は準備されています。
こういう写真のような光景では、真っ白な雪が
太陽光を反射して、目もくらんできます。
全国・世界各国からこられたみなさん、さっぽろをお楽しみください。
コメント
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