三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

床蓄熱の効果

2008年02月23日 06時58分30秒 | 住宅性能・設備

昨日紹介したQ1.0レベルの住宅の居間の窓辺、床には
ごらんのような「床蓄熱」が仕組まれています。
この家では暖房はヒートポンプが採用されています。
ヒートポンプは北海道のような寒冷地では、なかなか効率よくは熱回収ができない。
その厳しい条件下で、それに付加するように
太陽光日射熱をこのように取得して利用しようという考えで試みられているのです。
北海道電力管内では、電力メニューが多様化しており、
このように実験的にヒートポンプを使う場合でもメリットがあるのですが、
やはり、基本となる住宅性能が高いことが絶対条件。
そのうえで、いわば、昼間に蓄熱して、夜間に放熱するこういう自然エネルギーも
活用しようという作戦なんですね。

その意味で、窓も床レベルまでの大きな窓で、
冷輻射での熱損失よりも、蓄熱を優先させている考え方で、
全体として、実にうまく調和が取れている事例です。
土間や蓄熱床などへヒートポンプ熱源からの温水循環が供給されていますが
さわってみると、それほどの高温ではありません。
流している温水の温度は30数度というレベル。
それでいて、室内は20度をやや超えるほどの一定感で満たされています。

太陽エネルギー取得量がどれほどであるか、
数値的に把握することは難しいとは思うのですが、
たぶん、相当なレベルで寄与しているものと推測できます。
岐阜県恵那市で、このような蓄熱床を実験的に取り入れている事例もありましたが、
今後、ひとつの有力な暖房エネルギー取得方法として、
研究が進んでいって欲しい分野だと思います。

コメント
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