三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

碁盤の目の街並み

2008年02月25日 06時07分21秒 | こちら発行人です

先日の建築家展で見た札幌の航空写真。
わたしが育った札幌は、京都のような計画都市。
わかりやすい計画都市というのは、一般的に碁盤の目状に作られるモノなのでしょうが、
やっぱり上方から見た場合でも、くっきりと明快なプラン。
日本の都市って、分類するとどうなんでしょうか?
東京は豊臣秀吉の着眼で、家康が計画した都市ですが、
経済発展を重視した都市計画とはいえ、やはり城下町の街割り。
道路などの基盤的な整備は、いまも環状線が連続していない場所があるなど、
近代都市としてみたときに、機能性はどうなのか?
慢性的な車の渋滞などを見ていると、その面では破綻しているとも言える。
しかし、公共交通機関の鉄道・地下鉄の発達ぶりは
まさに全体として生き物のような血流的なネットワーク都市。
案外、車の乗り入れをかなり規制して、中心部をバイパスする道路整備などが進めば、
CO2削減の視線から見たら、いい都市環境になるのかも知れません。

札幌はまだまだ、車社会の中では基盤的な道路環境がゆとりがある。
やはり、明治初年の都市計画でアメリカ的な考え方も取り入れただろうことが
現代に生きてきていると思います。
大きな道路では幅が100m、一般的に20m。小路でも8m幅の道路が確保されている。
こんな「公共」スペースが広い都市計画はまさにアメリカ的。
市内に残る古い公園である「円山公園」は
アメリカンスタイルそのまんまの自然公園スタイルを取っていますね。
街のそこかしこに残る、こうした都市計画の残滓が
札幌という街を、日本の中で面白い街としてきた資産なのではないかと思います。

現代では、都市の資産継承、計画的な都市環境の育成発展ということが
たいへん難しくなってきていると思います。
なんとか子孫の代までも、札幌らしさを継承していきたいものです。
コメント
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