三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

仙台のホテル室内環境研究

2008年03月04日 05時43分35秒 | 住宅性能・設備

さて、出張に来ていまして、
仙台のホテルに宿泊しています。
今回の出張は、本日からの東北住宅大賞現地審査が大きな目的ですので、
札幌から赤外線放射温度計を持参してきました。
これは、壁など各部位の表面温度を離れた位置から測定するもの。
で、今朝、いごこちがあまりよくないけれど、
1月などと比べたらまぁ、ましだなと思われた室内環境でしたが、
測定してみた次第です。
暖房は温風が吹き出してくるエアコンです。
建物はやや古いけれど、一般的なRC造建築の6階。
外気温は5時だとマイナス1度くらいでしょうか?寒いけれど、冬真っ盛りからは脱したところ。
エアコンの設定温度は写真上の通り、21度の設定にして寝ていました。
やや不快感があっての目覚めでしたが、
最悪というほどの冷却感ではありません。
しかし、北海道の家のように、体が内部から暖かいというよりは、
やはり体感的には皮膚表面しか暖かくない、という感じ。
設定温度は、これ以上高くすると寝苦しいので、この程度にしたのです。
で、温風吹き出しなので、乾燥感がきつくて
お風呂にお湯を張って、ドアを開け放して寝ていました。

測定の結果は下の3枚の写真です。
左から、壁面(天井もほぼ同じでした)・床面・窓面です。
まず、上下温度差が3度あります。
というか、足下が寒いということが見て取れます。
測定後、温度設定を上げて27度にしたのですが、
そうすると、この上下温度差が拡大し、5度を上回りました。
頭寒足熱、という健康法則がありますが、
まったく逆の結果ですね。
こういう温度差環境では、温度設定には意味がなくなる。
暖かくなりたいけれど、頭がぼーっとするばかりにしかならない。
まぁ、それはまだいいとして、ひどいのはやはり窓ですね。
お願いですから、アルミサッシはやめてください。
エアコンで暖房する一方で、冷ストーブが運転し続けているのと同じです。
窓面から、ずっと室内の温度を奪い続けているのです。
体感的にずっと冷輻射を感じ続けるのですね。

というような結果が得られたわけですが、
けっこう厳しい温度差であること、ご理解いただけたでしょうか?
こういう温度ムラのある環境はけっして「快適・健康」にはならない。
じゃぁ、なんでそんなホテルを選ぶんだ、ということになりますが、
どこのホテルでも似たり寄ったりなんですよ。
高いお金を出してもそこは関係がない。
また賃貸住宅というのも、ほとんどがこういう環境なんです、当地は。
まず、ほとんど選択の余地はないに等しいと言えます。
エトランゼにとっての冬場の仙台の環境って、こうなんです。
こういう事実、ぜひ、知って欲しいものだと思いますね。

コメント
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