アメリカ大統領選挙がオバマの勝利に帰した。
かれが黒人であり、民主党であるというより前に、
「ブッシュからようやく代わる」という安心感のようなものが広がっている気がする。
ブッシュという人物は、アメリカ社会の中ではどのように見られているのか知らないけれど、
他国の民衆からすると、困った地球最高権力者だった。
9.11の悲劇は、多くの人びとの共有するところではあるけれど、
そこからかれが取った戦争政策は、
あまりにも戦略的とは言えない、愚行だったといわざるを得ない。
仕方なく、あの決定を支持する他はなかった国々の指導者たちも
内心で、どのように思っていたのか、
ある特定の勢力にとって、ああした路線は意義があったのだろうが、
しかし、世界戦略的には、アメリカの孤立だけが強調されたと思う。
ある程度定期的に戦争を行った方が、武器生産軍需産業には
好都合ということはあるのだろうけれど、
それを世界最大の権力を握る国家が振り回していたのでは、
矛盾が拡大する方向にしか向かない。
最後は金融の破綻もあって、
アメリカ国民は、早くかれの治世時代を忘れたい、
なんとか現状を変えていかなければならない、と考えたと思う。
ブッシュという名前からは、野放し、放逸な資本主義、というような言葉しか浮かんでこない。
というような印象の方が強くて、
まだ、形式的には1月まで、かれがアメリカの大統領なので、
最後にも、もうひとつくらい惨禍を引き起こしそうな危惧も強い。
完全にかれから権力が消え去るまで、もう少し。
しかし、アメリカも、パパブッシュからあのブッシュまで、
貴族化した2世が権力を握るという
日本の状況とも似通ったシステムになっていたのかも知れない。
もちろん、2世だからダメだとは言えないけれど、
ここのところ、首相として出てくる人間がすべてと言っていいくらい
2世議員であるという日本の現状を考えると
そういう平和な選択で現代のような時代の国家意志決定システムは
大丈夫なのだろうかと考えてしまう。
あの「改革」大好き小泉さんが、「親バカですが」と
前口上で済ませてしまって自分の「選挙区」の後継に
臆面もなく、若殿様ふうの息子を紹介する様は、首をかしげざるを得ない。
2世の方が、この「民主主義代表選挙」システムでは
環境に適合しやすいのだ、ということだとすれば、
民主主義制度そのものが生み出す弊害なのかも知れない。
確かに人気投票のような個人名投票では、
タレントのようなよく知られた人物か、
前のひとと、よく似た名前と顔かたちの方が受けがいいのだろう。
案外、民主主義システムって、
こういうことの結果、滅びていくものなのかも知れませんね。
<写真は無関係です。隅田川>
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