きのうは宮古の住まいを考える会主催の
「復興住宅講演会」にて講演を行ってきました。
わたしは、ことしもすでに3回の講演を依頼されて
東北各所でお話ししておりますが、
通常は工務店さんなどのプロのみなさん向けが多く、
そういう意味では、一定のレベルは担保されているので話しやすいのですが、
きのうの場合は、久しぶりに一般のみなさん相手というもので、
しかも、たいへんな体験をされたみなさんが中心、ということで、
ある緊張感も持って臨みました。
一般のユーザーさん向けですので、
わかりやすさは相当に気を使っていかなければならない。
論旨の展開などもそうだし、
テーマ設定はなるべくシンプルなほうがいい。
そういうことで、今後の復興への家づくりでは
なによりも長く住みつづけられる安心感、
エネルギーが不安になっていく中で
住宅の性能向上、器としての安心感を最優先すべきではないかと
そういったテーマでお話しいたしました。
おおむね30名くらいのみなさんがお集まりいただきました。
わたしの講演では必ず、年平均気温の確認をさせていただくのですが、
宮古は、一昨年の平均気温が10.8℃。
東京以南地域がおおむね16℃。
それに対して、札幌は8.5℃なんですね。
みなさん、むしろ札幌と仲良くしましょう、って呼びかけたら
そんな話し始めて聞いた、そりゃそうだ、というような
にこやかな笑顔が広がっておりました。
で、そこから断熱とか気密とか
そういう展開に持っていくのですが、
まずはじめにこういう「つかみ」があると、
話がぐっとわかりやすくなってくれるのですね。
で、講演終了後は活発に質問が出て、
わたしどももたいへん有意義で、一般のみなさんの意識も再確認できました。
やはり一方通行で聞いているだけでは
なかなか理解が深まらない。
それぞれの認識レベルで質問が出てくると
対話がはじまって、ブロークンにお話しが展開していって
こちらも、思わぬ発見が得られるようになるのですね。
時間はオーバーしてしまったのですが、
やはり「どこに建てるのか」という敷地の問題が
みなさんの復興住宅計画を大きく立ち遅らせている。
この問題は、多地域から来たわたしには立ち入りようのない問題なのですが、
しかし、そういう意識があり、建築を依頼するプロとも
一緒になって探したりすることで可能性は高まっていく。
また、発言が強まっていくことで行政などの方でも加速する部分がある。
そんなようなお話しを致しましたが、
この問題がいちばんの問題のようだと認識いたしました。
いろいろ宿題にもなって、たいへん勉強になりました。
講演後も、クルマに乗るわたしに、声を掛けていただくなど、
対話が成立した、ということが確認できて、
思わずうれしさがこみ上げておりました。
<写真は、宮古浄土ヶ浜の岩の様子です>
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