三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

専門知識蓄積のない報道メディア

2015年04月03日 07時12分54秒 | Weblog
本日は住宅と大手報道新聞メディア論であります。
最近の話題ですが、テレ朝の報道ステーションという番組の中で
異様な展開になってしまった「元官僚」がウリの古賀某さんの件で、
ネットで流れていた論評。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1503/31/news036.html
わたしが関心を持ったのは、
別にこの話題のことではなく、その一部でメディアのことについて
触れていた部分があって、そこに反応したのです。
書いたのは窪田順生さんという方。1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。
在学中からテレビ情報番組の制作に携わり『フライデー』取材記者3年間活動。
その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、
現在はノンフィクションライターという経歴。
以下、わたしが着目したポイント部分です。

「日本のマスコミというのは採用をされると、地方赴任をする。
そこで警察、県庁、地方政治をフォローして、中央へというのが
オーソドックスなキャリアパスなのだが、冷静に考えてみると
ジャーナリストの育成という点で、これほど非効率な方法はない。
2年や3年で担当がコロコロ変われば、専門知識は蓄積されない。
その分野を俯瞰(ふかん)するほどの視野も広がらないし、
なによりも取材に不可欠な人脈も広がらない。
そろそろ、この分野も慣れてきたなというタイミングで配属換えがあるのだ。
そんなもんサラリーマンだから当然じゃないかと思うかもしれないが、
海外のジャーナリストの目にはかなり異様に映る。」~以上、引用終わり。

・・・このこと、以前から強く感じてきています。
というのは、わたしどものように30年近く住宅関係のことをやっていると
そういう専門的な知見を求められて、新聞メディアの「住宅担当」の方々から
「今度、担当になりましたのでよろしく」というような
あいさつをいただくことが多くあります。
で、何年かお付き合いもあるのですが、
ようやく「断熱気密」のことが理解出来るようになった頃には、
「担当が変わりました」というご挨拶をいただくのであります。
そういうことが慣例化してきて、タイアップの意味も感じられなくなってくる。
そういった体験を数多く経験しているのです。
メディア側の事情もわからなくはないのですが、
「健全な世論構築」のために、メディアが本来果たすべき役割を考えれば
どうにも解せない部分があると思っています。
一方でメディアでは、政治記者というのはまた別のようで
メディアでエラくなっていくのは政治畑の人が多いようです。
本来世の中のことが発展していくのに、政治だけが良くなれば良いのではない。
人間の幸せはそれ以外の領域の発展の方も寄与は大きい。
とくに住宅などは、その最たるものではないのか。
住宅のヒートショックで死ぬ人が
交通事故よりも多いというような現状に対して、
「社会の木鐸」を気取る存在が、基本知識をしっかり持っていないのでは
困ったものだと考えるのは、わたしだけでしょうか?
コメント
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