さて、きのうは名古屋の国際センターという会場で
新住協の総会でした。
昨年まで新住協(新木造技術研究協議会)はNPO法人でしたが、
今年の大会からは、一般社団法人に組織変更しての
はじめての総会であります。
新住協は、北海道の工務店の結集体と、東大を出られて
室蘭工業大学に赴任された鎌田紀彦先生との出会いが発端の組織。
全国ではじめて室蘭工大に「システム工学」を建築で研究する学部が発足し、
その先鞭を付ける意味で、先生が来道されたのです。
岩手盛岡の出身の鎌田先生が、この同じような積雪寒冷の北海道に来て
当時、北大の荒谷先生などが研究の端緒を開かれていた
寒冷地住宅の研究に立ち向かわれ、「高断熱高気密」の家づくりを
志を共有する北海道の工務店グループの協同を得て、
きわめて現場的に解決する道筋を探って行った。
この場合の「現場的」ということが、ものすごく大切な部分で、
工務店も、理論だけではついて行きようもなかったけれど、
鎌田先生は、具体的な施工プロセスを詳細に、それこそ「システム工学」の
視点から現場工程を観察して、そこから改善すべき問題点を抽出した。
だから、工務店の側も、「そうか、ここをこうすれば、間違いなく良くなる」と
深く納得することができた。
断熱材をタダ厚くしても、さっぱり効果が出なかった事実に対して
気密化施工の重要性を発見し、しかもその手順の細部に至るまで
実践可能な「技術」として工法開発していった。
たぶんこのプロセスは、やがてレジェンドになっていく事なのかも知れない。
しかし、わたしたちはまだいま、ここにいる。
まだまだ、この歩みは終わったわけではない。
北海道が発祥となって生み出されてきたこの革新は
次のプロセスへの踊り場で、いま、立ち止まっているかに見える。
きのうの総会でも、いま、高断熱高気密の工法革新の現場は、
本州地域の方に、その先端部分は差し掛かっているのかも知れない。
そしてそれは、北海道がその契機を生み出したことではあると思う。
懇親会の中締めで、北海道の工務店を代表して武部建設さんが
いみじくも、発言していたけれど、
いま「北海道ガンバロー」という雄叫びが必要なのかも知れない。
それがどのような「目指すべき地点」であるのか、まだ不明に見えるけれど
よりよい家づくり、人間環境の創造に向けて
立ち向かって行く必要があるのだと思う。
・・・多少、酔ってしまった夜でした。
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