きのうの続きなんですが、演目は鬼に関連するもの。
安倍晴明が出てきて、ある鬼の内面に入っていく、というようなお話。
情念の演劇らしく、鬼になった女性の内面世界を
なぜ鬼になったのか、その情念のこりかたまりを
演劇的に表現するというのですね。
案の定、夫の不実に怒って、その嫉妬の念が段階を追って描かれていました。
写真は、演目の鬼に合わせて、能面を展示していたもの。
鬼って、みんな同じかと思っていたら、
それぞれ恨みの情念の深さに合わせて、違いがあるそうです。
右の3つがそうなのですが、鬼の表情が変化していく様子が表されています。
生成(なまなり)→般若
という順番なのだそうです。
般若になると完全に角が飛び出していますが、
生成という段階が面白くて、少し角がでているけれど、おかしみもある。
名前が、なまなり、なんて、笑えます。
般若にも、顔の色の変化があって、違いがあるようです。
どんな時代にも、こういう嫉妬などの人間感情はわかりやすく存在するし、
能という形式が、動きを極限まで制約しながら
たどりついた表現世界は、こうした情念の世界だったのですね。
とくにこういう鬼の表情の表現力って、
すごくリアリティがあり、ストレートに迫ってくる感じがありますね。
やっぱり、恐怖心とか、恨みとか、嫉妬とか
そういう情念って、人間の想像力を大きく膨らませます。
男性は、こころしてしっかり見ておかなければなりませんね。(笑)
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