三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【浸水など災害からの住宅防衛と復旧】

2019年10月29日 07時16分29秒 | Weblog
もうすぐ11月ということで、さすがに台風の発生は
ニュースとして聞かれなくなってきている。
しかし今年はながく記憶に残りそうな災害の年。
とくに千葉県の度重なる被害には深くお見舞い申しあげますとしか、
まことに言葉もありません。
住宅の「安全」というものの範囲、領域がすべて再検討されてくる。

1 強風への対応というのは、住宅自体としては瓦などの葺き方への
再検討を余儀なくさせている。しかし千葉での倒木被害に見られるように
戦後の経済成長で内外価格差が発生し自国木材資源有効利用がはかられず
海外材に押され続けてきた市場構造問題が浮かび上がる。
うち続く災害から住宅を復元させる後世への遺産、知恵として
先人たちが杉などの木をたくさん植えてきたけれど、
経済原理からうち捨てられてきた結果が、風倒木被害につながった。
それが停電復旧の妨げになって長期間の被災になってしまった。
こうした国内資源の木の管理問題は、ながく続きそうな問題。
ひとり千葉県だけの問題ではなく、全国に同じ問題は大きく横たわっている。
たまたま台風は千葉県を直撃してクローズアップさせただけだと。
2 さらに深刻なのが「治水」問題。
自治体が整備した「ハザードマップ」に即して
そこで起こりうる災害への備えを家づくりに生かしていく必要が高まった。
古くからの地名で、水に関係のある地名では注意が必要とか。
そもそもの立地条件についての注意は不可欠になる。
ただ、日本は古くから「水運」が発達して商業が発展してきたので、
商業繁盛している地域というのはほとんど水利のよい都市。
そこに人口は大集積している。その上での安全確保ということになる。
写真は床上浸水した住居の様子。床板は剥がしている状態。
基礎部分には大量の泥が入り込んで、水の引くのを待って
ドロを掻きだして、薬剤を散布してから乾燥させている。
高断熱住宅では断熱気密との取り合いをどう調整していくのかの問題もある。
また、基礎断熱と床下断熱での復旧の方法に違いも留意事項。

こうしたテーマが、これからの家づくり相談で大きな要素に
なっていく可能性は高いだろうと思われます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【明治3(1871)年建設の札... | トップ | 【写真とマンガ表現力の違い ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事