いやぁ、仙台市青葉区、というのは広いです。
札幌でいえば、中央区に相当するのですが、
そういう地域も多いけれど、山また山を越えて、
どう考えても山中の森の管理人、というような風情のお宅訪問。
要するに、江戸期に建てられた森と木材の大庄屋さんと思われる古民家を
再生した工事を拝見にいった次第です。
仙台市内中心部から、車で約40分で、
山の中にある集落の中心的な位置を占めている建物でした。
ときどきリプラン誌面で紹介している
安井妙子さんの設計監修になる古民家再生の事例取材。
今回は次号東北版が宮城県仙台特集なので、その取材なんですね。
住宅については、また機会を見て取り上げたいと思いますが、
写真は、その家にあったみごとな調度品のようなかまど。
かまどって、古民家には当然つきものの炊事装置の基本。
なので、大体が機能性本位の無骨なつくりが多いのですが、
このかまど、木製の飾りがぐるっと、本体を修飾しています。
脚などは、猫足的な、雲形のような装飾まで施されている。
どう考えても、こういう装飾性は本体機能とは無縁なので、
やはり、意匠性を考えたものに間違いはない。
であるとすれば、さて、どのようなことだったのか、
想像するしかありませんね。
いろいろ、古民家は見て歩くけれど、こういうのは初めてでした。
武家などの家でも見たことはない。
類推的には、今日の家具的に装飾されているシステムキッチンに近い感じ。
扉の面材など、木目調やら、シャープな金属製など、
さまざまな装飾が施されていますよね。
ああいう感覚に一番近い。
でも、そうだとすれば、相当な「暮らしを楽しむゆとり」を表している。
江戸期の材木商というのは、紀伊国屋文左衛門のように、
相当の富を集積していた存在だったのですね。
まぁ、目の保養というか、驚かされた豪華さでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます