三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

かわいい読書室

2009年01月21日 05時36分18秒 | Weblog



さて、居心地のいい図書館その3なんですが、
きょうはもう、単純にかわいい造形美です。
こどもの為のコーナーもこの「函館中央図書館」にはたっぷり独立的にあって、
こどもたちに読書の楽しみを感じて貰う仕掛けをしていました。
背の低い書棚構成で、子どもの目線に合わせたりしています。
色合いもカラフルにしてあって、遊び心がある。
で、この家型の書斎的なコーナーであります。
さて、このなかで、こどもたちは落ち着いて読書するでしょうか?
それとも、やっぱりかくれんぼするでしょうかね(笑)。
よく見ると、家も曲がりくねった間取りのようで、
案外「隠れ家」的な落ち着きをかれらは発見するかも知れませんね。
考えてみれば、読書を好きになって貰う方が優先するテーマなので、
「落ち着いて読書しなさい」と
無理に押さえつけてしつけようと考えるより、
こういうジャングルジム的な隠れ家感覚の中で、
その閉じられた壁の安心感の中で、本が好きになっていく可能性もあると思います。
読書って、どうしたら好きになるのか、
まぁ。なかなか難しい問題ですよね。
わが家でも、姉はずいぶん読書が好きで、よく読むようなんですが、
一転して坊主は、さっぱり目を向けない。
いまだにマンガのほうに夢中で、本の楽しさを知らない感じ。
というか、活字というものに興味をまだ覚えないようです。
なんとも寂しいものです。
そのうち、猛烈に読み始めてくれることを夢見ていますが、
まぁ、残念ながらそうはなりそうもありませんね。

しかし、活字の文化というのも、歴史的に考えれば過渡的なものとも言える。
明治になって、森鴎外だの、夏目漱石など、
いわゆる文豪といわれる文章の大家というのが生まれたわけですが、
あれはあれで、出版業が作り出したビジネス上の都合から生み出された存在だとも言える。
そういう作家という存在は、日本ではスターシステムという
形式の先兵になって存在したような気がしています。
大家、というような存在がいれば、
本を売るのに、売り易かった、というような動機があったのではないでしょうか。
でもそういう「作家」というような存在は過酷な仕事だったようで、
その後、相次いで作家の自殺というのが増えてくる。
あれって、やはり非人間的なものに耐えられなくなったと言うこと。
ああいった時期の、作家という存在は、
現代で言えば、先端文化である音楽や芸能人的な側面も持っていて、
本来の活字文化というのとは違っていたのではないかと思っています。
ああいった部分は、歴史的には衰退していくべき存在なのかも知れません。

まぁ、また難しくなりそうなので、本日はここまで、ではでは。



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図書館ってなんだろう?ー2

2009年01月20日 07時54分21秒 | Weblog



きのうの続きです。
公共事業としての「図書館」っていうものに
考えさせられるポイントがあったので、書いてみている次第です。
設計は、本当に素晴らしいのです。
写真は、閲覧のためのスペースですが、
東側に五稜郭を望む面は、ひろびろと閲覧スペースになっているのです。
採光窓としての機能はバツグンで、
なんとも手元の本の閲覧に快適で、
ちょっと疲れて目を移せば五稜郭の光景が広がる。
本を読むという行為にとって、これだけ豊かなスペースはないでしょう。
見に行ったのは、金曜日の午前中なのですが、
利用する人の数は、用意されたスペースに対してごくわずか。
これだけの豊かな空間が、ほぼ独占的に利用できるのです。
図書館というのは、無限といってもいいほどの人間の知識が豊かに貯えられている場所で、
しかも閲覧のための場所もここまで快適になっている。

建物の2階北側には、
郷土資料のための「研究室」というようなコーナーもあり、
なんと、個室も用意されているんです(!)。
利用はちょっとした申し出をすればほぼフリーパス。
前面には大きな窓があって、北側からの安定した静かな採光があり、
もともと図書館という静かな環境の中で、
なお、集中できる空間まで提供されているんです!
素晴らしい。
たしかに、文句の言いようのない素晴らしさであって、
「本を読む」という人間行為のひとつの極限が実現しているような気もします。
ここまでの環境があれば、
函館から、優秀な作家や、読書家がたくさん出てくるかも知れません。
っていうような気になってきます。
わたしのような、ライフワークをこころに溜めているものにとっては、
こんな環境で集中的に時間が取れれば、とまさに垂涎の思いを抱きます。

どうせ作るのなら、これくらいのモノを作るというのはいい。
でもしかし、これって、公共的な図書館なんですね。
ここまで至れり尽くせり、という公共の箱を作る必然性ってあるのか?
という一方の思いもわき上がってくることを禁じ得ない。
まぁ、もうすぐオリックスグループに売却される予定だという
厚生年金ホテル施設のバカげた豪華ぶりと比べれば、
たいへん有意義であることは、論を待ちません。
また、わたし自身は、年金ホテルの大ファン的な利用者ではあります(笑)。
(ある施設など、低料金で温泉が付いていて、シングル利用が出来て食事もいいって、まったく文句はないですよね)
しかし、このような施設建物が、
基本的には子どもたちの世代の負担になる、という現実を考えるとき、
受益者として、それでいいのか、という思いも出てくる。
個人としての投資や、企業としての投資としてならもちろんいい。
本来、図書館という施設の理念というのはなんだったのでしょうか?
本を購入することの出来ない貧しい人々のために
知識を得る機会を提供するという、基本的な役割はわかる。
けれども、どう考えても、そこに「最高の環境」というまでのものを
用意する必要性はあるのか、という部分で、考え込んでしまう。
ようするに、設計者の問題ではなく、
わたしがどうにも疑問に感じるのは、発注者の側のシステムに対して
大きな問題点を感じざるを得ない、ということのようですね。

あんまり深刻に考えるべきことがらではなく、
実際に出来ているのだし、大いにわれわれは利用すればいいとは思っています。
本当に函館で暮らすことがあったら、
できれば、この図書館の近くに住みたいと思います(笑)。
でも、この建物が持つ空間の豊かさには、一個人の投資可能金額では
とてもかなわないので、たぶん、一日中でもここにいることになると思います(笑)。
だったら、お金をあんまり使わないで、
小さな賃貸住宅の方が、合理的かも知れませんね(笑)。




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図書館ってなんだろう?ー1

2009年01月19日 06時34分33秒 | Weblog



確か「赤レンガ建築賞」だったと記憶しているのですが、
函館の街の、五稜郭に面した立地で
「函館中央図書館」というのがあって、受賞した建物だと思います。
機会があれば、見に行きたいと考えていた建物でした。
で、webで調べてみたのですが、
どうも確認できなくなっている。
わたしの不確かな記憶なので、賞は違う賞かも知れません。
でも、その受賞パーティにも顔を出しているので、
受賞していることは間違いはないはずです。
って、いやぁ、寄る年波そのもので、なんとも・・・(笑)。

公共的な施設って、
あんまりたくさん見るわけでもないし、
税金を使って、立派なモノを作るって言うこと自体、
その意義に疑問符もあるわけですが、
でも作る以上は、そのモノに対する評価というのは
少なくとも、利用者や納税者にとって不可欠だと思います。
わたしたちのような、
個人の資産である住宅を中心的な評価対象にしているものからすると、
そのように考えられるのですが、
案外そのような視点というのは、顧みられていないと思います。変ですよね。

で、この図書館を見てきたのです。
たくさん図書館というものを見ているわけではありませんが、
こんなに豊かな空間を作ってもいいのですか?
というのが、素朴な印象でした。
わたしが周辺の居住者だったら、
時間が許せば毎日でも開館から閉館まで
この場所にいることになることは間違いありません。
たっぷりした敷地条件を上手に利用して、
入るとすぐに写真のようなウェルカム中庭があって、明るい採光空間が広がります。
その周囲もベンチが据えられたりして、
気が向いたら、ここで本を読んだり、ノートを広げられる場所になっている。
ちょうどいまは、雪も降り積もっているので、
ほどよい空調の中で、眺めもよくここちよい居場所。
って、実はこういう空調費はどれくらいかかっているのか、
そういうこともものすごく気になります。
だって、そういう維持管理コストもわたしたちの税金なワケで、
その使い道が周辺居住者に対して、事実上独占的に
「専有的公共資産」として提供されるのですよね。
確かに、この場所の評価はいいけれど、
そのためにいくらかかっているのかを合わせて考えなければ、
民主的とは言えないのではないかと考えてしまうのです。

長くなってしまうので、
今日はここまでにしたいと思います。また明日、書き続けます。



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仙台で講演終了

2009年01月18日 09時05分07秒 | Weblog



きのうは仙台メディアテークで
写真の仙台を中心とする建築家ネットワークSAU+が主催するイベントで
講演を行って参りました。
与えられた演目が「魅力的な住宅デザインとは」という大上段もの。
仙台の建築家のみなさんは、わたしどもが仙台に進出して以来
ずっと、いろいろな交流を持ってきています。
一度など、真冬の北海道に来ていただいて、
北海道の建築家のみなさんが建てている住宅を見学するツアーを組みました。
なんと、ちょうどそのときは地吹雪が吹きすさび、
なお、おあつらえ向きに道路面がなだれ雪でバスが立ち往生。
目的地まで1km近くを徒歩で雪中行軍していただいて、
省エネルギー建築賞をいただいた住宅にたどりつきました。
着いたら、全員雪まみれ。
メガネのひとは雪が付着して前後不明という状態(笑)。
で、一歩建物の中に入って、
その家の断熱気密ぶり、ストーブ1台による全館暖房を目の当たりにしたのです。
きのうも、その話題が出ておおいに笑ったのですが、
それが建築に対する向き方を変えた体験だった、とまで言っていただける方もいました。
実際に、それ以降、仙台の建築家グループのみなさんの住宅は
大きく性能面で進化し、
いまや、仙台でも高性能住宅といえるレベルになってきていると思います。
その後建てられた住宅で、FFストーブ1台を半地下に入れて
それだけで、実にマイルドで均一なあたたかく
ステキなデザインの空間が実現している様子を取材してうれしかったものでした。

そんなみなさんが、はじめてイベントを自分たちだけで取り組んだのが
今回のイベント。
白羽の矢を立てられまして、他のスケジュールが2件、入っていたのですが、
駆けつけさせていただいた次第です。
さすが、繁華街に面したメディアテークということもあり、
講演会場はほぼ一杯になり、
立ち見まで出る盛況で、感激いたしました。
Replan誌面で紹介した北海道の建築家のみなさんの住宅作品をお見せしながら、
わたしなりの住宅デザインのお話しをさせていただきました。
ありがたいことに、本当に熱心に聞き入っていただき、
だんだん雰囲気も熱が入っていった気がいたしました。
仙台、東北の家づくりが、もっとステキなものになっていくように
これからも念願し、ささやかでもお役に立っていければと思います。
さて、来週はいよいよ、北海道札幌わが社屋でのイベントです。
こんな繁華街のイベントにはかなうべくもありませんが、
なんとか、いいイベントにしていきたいと思います。
みなさんのご支援・ご来場、よろしくお願いいたします。



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記憶の中の伯父の旧宅

2009年01月17日 07時02分17秒 | Weblog



叔父はもう亡くなってから5年以上経つのですが、
函館に長く住んでいて、その家に母に連れられてよく遊びに行っていた。
母は、どうも末っ子のわたしを連れて、よく実家や
実家の家族を訪ねることが多かったひとでした。
考えてみると、嫁として結婚したら、
1年中、神経の休まる時間がないくらしなので、
そのような実家帰りが昔の人間にとってはなによりの骨休めだったのでしょうね。
とくに母は、これも末の弟だった、函館の伯父と仲がよかったようでした。
伯父には実子が生まれなかったので、
大家族だったわが家から、自分に一番血のつながりの近い姉の家の子を
なんとか、もらい受けたいと思っていたようで、
たまたまわたしが末っ子で、よく母と連れ立ってきていたので、
わたしにそうした白羽の矢が立っていたそうです・・・。
で、わたしも何回か、函館の伯父の家に来たことがあり、
札幌とは全然違う、いわば文化的な香りのする街並みが好きで、
行くことが楽しみだったものでした。

昨日はそんなことで、函館の街を
散歩がてら、歩いてみました。
で、ふと、街の記憶が突然甦る瞬間があって、
振り返ると、いまはもうたぶん、取り壊されていると思いこんでいた
伯父の住んでいた家にそっくりな家に出くわしました。
最後に伯父の家を訪れてからでも、もう25年近く経っているし、
その間に伯父は函館で勤めを退職して、札幌に家を建てて
移り住んでいますから、たぶん、もうないだろうと思っていたのです。
ところが、記憶というのは断片化しながら、
ある空気感のようなものを鮮烈に記憶していて、
「あ!」と、一気に情景が押し寄せてくるものなんですね。
たたずまいはまさにこんな印象に近かった。

室蘭工業大学を卒業した伯父は、家のことを話すとき決まって、
「古い家がいいんだ」と、語ってくれていました。
なので、借家だった函館での家はいかにも、こんな写真のような家で、
古色蒼然、だけれども、こころの中のなにかが吸い寄せられていくような
そんな古びたわびを感じさせる住まいだった。
記憶の中では、そういう印象は
かれの実家である、母も育った三笠の家の印象にも通じるところがあって、
不思議にやすらぎを感じさせてくれる家でした。
いま、考えてみると、住宅についてのいろいろな体験の中でも、
伯父の、家に対する感受性はわたしも受け継いでいる部分があると認識しています。
日本人がところを定める、というのには
やはり精神性のやすらぎ、というものが一番大きな部分なのかも知れない。
この写真のような古美た自然な素材のもつ表情。
自然木の松が無骨な肌合いと、柔和な造形を見せる中に門があり、
庭木が外界から守るように家を取り囲んでいる。
その奥に、人間の、訪ねるべき人格が存在している。
訪れるものに、そういう出会いへの期待感を高めるような
そんな風合いがあるような気がします。
やっぱり、こういう家の良さは今日も永続していって欲しい、と
念願しながら、じっと立ち止まって眺めていた次第です。
本日は仙台で、建築家のみなさんと「デザイン」を巡ってのイベントで
講演を行います。




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函館、寒いです~。

2009年01月16日 05時48分45秒 | Weblog



きのうは、札幌から函館へ移動しまして、
ある業界団体の年に1度の総会に参加、頼まれたスピーチを無事終了。
発達した低気圧が北海道北部に停滞し、
それに向かっての吹込などで、日本海側は大荒れ、
という予報でして、安全を期してクルマを放棄して列車移動。
しかし、札幌は比較的おだやかな拍子抜けするような天候。
「え、これならクルマの方が・・・」
とも思えるような陽気。
列車に乗っても、苫小牧くらいまでは、青空も覗いていました。
ところが、噴火湾を回り込むあたりから
にわかに風雪が強まり始めまして、不穏な状況。
函館に近づくにつれて、視界も不良になって参りまして、
どうも、きのうは函館の天候が全道でも一番悪かったのでは、
というような天候でございました。
夜に入って、市内を移動中にはブリザードのような猛吹雪もあり、
震え上がっておりました。
いやはや、軟弱な札幌育ちで(笑)、情けない次第です。
ですが、やはりブリザードの中のクルマ走行はなるべく勘弁して欲しい。
やっぱり、精神的ストレスは大きく、
どっと疲れが、あとで襲ってくるのですよね。

会合は、全国から90名を越すみなさんの大規模なもの。
PVソーラーという設備系のフランチャイズ総会なのですが、
比較的に温暖地からの参加が多く、
しかも、北海道の断熱気密技術を学ぼうという意欲の強いみなさん。
そういう意味では、「住宅性能」というものを体感できる
厳しい寒さのこの時期は、まぁ、おあつらえ向き(笑)。
ホスト役の地元の方も、「よかった」と発言されていましたが、
さて、参加されたみなさんはどうでしょうか、ね(笑)。
でも、その土地を知るには、その土地のいちばんいい季節と、
一番厳しい季節を訪れるのがいい、ともいいますから、
よかった、というのもやはり真実でしょう。

しかし、北海道内のわたしでも、函館がこんなに荒天
というのは、久しぶりのような気がいたします。
現場見学、長時間のセミナー報告、と
盛りだくさんの内容ですが、みなさん、精力的に
北海道から、いろいろなノウハウを得ていっていただきたいと思います。
やっぱり住宅の建築現場を見るのが
一番、面白く、しかも教訓も多いと思われます。
幾人かのみなさんも発言していましたが、
北海道人って、ノウハウについて、平気で教える人が多い、ということ。
そういうのがいいことなのかどうか、議論があるでしょうけれど、
そのあたりが、育ち始めている「道民性」というものなのかも知れません。
いかがお考えになるでしょうね、みなさん?



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ひたすらパブリシティ!

2009年01月15日 05時09分39秒 | Weblog



さて、何回かお知らせしている「北のくらしデザインセンター」
いよいよ、来週からイベントがスタートいたします。
ふだん、あんまり身近に聞くことが出来ない建築家のアピールです。
わたしも楽しみなんですけど、
さてさて、どんな展開になるものやら、
しかし、イベントはお客さんが来てくれないと困る。
ということで、いろいろ宣伝を行っております。
北海道新聞では、金曜日16日に広告を打ちますが、
なんとありがたいことに、編集記事でも取材を受けました。
いつ、記事として掲載になるかは不明なのですが、
来週はじめくらいまでには載るようなお話しをいただいています。
で、きのうは、今度はラジオも来ていただけまして、
昼過ぎの時間帯でオンエアになりました。
っていっても、実況中継、ナマなので、
本番前の若干の打ち合わせ後、どんどんインタビューされる。
都合、7分間というナマCMみたいなことでPRさせていただけました。
不安なのですが、まぁ、そうはいっても
なるようにしかならない。
開き直って、祈るしかないでしょうね。
人事を尽くして天命を待つ、という心境でしょうか。

お客様からは、まだぼちぼちという反響なのですが、
業界関係からは、実にいろいろなアクションがありまして、
応接に結構、追われております。
ありがたいことと感謝しています。
写真は、初日1月24日・土曜日の建築家のみなさん。
ただし、大人数のことで、右端の圓山彬雄さんは
出張予定が急遽入って、2月15日に順延。
しょうがないですね、予定変更は若干、これからもあると思います。
この北のくらしデザインセンターでは、春先には
建築家住宅バス見学会などのイベントも計画しています。
これは一般のご家庭を訪問させていただく企画なので、
きちんと登録された会員のみなさんだけに参加資格があるイベント。
実際の建築家の住宅って、なかなか見るチャンスはないと思いますので、
そういう意味でも、参加されると、面白い体験もできます。
ぜひ、多くのみなさんに参加をお願いしたいと思います。

で、本日からは講演を頼まれた2箇所に出張です。
函館と仙台ですが、おあつらえ向きの暴風雪予想(泣)。
安全な旅程になりますようにと祈るような心境であります。




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屋根と雪

2009年01月14日 05時32分48秒 | Weblog



散歩を復活させると、
いろいろと発見があって面白い。
住宅街なので、屋根のかたちもさまざまな住宅を見ることができます。
写真は、大きな傾斜屋根の和風住宅の軒先。
本州以南地域ではこういう屋根が多いのですが、
北海道では、こういう屋根はむしろ少数派でしょうか。
傾斜が緩くて、軒が出ているというタイプ。
和風の住宅には多い屋根でしょうね。
問題になるのは、雪庇。
写真でも、大きく張り出してきていますね。
この家の場合は、雪が落ちるのは自分の家の庭なので、
特段の問題ではないのですが、
もしこれが道路に面している場合には、
屋根面の「表層雪崩」や、雪庇の落雪が
通りがかりの人を襲う、という事件が発生する場合があります。
屋根の掛け方は隣家や、地域の条件によって、
傾斜の方向はさまざまになりますが、
場合によってはやむを得ず、道路側に傾斜させなければならなくもなる。
そこでこういう心配が発生するのですね。

また、この家では、
軒先に氷柱ができてはいませんでしたが、
断熱欠損があるケースでは、「すがもれ」現象で、固い雪になるときがあり、
危険のレベルが上がってしまいます。
雪庇は、そのときの気象条件で「成長」します。
季節風のふき方加減で、
雪が供給されることもあるのですね。
そして、この問題は、こうした落雪屋根ばかりでなく、
フラットな屋根でも、雪庇の問題が発生しているのです。
まだ今年の冬には、一度くらいしか発生していませんが、
激しい吹雪と北東風がいっしょになると、
南東側に大きな雪庇が、札幌の住宅地では、大きな問題になります。
軒から1mちかく張り出すというのもめずらしくはない。
こうなると、モンスター(笑)。
って、こわいんですよね、けっこうこれが。
わが社でも、社屋でこの問題が発生したので、
軒側に融雪の工夫をしまして、ことしはみごと一発で落とせました。
で、落とせたら、融雪電源をすぐにシャットしなければならない。
ほうっておくと、融けすぎて融雪水が軒先側に流れ、
氷結しかねないのです。
まことに、北国の雪問題は、奥の深い世界でして(笑)
なかなか一筋縄ではいかないのであります・・・・。



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冬の散歩

2009年01月13日 05時29分55秒 | Weblog



年始時期には、その年の平安無事を祈念して
健康診断を受けるのを年中行事としております。
験のハッキリしない神様頼みよりも
数字で明確に示される健康状態のご託宣をいただいて、
ありがたく日頃の不摂生を反省し、
どのようにすれば長生きできるか、具体的な指摘を医師から聞ける。

しかしまぁ、ことしはなかなか、行きにくかった(汗)。
運動不足と、ストレスからの過食傾向など、
あきらかに体重の増加を指摘されることは、論を待たなかったのですね(笑)。
ってまぁ、あんまり笑い事ではありません(泣)。
これまでかろうじて、健康の範囲に収まっていた血液の調査各項目のうち、
いくつかで、限度を超過してしまっておりました。
体重自体は、そこそこではあったのですが、
不健康な状態は、いろいろな数値で確認できました。
なかば、「しゃあ、あんめい」という開き直りもあるのですが、
やはり冷静になって考えてみると、
仕事のことも、家族のこともあるわけで、
やはり、健康管理には気を使っていかなければならない責任がある。
さらに、ライフワークと考えていることにも
ことしは着手しはじめたい、まだ、長生きしなければならないのですね。

ということで、やはり体を動かす習慣を復活させねばならない。
そこで、雪かきの必要のない日は、
早朝散歩を励行したいと考え、始めております。
これまでのコースとは変えて、
自宅近くの河川、上流ではなく、下流方向に歩いております。
なにがしか、好奇心を持ってやらねば、長続きはしない。
そこで、毎日自然の移ろいを観察するという
一番基本的な部分で楽しめそうな、コースを考えることになります。
久しぶりに、しかも真冬の散歩なので、
あんまり暗いのはイヤだ、でも遅くなると後が予定辛くなる。
そんなことで、いまは夜明け時の時間に散歩しています。
朝焼けの様子を写真に撮りましたが、
気温はそこそこ温暖で、マイナス5度くらいでしょうか。
確かに寒いけれど、十勝とか釧路とかの寒さとは比較になりません。
防寒具で身を固めているし、長靴なので、運動距離としては
夏場のようには行きません。
まぁ、2~3km程度ですが、
30~40分かけて楽しみ始めています。
i-Podも出してきて、聴きながら面白く習慣にしていきたいと思います。
さぁ、がんばるぞ、と。
あわせて、節食ダイエットも開始。
カミさん指導のメニューで、こっちもがんばりましょう!



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上棟式

2009年01月12日 05時21分51秒 | Weblog



上棟式って、建物の構造が出来上がっての儀式。
最近は、まったくやらないケースが増えているそうです。
住宅とはいっても、現在建てられているものは、
この写真の頃のような希少価値のあるものではなくなっているので、
まぁ、家という概念の喪失過程で、
このような儀式性も喪失の方向に向かっていくものなのでしょうか。

それにしても、明治のはじめ頃という
この写真の住宅の豪壮ぶりと、人足数の多さなど、
家を建てるという社会的意味合いは、相当のものだったと推測されますね。
一般人は、都会では長屋という協同賃貸住宅が主であり、
田舎では、地主と小作では社会的格差は巨大だった。
地主で自作農という旦那さまの邸宅は、
このような「上棟式」にそれこそ似合った格式だったのでしょう。
一方の小作の方は、小屋といったほうが正確だった。
その後、戦争を経て、小作制度がGHQによって解体され、
社会構造がフラットな方向に「民主化」された。
しかも戦後発展した、人口の都市集中と産業の工業化が
このような希少価値を持った、旦那による「普請」から、
住宅金融公庫の貸し付けによる、
農家の次男三男という、それまでは「家を持つ」ことなど夢のまた夢だった階層が
都市での労働者となり、自分の家を建てることが可能になった。
この写真のような上棟式など
夢に見ようとしても、見果てぬ夢だった階層が主役になったのですね。
よく、「邸」と「宅」は違う、と言われますが、
戦前までのこのようなお宅は、まさに社会的に「邸宅」であり、
戦後、大量に建てられた都市住宅は、
本来は「宅」でしかなかったのです。
そういう意味では、上棟式というような行為が
廃れてきているというのは、きわめて自然なことだと思われます。
今日の狭小住宅地での取材などを見ていると、
それがどんなに個人的好みを映し出そうと努力していたとしても、
しょせんは、都市大量居住のための「長屋」の現代版、
というようにしか、考えられないのかも知れません。

社会的な関係性を大きく表現したような
このような「上棟式」を行うシステムではなく、
きわめて「個」の要素が強く反映しつつあるのが、今日の住宅なのかも知れません。
家を持つと言うことの意味合いが、
大きく変化してきている中に、いまのわたしたちの
家づくりというものはある、ともいえるのでしょう。



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