三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

植物とふれあう歓び

2013年06月10日 04時30分32秒 | Weblog


週末はたいへんいい気候に恵まれましたね。
わが家はカミさんと、先日行った「虎杖浜」に温泉入浴のドライブへ。
で、それ以外は仕事と、事務所の庭仕事に精を出しておりました。
10年ほど前の新築当時には、樹高は2mにも満たなかった「かつら」の木、2本。
これがいまや7mくらいにまで成長しておりまして、
お隣さんにご迷惑にならないようにメンテナンスしております。
この庭は、造園屋さんにお願いして造作してもらったのですが、
現在はあれこれと、こまごま自分で手を掛けるのが楽しみであります。
とはいっても、出来るのは雑草を抜いてあげたり、
剪定したり、水やりしたりといったたわいのないレベルなんですが、
はじめると、これがまた、無上に楽しい。
手を掛けてあげると緑というのはすぐにそれに応えて照りが出てきてくれる。
わかりやすくコントラストが利いてくる感じがいたします。
エントランスや、庭木植栽部分の整理整頓、さらに建物の周囲の犬走り部分の除草など、
楽しく出来る作業は盛りだくさんにある(笑)。

やはり緑は生物としての人間にとって
いちばんビビッドに反応する対象なのだそうで、
散歩して、緑のコントラストの中を体感し始めると
その奥行きの深さにまたまた圧倒されますね。
自然は、どうしてこんなに完全なデザインになるのか
と、驚かされる次第です。
まぁ、当たり前ですが、
日の光と、自然の気候条件の中で緑がそれを受け止めて
生き生きとした生命活動を展開する。
そのグラデーションほど、人間の本性を刺激するものはないのでしょうね。
子どもの頃に「世界寓話全集」という本が愛読書だったのですが、
そのなかに、火星から高等知能動物が地球に来訪し、
それを地球最高の知性たる知識人が迎えるというお話しがありました。
ロケットが着陸して
地球の光景を見渡して、その火星の知識人は
「あの緑色の静かな生き物たちはなんですか?」
と質問します。
地球の知識人は、「ああ、あれは木です。取るに足らないありふれた下等生物ですよ」
と答えるのですが、
「そうですか、でもわたしにはこの星で一番高等な生物に見えますが・・・」
と火星の高等生物が返してくる、というエピソードでした。
こういうストーリーって、なぜか50数年も経っても忘れない。
面白いものだなと、気付かされますね。
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グローバリズムー2

2013年06月09日 05時38分10秒 | Weblog


きのうの続きなんですが、
グローバリズムへの批判はわたしも理解し、おおむね同意もするのですが、
企業活動においては、「理の当然として」グローバリズムになるモノなのかどうか、
については、よくわからないと思っています。
そしてグローバリズムというものが本当に存在するのかどうかも
やはり簡単には同意できないのではないかとも思っています。
確かに「もっとも効率よく経営する」ことを突き詰めていけば、
「もっとも安く生産できる」ということを追求するだろうことは自明です。
なんですが、だからといって
企業は、簡単にその生まれ出た「地域性」から自由になるとも思えないのです。
確かに「金融」企業は、そういった側面が強くあって、
かれらには国境意識はほぼ存在せず、
だから金融工学的に資金を扱って、貪欲に利益を追求もする。
そういった企業には、まさにグローバリズムを見る思いがする。
けれど、普通の製造業やサービス業の経営者の考え方には
基本的な部分では、そうしたものもひとつの与条件であり、
やはり総合的に判断しながら、経営を行っていると感じられるのです。
そういう経営感覚の持ち主として、
中国からの留学生として北海道大学に学び、
日本の東証に上場した企業を作った宋文洲さんがいます。
で、かれは現在ではふたたび北京に戻って
ひとりのフリーターとして、日中の架け橋のような存在になっていますね。
わたしはかれの企業活動のすばらしさに敬意を持ち、
そのメールマガジンの読者なのですが、
最近のかれのメールマガジンで「グローバルは「主流になる」ことではない」と
題したエッセイがありました。
そこでは企業活動とグローバル化の関係を述べていて
「基本的に、グローバルは日本の事業をよりよくするための補助手段です。」
というスタンスを明確にされています。
http://www.softbrain.co.jp/mailmaga/back223.html
どうもわたしには、この意見が、経営者としての実感をより明瞭に
示しているように思えてなりません。
神戸女学院大学教授である内田樹さんは
学者であって、経営者であったことはないようなので、
その世界観において、実践的な立場がやや弱いように感じられるわけです。
別に経営者の方が学者より偉いということではなく、
こういった経営者の実感というものも考え重ねて欲しいなと思う次第なのです。

しかしこうした論議の高まりは
たいへん素晴らしいことだと思っています。
既成の政治勢力からは、このような世界観に基づく論戦が行われていません。
とくに教条ドグマに陥ってしまっている勢力には
もっと現代世界の深層を解明する哲学を再構築して下さい、と
強く思う次第であります。
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グローバルスタンダードについて

2013年06月08日 08時01分13秒 | Weblog



最近の日本や世界の政治状況を見ていると
その底流として、いわゆるグローバルスタンダードを巡っての事態の進行がある。
大阪、関西で橋下市長の政治的伸張に対して一貫して批判的だった
知識人のみなさんのなかから、とくに内田樹さんを中心にして、
こういった分析が行われてきています。
近代の国家と相容れず、その内部から破壊するようなパワーとしての
グローバルスタンダードを特定しているところは、是認的に受け止めています。
先日、ファーストリテイリングの社長さんが、
スタッフの年収100万円を世界標準として受け入れるべきだと発言しましたが、
このことは、まさにグローバルスタンダードの立場からいまの日本に対して
その「既得権益構造」破壊として切り込んできたと言えます。
グローバルスタンダードの立場からすれば、世界中どこでも、
同じ労働であれば、同一賃金であるべきだ、という主張になるでしょう。
それは理解可能だけれど、しかし、現状からすれば、
それはさまざまな社会発展の結果としての
日本国内での「労働環境」を、切り下げる方向に働く。
おおむね、日本の政治指導者たちはこの方向で、
いわばグローバルスタンダードの立場に立って、より強大な資本主義からの要請に
自ら、より過激な方向に舵を切っていくことで迎合しようとしてきている。
橋下さんは、最低賃金制の見直しをも主張していた。
さらにこうしたグローバリズムと矮小なナショナリズムが実体的に結合しているのが現状。
慰安婦問題での橋下さんの発言、その考え方の背景は、ひとつの極致でしょう。
なぜ、グローバリズムはナショナリズムを必要とするのか、
これはわたしの推論ですが、
どうも、グローバリズム企業発展のためには
資本主義の世界競争を強調することが、すなわち
外国への敵愾心を利用するのが、
近道であるというようになっているのですね。
最近の嫌中・嫌韓の風潮は、資本主義世界競争の中で、
企業の戦略部分で同様の世界戦略をとっている両国に対するヒステリー刺激が
いちばん効果的だとなっているのではないでしょうか。
まぁ、おおむね、こういった論点から現状の事態を分析して
いろいろな発言をされてきています。
大いに注目して、その行く末を見つめ続けたいと思っているのですが、
氏の発言でも、ではどうすればいいのかは、
まだ方向性は明確には打ち出せてはいない。

一方で資本主義の拡大によって、企業活動は世界競争にさらされるようになって、
いやおうなく企業は、自己防衛的に、そのグラウンドの中で
戦わなければならないのも厳然たる事実。
基本的には企業というものの存在価値は、
その立脚する地域の発展しか、究極的にはありえないのではないかと思っているのですが、
しかし、グローバリズム競争も戦わざるを得ない。
むずかしい時代を生きているな、という実感しきりであります。
むむむ・・・。

写真は、札幌市の円山公園に隣接するアメリカ領事館を
公園側から見返した様子です。


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シロアリ事件続報

2013年06月07日 05時20分22秒 | Weblog



さて先週騒ぎのあったシロアリさんの侵入事件。
ちょうど1週間が経過したのですが、
その後はぱったりと被害が出ておりません。
臨池にはシロアリのエサ場も発見されているので、
周辺にシロアリが生息していることはわかったのですが、
さりとて、当方側に建物構造材木材の腐朽状況はなさそうです。
というのは、社屋は構造部がすべて素地表しになっているので、
室内と同じ条件になっていて、しかもすべての構造が目で見て確認できる。
通常、シロアリは腐朽した木材をエサとして食するわけで
そのエサが供給されない場所は、かれらには用はない。
きのうは、室内側に現れている部分の念入りなチェックも行って、
その上で、再度外部の疑わしい部位を徹底的にチェック。
10年前の新築当時の外壁工事担当してくれた板金屋さんが来てくれたのです。
で、ふたりで建物外周を丹念に見て回ったのですが、
当初疑いを持っていた、基礎モルタル部位の「木くず」状の粉は
前回の発見部位以外にも何カ所かで写真のような状況で発見された。
モルタル下部と地面との境界の茶色は、防蟻材散布の結果です。
しかし、この粉状のものの上部側には、
この粉の供給箇所と思われるような部位は発見できず、また推定もつかない。
建物側から、このような粉が供給されることはどうも考えにくいのですね。
一番考えられるのは基礎直上の水切りの下地木材ということになるのですが、
それを抑えている釘を抜き取って木部の状況を調査してみても
強度は十分にあり、腐朽状況は確認できない。
どうみても、普通に考えればモルタルのざらついた表面に
風などが媒介した土壌から巻き上げられた粉末としか、推定できない。
板金の工事ぶりはチェックしてみても、まぁ完璧に近いので、
そういった作業ミスではありそうもない。
まぁ経年劣化による、板金の隙間はありそうだけれど、
それにしても、通気層側でのことのようなので、
万一、水が回っていたとしても、乾燥状態にはすぐに復帰しそう。
という調査の結果なので、
どう考えても、シロアリの侵入については、巣別れ時期の偶発的侵入しか考えられない。
長期的に、シロアリによって建物が被害を受けるという可能性はきわめて少ない。
そのような心証を得るに至りました。

そういうことなので、
もう少し状況の推移を確認しながら、
様子を見てみるべきなのではないかと思っております。
ただ、ちょうど時期的にも木製窓の塗り直しはメンテナンスとして行う時期なので
コーキングチェックは行うことにしようと考えております。
まぁ、北海道でもシロアリはすぐ周辺に生息していることはわかったので、
より慎重に、建物のチェックは行わなければならないことは
今回の教訓としてわかったというのが収穫といえるでしょう。
札幌市内でも南西部を中心に広範にシロアリは生息しているので
みなさん、建物の腐朽には十分注意されるようにオススメします。


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シナリオライターの世界

2013年06月06日 12時18分07秒 | Weblog



ここんところ、仕事でシナリオライティングを行っておりまして、
そういう目線で事物に接する自分がいます。
で、息子につられて見始めた「あまちゃん」にハマっています(笑)。
AKB48という社会現象があって、
それをうまくNHKの連ドラとして取り込んでいて
その秀逸さに驚かされます。
きょうも見ていたら、どうやら今後の展開として
東北ニッポンからの東京拠点・上野にGMT47という地元アイドルグループの
拠点を作って、大いに盛り上げようという展開に引っ張っていく気なのか、
どうもNHKドラマの約束事からは大きく自由になっていて
テンポも軽快ですばらしいなぁと驚いています。
海女カフェの紹介シーンでは、あきらかに他局・テレ朝の
十八番番組、大改造劇的ビフォーアフターの
ナレーションや、カメラワークをパロっていて、
いまや、やりたい放題、自由気ままな展開に突入しています。
この調子が、たぶん、現在のドラマ時間2008年7月から
2011.3.11に向かって大団円を突っ走っていくのでしょうが、
いやはや、原作者・クドカンさん、してやったりでしょうね。
数少ないドラマのヒット作、
久しぶりに国民的規模で起こってきているようで、
まことに爽快感が漂っているなぁと思いますね。
大いに全国民に手に汗を握らせ、役者さんたちにやる気を奮い立たせて
登場人物たちのへきえきするような毒のある個性を全開にまき散らせて欲しい。

どうも最近はドラマの毒があんまり世間にまわっていない。
現状追認とか、現状否定、未来暗いというような
想像力よりも、なんとも面白くないことが進行している気がします。
ITの進展で、学歴偏重がいっそう進展していて
人材発掘が未来開発型になっていない、という記事が日経にでていましたが、
同感できる部分が大きい。
結局、人間の素朴な想像力がいちばん世の中を活性化させるし、
勇気を奮い起こさせるように思います。
みなさん、どうお考えでしょうか?
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早朝散歩の復活

2013年06月05日 04時52分13秒 | Weblog



ようやく今週月曜日から、早朝の散歩が復活いたしました。
北海道にいると、冬場は雪かきなどがあって、
「しなけりゃならない」屋外作業があって、まぁなんとかカラダは動かします。
でも降雪が一段落すると、
屋外での運動はどうしても縁遠くなる。
で、春を待って散歩などの運動を再開するということなのですが、
どうもことしはなかなかきっかけが掴めず、
ついついここまで散歩が延び延びになって来ていた。
その間、ゴルフは仕事関係で2回ほどこなしていたのですが、
まったくのぶっつけ本番で、散歩などの
「ならし運転」もしないままに運動突入でありました。
ことしの北海道の春は、たいへん遅く、しかも肌寒い日々が長かった。
突然夏のような陽気の日もあったりするけれど、
その翌日にはまた肌寒い風が吹き渡る、というような天候不順ぶり。

ということで、例年ならば大体5月連休の頃から
早朝の散歩が始まるのが、ここまで遅延した次第。
久しぶりの朝の散歩は、やはり気持ちがすっきりとしてくる。
朝の空気に中にカラダをさらして、呼吸していると
生き物として呼び覚まされるモノがありますね。
生体のリズムはやはり自然のリズムと同期しているほうが望ましい。
わたしは札幌市西区在住ですが、
ちょっとクルマで走ると「北海道神宮」があり、
その周辺が散歩コースの定番。
リスがいたり、キツネも出たりする界隈で、
「自然風致地区」に指定されているので、原札幌の風情が残されてもいる地域です。
これから冬のはじまり頃まで、
せいぜい北の短い暖期を楽しませてもらいたいと思います。
では本日も、行って参ります(笑)。
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Bluetoothマウスへ乗り換え

2013年06月04日 04時58分02秒 | Weblog



土曜日は好天で気温も上昇して遠出していたのですが、
そのときに万が一の編集進行突発事態対応を考えて
パソコンを持参して車内に置いて置いたら、
やや熱暴走気味になりました。
そっちのほうはまぁ回復しているのですが、
問題はマウスの方に大きく出てしまって、
スクロールホイルのゴムの部分が伸びきってしまって、
故障してしまいました。
やむなく日曜日にマウスを買い換えました。
ずっとMicrosoft社のマウスを使ってきていまして、
今回は、本体Macとの通信にBluetoothを使うマウスに交換しました。
例によって、マニュアルの類はいっさい見ることなく
ガチャガチャと装置したら、とりあえずは動いたので
考えずに使っていたら、スクロールのホイールがない。
その代わりに、平面的でやや大きめな金属ボタンがある。
直感的には、その4隅をタッチしたら
なにかのアクションが始まると考えていたのですが、
どうもそれは出来ず、左右のクリックボタンしか動作しない。
「ありゃりゃ、困ったぞ」と買い換えも考えたのですが、
休日で多少は時間もあったので、やむなくマニュアル、というか、
製品の包装に書かれている説明書きをようやくにして読んだ(笑)。
パソコンの始まり頃の、「直感的操作性」という
スティーブジョブスさんの言葉を信じている、超アナログおじさんですので、
なかなか、説明書きの類は読まないのであります(笑)。
困ってから、ようやく読むんですね。
で、どうやら最新のドライバソフトがあるらしいということでインストール。
・・・でもなにも出来ない。
そこで再度諦めようか、となる。
で、再度パソコンに触れたときに、ふと、
触り方に違いがあるのではないかとようやく気付いて
件の「平面的でやや大きめな金属ボタン」に対して、
スクロールホイールのような触り方をしてみた。
そうしたら、ようやくにして上下スクロールができた!!
おいおい、であります。
どうも「直感的」とは言えない動作生のように思われます。
スクロールホイールは、形状もまるでクルマのタイヤのようなので、
直感的に回せば、と気付くけれど、
この金属ボタンに対して、指の腹を前後になぞらせる、という動作は
どうも想定がつかないように思います。
ちなみにわたしの場合ではまだ、ちょうどよい動作生を獲得できていません。
まぁ慣れの部分かも知れないのですが、
直感的に按配ができるところまでは行っておりません(泣)。

Bluetoothによる交信自体は問題はない。
多少立ち上がりの時に、交信開始が遅めだとは思うのですが、
それはまだ我慢できるレベルなのでいい。
まぁ買ってしまったので、慣れるしかないと自分に命じております。
なんですが、パソコンの世界、対岸にいるMac使いから見ると
例のWindows8の低調ぶりにやや心配させられます。
最新のWinパソコンで7に「ダウングレード」して
出荷しているケースが多いそうですね。
使っているユーザーはたいへん多いOSメーカーなので、
その企業文化の盛衰には気を揉ませられる部分もあります。
もうちょっと、頑張って欲しいものだなと思う次第。
まぁ、Macのほうも、スティーブジョブスさん死後、
革新的な製品出荷が進んでいない。
どちらにも、事業を革新させる動きに期待したいと思いますね。
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格子天井

2013年06月03日 05時03分20秒 | Weblog



写真はわが家の主居室に施した「格子天井」の様子です。
わが家は、1991年の建築でして、ことしで築24年目ということになります。
建築当時は建築家・倉本龍彦さんが活躍されていた時期で
わが家の設計をお願いした高村正夫さんも知遇を得ていて、
ぜひこういう天井のデザインを採用したいということになったのです。
よく倉本さんの設計作品ではこの格子天井を見ていました。
ただし、そのデザインについては各人で違いがあったように思います。
施工はきわめて大変です。
これは、天井自体はコンクリートスラブでして、
その視覚的硬質感をやわらげるのが目的だったように思います。
そのコンクリート面からアンカーを吊り下げて、
それに組み上げた木格子を取り付けていくわけです。
4cm角の垂木材を2層に組み上げてあります。

で、建て主としてはその後現在に至るまで、
この格子天井を眺めながら暮らしてきた次第です。
なんというか、独特の「わが家」感をもたらせてくれていまして、
嫌いではありません。
まぁ自分で合意して採用したので、当たり前か(笑)。
ただ、その後、あんまりほかではこの住宅デザインは見ていません。
やはり合理的な施工方法ではなく、
一般に受け入れられるデザインとは言えなかったのだろうと思います。
わが家はコンクリートブロック造・外断熱ですが、
それもきわめて希少な建築と言えるので
まぁ全体として物好きのレベルともいえるでしょうね(笑)。
ただ、この格子天井、ずっと過ごしていて、
それなりの愛着を感じております。
独特の陰影感があって、単調になりがちな天井デザインへの物申す感がある。
こういうところでも作り手としての主張をしたい欲求は理解出来る。
建築のデザインって、たとえば施主にとってどういう意味があるのか、
自分自身でモルモットになってきたのですが、
本質はやはり「個性を主張して生きていきたい」ということなのでしょうね。
そのいくつかのディテールとしてこのようなデザインを生むのでしょう。
その根本のところで、そういう意志が隠されているのだと思います。
きのう、ある設計者の健康回復宣言パーティに行ってきて
いろいろな若いひとと出会って、
たいへん楽しいひとときを過ごせました。
たとえば、こういうマイナーな表現手法に込められた部分に反応するような、
そういう人間としての同質性を感じるのでしょうね。
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後藤純男さんと花鳥風月

2013年06月02日 07時16分02秒 | Weblog



きのうは大変素晴らしい好天で、ほんの1週間前からの寒さからは
想像も出来ないくらいの初夏の陽気。
万が一の仕事連絡を考えてクルマに持ち込んで積んでいた愛機ノートPC、
MacBookProをあとで立ち上げたら熱暴走気味の不審な動きを見せるほどの
温度上昇の一日でありました。
ということで、前から行こうと計画していた
上富良野町の「後藤純男美術館」まで鑑賞ドライブに。
高速を札幌から飛ばして、三笠で下りて
そこからは富良野までの国道ですが、
この道はよく知られている緑こぼれるようなドライブルート。
1週間前まで、ことしは春が来ないのではないかと心配しているほどでしたが
木々は、どの個体もじっと信じて遅い春の訪れを信じていたようで
見渡す限りすべての木々がそれぞれに一斉に、みごとに芽吹いてくれていました。
ことしの北海道のさくら、ヤマザクラは、
葉が花よりも先に出てしまう残念な開花でしたが、
それが表すように、木々は、それまでにすべての準備を整えて
気温の上昇を待ち続けていたのですね。
そんな新緑の中を抜けて、富良野から上富良野へ。
写真のような十勝岳連山のふもとの美術館に到着しました。

先日何かの案内で、
ことしから、音声案内を導入したという知らせを受けていたのですが、
多くの作品にそうした画家自身に取材した「解説」がついていて、
深く理解出来て、たいへん楽しかったです。
この美術館は、北海道にあるけれど、
日本美術の最先端に位置することはあきらかで、
そこで画家の大作群を一気に見られるのは、得がたい体験機会。
寺院の子として生まれながら、画業を志して
生涯を貫いてきた軌跡をたどることができます。
東京芸大の主任講師を長く務められ、
日本画界の至宝とも言うべき画家さんなのですが、
あまりにも全国レベル・世界レベルなので、
北海道内ではむしろそれほど知られていない。
きのうも、時折団体観光バスツアーも来館するのですが、
その波が去ってしまうと、わたしとカミさんふたりで作品群を独占鑑賞できる。
まことに豪奢で、たっぷりとした豊かな時間を過ごすことができます。
画家の作品は、日本人的な美意識、花鳥風月の現代でのありようを
鮮明に伝えてくれていると思うのですが、
その最先端的な「花鳥風月」ニッポンが、この厳しい風土条件の北海道で
ふたたび大きな息吹を再体験しようとしている
その大きな現れではないのかと感じています。
画家は、日本の美意識の基本になる奈良・京都の古都のたたずまいを
若いときからずっと取材し、スケッチし続けてきた。
そういうなかから、日本人の作り上げてきた造形感覚の中心的美意識をつかんでいる。
それは、建築化されたような京都の自然と建物のおりなす空間美を
みごとなまでに客観化してみせてくれている。
そうした感性を持って、北海道のこの自然に向き合って、
いわば、拡大した花鳥風月の世界を、新たな日本画作品として描き出している。
日本の側から、北海道への愛を表出した世界なのだと思います。

たいへん楽しい時間をふたたび持つことができました。
帰りに、短時間ですが艦長さんともお話しできました。
深く感謝しています。

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ヤマトシロアリ侵入事件

2013年06月01日 07時06分59秒 | Weblog



一昨日、編集スタッフのいる1階から時ならぬ悲鳴。
助けを求めていたので、行ってみると
床から壁面にかけて、羽根アリが発生しておりました。
当社のお隣には広いお庭があるので、春先この時期には
アリさんたち、コロニーの分裂期を迎え、
どうも隣接する建物めがけてやってくることが多い。
あんまりパニックにならず、冷静に対処するほうがいい。
なんですが、やはり虫は嫌いな人が多いので、どうしても悲鳴は上がる(笑)。
なんですが、ことしは初めて見る「羽根アリ」ということで、
掃除機などで掃除すると同時に、数匹を捕獲して業者さんに見てもらうことにしました。
スタッフがインターネットで調べてみるとどうもヤマトシロアリなんですね。
「え、北海道にもいるのかなぁ?」
ということだったのですが、
わたしも調べてみたら、どうも間違いないようでした。
で、建物外周を調べてみましたが、特段の蟻道などの侵入痕跡は見られない。
一応、防蟻材は問題部位の外周付近に散布しましたが、
専門の業者さん、青山プリサーブさんに連絡して、
きのう朝、診断に来ていただきました。
「ええ、ヤマトシロアリに間違いありませんね」ということ。
「厚別区では余り見かけませんが、それ以外の札幌市内全域にいます」
なんだそうであります。
ふ~~~む、ついに北海道でもシロアリ対処が不可欠になるのか、であります。
ただし、わが社社屋は木構造は表しで、その点検からは
構造材の腐朽などは、もちろん見られない。
しかし、どこかにはそうした問題箇所があって、そこの木材腐朽の匂いや
雨水からの浸透水分から、かれらシロアリさんは
感覚して探知し、「エサ場」として開拓しようとしたに違いない。
さてそれはどこか、ということになります。
で、建物外周を青山さんと詳細に探索。
やはり、お隣の庭の木製の塀が、倒壊している根元部分の木材、
きわめてもろくなっているそれを手で砕いてみると
案の定、シロアリが発見できました。
かれらの生態は、地中深くに大きなコロニーが形成されていて、
そこからいくつもの「エサ場」を求めて地表部に現れるのだそうです。
で、わが社屋の外周部を点検してみましたが、
やや気になったのが、西南側隅角部分の外張り断熱した、
断熱材を抑えるための胴縁の木材であります。
外壁側からドンドンと叩いてみると、木の粉のようなものが飛散落下する。
どうもその材料がもろくなっているように感じられる。
とりあえず、本体木構造内部には結露などの問題はないので、
今回事件は、アリさんのコロニーの分裂による一時的な侵入で、
あまり被害の拡大は考えにくいと思われるのですが、
対処法としては、シロアリさんたちにエサを与えて食いつかせて
そこにコロニー撃滅用の薬剤エサを投与するための
「ステーション」を建物外就3mごとに設置する作戦を検討することにしました。
新住協の全国大会でも基本対策とされていたものです。
なんですが、やはり建物の点検もこの際に行おうということにしました。
考えられるのは通気層を伝って屋根からの雨水がジワジワとした
水道を作っていて、それが胴縁木材に滞留している可能性があるのですね。
その結果、胴縁木材が腐朽している可能性がある。
アリは、湿潤し腐朽した木が大好物なんですね。
そうした点検のために、外壁を一部開けてみて壁体内をチェックしようと思います。
また、同時に木製窓の塗り替えも行う必要もあるので、
まぁいっぺんに、これらの点検作業を行おうということになりました。
そういう意味ではアリさんたちに、お知らせいただいたような次第ですが、
建物のメンテナンス、しっかり対処しなければなりませんね。
今後、進展に合わせてご報告していきたいと思います。
それにしても、北海道にもいるんですね~~~。
みなさんもぜひ、ご注意ください。
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