ブログ開設3周年企画
⑰生生流転
「一人にしないで」
人の生き死には突然に悲しみと衝撃を遺族に与えます。
先日、海老蔵の長男の勸玄君の舞台稽古をテレビで観ましたが、いじらしくらいにわずか5歳の勸玄君が頑張っていました。
たしか、源氏物語の演目で光源氏(海老蔵)が須磨に流罪になる時お別れに来た光の君に春宮(勸玄)が「わたしを一人にしないでおくれ」の台詞を言なり、壁際に走り寄り泪を流していた。
海老蔵が後ろから勸玄君そっと抱きしめていました。
お母さんの麻央さんが2年前に亡くなって、まだまだ甘えていたい、玩具で遊んでいたい五歳の幼児です。
〇役向きに健気なるかな海老蔵の五歳の長男決定の貌 涼風
〇稽古場に母無き勸玄泪する「一人にしないで」の台詞の辛し
「AIスピーカー」
老いて一人暮らしになると一日中会話が無い時が多くなります。
そんな高齢、独居社会に向け AIスピーカーが話し相手になってくれる試験貸与が始まりました。
児童の登下校の見守りをしている86歳の老人が 今日の天気はと
聞くと、「気温○○度、寒いですよ」と答える。
それでは厚着をして行くかと老人は少し厚着をして出掛けました。 「ただいま」とかえって来ると、「おかえりなさい」と答える。
それでは着替えをしてくるねと言うと、「それならお手伝いする事はありませんね」と見事に答える。
〇身寄り無き高齢らにAIが与えてくるる家族のぬくもり 涼風
〇一人居の媼は言へリAIが「寒いですよ」と気遣ひくるる
「宮中歌会始」
1月16日に皇居で宮中歌会が開催されました。
美智子皇后さまの御歌は、
「今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇(そうび)のみな美しく」
老境の寂しさを素直にお歌にされました。
〇「今しばし生きなむと思ふ」皇后の素直な御歌に胸のつまりて 涼風
〇八十五の皇后さまの老境にふと影を差す老いのたゆたひ