リコの文芸サロン

文化、芸術、手芸など人生を豊かにする情報発信ブログを始めました。より良いブログに育てるためにコメントなどお寄せください。

高野山の襖絵:千住博画伯

2021-06-14 | 奇貨譚

長い間、白襖のままの大主殿。

3月18日に千住博さんに高野山金剛峯寺の襖絵の「瀧図」に芸術活動で優れた業績の日本芸術院賞、恩賜賞が送られました。

★1月31日のブログを再アップします。

1月23日にNHKスペシャルの放映を見ました。
2015年の高野山開山1200年の記念行事として、
次の1000年を見据えた企画として
千住 博画伯(63歳)は高野山金剛峯寺の大主殿の茶の間(出家、得渡の際に使う部屋)と囲炉裏の間の44面の襖絵を描かれた。この部屋は長い間、白襖に成っていた。
完成までの6年に及ぶ創作の様子が放映されました。




下記の青字をクリックすると5分間の番宣が観れます。

リコは当初、以下の疑問を持ちました。
○放送中に那智の滝の画像が流れましたのに、なぜ、瀧の絵も紙に皺をいれて岸壁を右に左に分かれ流れ落ちる滝を表現しなかったか?

○瀧は紙を斜めにして上から絵の具を流して描かれたので平らな面を真っ直ぐに流れ落ちた水にしか見えず、瀧音が聞こえない。山中の瀧でなくコンクリートの壁を流れ落ちる瀧のように見える。

○千住画伯は完成した高野山での瀧の襖絵を見て「慈しみに満ち、暖かい瀧に成った」と話してみえた。
動を「崖」として紙に皺を入れてゴツゴツの質感を出された。一方、静を「瀧」として描かれたのだろうか。絵は芸術であって写実ではない。



リコは何度もこの特集を観て解りました。
○瀧音を無とし、お大師の声を聞こうとこの瀧を描かれた。
「命をかけて描きました」と画伯は言われた。
画伯は無意識だったかも知れませんが、
「感応道交」の風光です。


○瀧の絵の中にお大師様が見えると千住画伯は言われた。何度も仕上げをしてみえた箇所です。
不思議なことに襖絵がはめ込まれた部屋の横の部屋にお大師様の御像が安置されていた。



茶の間に「崖」、囲炉裏の間に「瀧」を描かれた。



大昔に読んだ武満 徹の『音、沈黙と測りあえるほどに』(1971年10月発行)を思い出します。


「」
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美智子皇居様の歌

2021-06-14 | 奇貨譚

1月16日の宮中歌会始で美智子皇后のお歌は、  

「今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇(さうび)のみな美しく」

 皇居・御所のバラ園でプリンセスミチコなどのバラが咲く情景をある日の夕方に見て、残された日々を大切に生きようという思いを皇后様は珍しく心情を明かされたお歌に詠まれた。

皇后さまも85歳になられて心が弱くなられる中、夕方にバラを見た時のお気持を詠まれた。美智子皇后様も老いを寂しむお心がおありだとしんみりとしました。


リコは1月13日のブログに「力落しなるもの」をアップして曽野綾子さんの『夫の後始末』に関して老後を
取り上げていますが、まさに皇后さまも最後の歌会始で老後を詠まれた。

リコも20年もすれば曽野さんが言われている「個体の老化」が勢揃いする事でしょう。

それならば心構えを
しておこうと思った矢先に、1
月7日にNHKの「ルソンの壺」で司会の真山仁氏が4人の社長の失敗談から
学んだ成功の秘訣について真山氏のコメントをリコ成りに理解して、
「いずれ来る老化には身体、心に色んな変化が有って当たり前、衰えると言う覚悟を持っているだけで、
 思わぬ事が起きても対応可能なのだ」と考えました。

具体例
①あれもしょうこれもしょうとあまり計画を広げない。
自分も老いていることを念頭に置く。体力、気力、特に忍耐力が激減する。
 その時になると予想していたことと全く違う状況が多いので覚悟をしていても役に立たないかもしれないが、数十年前にこんな事を考えたと覚えておこう。


②連れ合いとの相性、他の家族との兼ね合いも在るので曽野綾子さんの本の様には物事は運ばないと理解して、「出来ることをしたら良い」とリコは気楽に考える事にします。

③今の日々の暮らしは体調不良とか困り事があると神頼みで氏神様にお参りをしています。
 人間なかなか合理的には生きれませんね。


〈参考〉真山仁氏は「ハゲタカ」等の小説でお馴染みの人気作家です。

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⑲中庸を保つ

2021-06-13 | 奇貨譚
ブログ開設3周年企画
⑲中庸を保つ
以前、アップした。記事です

★★ 2020年12月 ★★
宥座の器(ゆうざのき)



この道具の意味は、
入れ物が空っぽだと傾き、程よく水が入ると真っすぐに立ち、満るとひっくり返ってしまいます。
【中庸の徳】を教えています。

大阪はついに赤信号が点灯しました。
コロナ禍でこの1年をバタバタと過ごしてしまいました。
改めてこの1年を振り返り、己の覚悟を確かめます。
精神年齢60歳までに他者(自然、動物等も)から学び、精神年齢が60歳になったら、それまでの経験、知識を整理して、自分を見つめる時間を増やし、これまでの人生を整理する。

めったやたらと人の意見を聞きたがらない、〇〇講座に入り習い事をする時はよくよく考えてから始めよう。
70歳でも精神年齢は40歳、40歳でも精神年齢は60歳の人います。

コロナパンデミックで外出自粛、常時マスク(ヨガの教室でもマスクをしてヨガです)で生命エネルギーが低下しているのか些細な事が気になったりイライラしてます。
最近のリコは嫌な事が重なりイライラしたり、落ち込んだり、寝付けなかったりで、生命エネルギーの下降現象です。
リコの精神年齢は60歳に成ってない事を確認している日々です。

『シナン』上下巻の本の中に詩人のザーティーの素晴らしい詩がありましたので紹介します。
・・・孤独は人を賢くする・・・
p98
独りはよい何故なら独りの時に
多くのものは
その人のもとにやってくるからだ。
哀しみも
それに耐える分別も
哀しみは人生の伴侶であると
その分別がおまえに
教えてくれるだろう
そして
老いもまた
その人が独りの時にやってくるが
神もまた
その人が独りの時に
その人を訪れる
孤独は深い泉である
汲んでも汲んでも
それは神の英知のごとく
尽きることがない

・・・人は旅人である・・・
p284
いつまでも
あると思うな黒い髪
あると思うな心の炎
旅人の髪は
旅の途中で白くなる
旅人の心に燃える炎も
旅の途中で消え果るつ
恋さえも
ああそして憎しみさえも
旅の途中で枯れていく
それを哀しむ心さえも
野の風のように
どこかへ行ってしまう
ああ、それでもなお
それでもなお
人は旅人である
人は旅に向かって足を踏み出す
ああ
御神よ
御神よ
旅は今もなお
老いてなお青葉萌え
青葉風にきらめき
まだわたしを
野の果てに誘うのである

  

 夢枕 獏著 『シナン』上下巻
コメント (2)
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高所で見晴らす

2021-06-12 | 日々彩彩
★長安二十四時②
(①は5/29にアップしました。)
テロリストが三台の馬車にダイナマイトをつんで唐の長安(8世紀頃の話)の町を焼き付くそうと暗躍している。

策士の若様と主人公の張小敬

テロを阻止すべく立ち上がったのが張小敬戦士、町を暴走する馬車の方向を屋根に登り確認して屋根を走って三台の馬車を阻止した
彼の体力、気力、知力に拍手喝采です。



灯籠祭りの灯籠。夜に火を灯される。

しかし、まだダイナマイトは何処か大量に隠されていて夜に灯籠に火が入ったら、テロリストはダイナマイトに一気に火を放ち長安を焼き尽くす計画だった。


ダイナマイトを積んで長安道路を暴走するテロリストの白い馬車。


火を放ち暴走する馬車。


屋根の上から馬車がどの道を走るか張戦士は確かめている。
高い所からは過去、現在、未来が見渡せる。


望樓(展望台のような物見の搭)では張戦士がどこでどう戦っているか逐次、障子の様な版を動かして各役所に知らせ、その暗号を読んで紙に書き、伝令が関連の役所に知らせに走る。



★昨夜、主人が大活躍。
テレビの横の壁、床から10cm位の所を3cm位の大きいゴキブリが動いている。
テレビの後ろなので配線がゴチャゴチャしている。
なんとか殺虫剤を三度程浴びせて、主人が畳んだ新聞紙でゴキブリを叩き潰した。
右手に新聞紙、左手に殺虫剤を持って
80歳の主人が手早く動いたのには感動しました。

★リコが最近、困っているのはスマホの入力ミスです。
誤入力例、
全く違う語が入る→(*_*)なの、
ご→が、だ→で
予測語の近くの語が入力される。1111188833333、(ヾノ・∀・`)だ

リコのタイプミスではなくスマホの不具合です。まだ3年しか使ってないのに。
その時は正しく入力されていても、一度前に戻って入力を見ないと知らない内に違う言葉に成っている。
御免だよこんな不便なこと。
Gboardとやらに設定を変えようかと思ったけどまだ評判が安定してないので、7月に新しい機種が出るのでその予約をしました。




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生生流転

2021-06-11 | 奇貨譚

ブログ開設3周年企画

⑰生生流転

「一人にしないで」

人の生き死には突然に悲しみと衝撃を遺族に与えます。
先日、海老蔵の長男の勸玄君の舞台稽古をテレビで観ましたが、いじらしくらいにわずか5歳の勸玄君が頑張っていました。

たしか、源氏物語の演目で光源氏(海老蔵)が須磨に流罪になる時お別れに来た光の君に春宮(勸玄)が「わたしを一人にしないでおくれ」の台詞を言なり、壁際に走り寄り泪を流していた。

海老蔵が後ろから勸玄君そっと抱きしめていました。

お母さんの麻央さんが2年前に亡くなって、まだまだ甘えていたい、玩具で遊んでいたい五歳の幼児です。


〇役向きに健気なるかな海老蔵の五歳の長男決定の貌 涼風

〇稽古場に母無き勸玄泪する「一人にしないで」の台詞の辛し


「AIスピーカー」

老いて一人暮らしになると一日中会話が無い時が多くなります。
そんな高齢、独居社会に向け AIスピーカーが話し相手になってくれる試験貸与が始まりました。

児童の登下校の見守りをしている86歳の老人が 今日の天気はと
聞くと、「気温○○度、寒いですよ」と答える。

それでは厚着をして行くかと老人は少し厚着をして出掛けました。 「ただいま」とかえって来ると、「おかえりなさい」と答える。
それでは着替えをしてくるねと言うと、「それならお手伝いする事はありませんね」と見事に答える。

〇身寄り無き高齢らにAIが与えてくるる家族のぬくもり 涼風

〇一人居の媼は言へリAIが「寒いですよ」と気遣ひくるる


「宮中歌会始」

1月16日に皇居で宮中歌会が開催されました。
美智子皇后さまの御歌は、
「今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇(そうび)のみな美しく」

老境の寂しさを素直にお歌にされました。

〇「今しばし生きなむと思ふ」皇后の素直な御歌に胸のつまりて 涼風

〇八十五の皇后さまの老境にふと影を差す老いのたゆたひ

コメント (1)
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