8月7日(日)~8月9日(火)、BSプレミアムで3夜連続
【 空海 ~至宝と人生~ 】 が放送されるようです
(※因みに再放送は8月21日午前~午後にかけてBSプレミアムで
纏めて放送されるようです。私はHDD録画予約済みです)
先日の夜中、一足早く 番組のダイジェスト版が
放送されていましたが僅か15分程の番組案内も
興味深い内容でした。その時のアナウンサーの番組案内を
中心に、一部番組HPから抜粋した内容を
ここに纏めたので ご紹介します。
番組内で流れているBGMも美しいものでした。
清らかな水が流れるが如く、魂の奥底の記憶を
思い出させてくれるかのような、古(いにしえ)を
ふうっと感じさせて貰えるような心地良い音霊に
皆様も、暫し癒されてみては如何でしょうか?
1200年前、四国山中で
己の進むべき道を一心に求める若者がいた。
ある朝、洞窟から見えたのは空と海だけが広がる光景。
それを自らの名前にした空海。
空海は、唐の時代の中国に渡り新しい形の仏教、
密教を齎(もたら)し、日本の文化や思想に
大きな影響を与えた。
密教の教えは言葉だけでは伝わらない。
目に見える形にして伝えようと空海が残したものは
それまでには無かった怒りの仏像。
(日本で初めて怒りの表示用の仏像を造った)
国家の安寧から五穀豊穣、無病息災までを祈る
秘密の儀礼。また、優れた書は、
平安時代の三筆と称えられている。
仏の宇宙を描いた曼荼羅も
空海が日本に初めて齎した。
8月7日(日) PM7:30~9:00 第1集 『仏像革命』
平安時代の日本に空海が齎した密教の仏像は、
2011年7月~9月まで東京国立博物館に展示されています。
京都 東寺の講堂に並ぶ21体の仏像。
空海が晩年に構想した 『立体曼陀羅』
中央の座を占めるのは、密教の本尊、大日如来。
その周りを様々なポーズと表情と仏像が囲む。
宇宙の創造をもたらした梵天、
凛々しい表情を称える帝釈天は
宇宙を統治する、と言われている。
空海を主人公にした歴史小説を
18年執筆している作家、夢枕 獏氏が
強い関心を抱いているのは、
日本では空海が初めて造ったと言われている、
圧倒的な力で迫る怒りの表情をした仏像である。
激しい行相をあらわす明王像
それまでの仏像は、慈悲の心を顕し、
怒りをあらわにしたものはなかったという。
空海は怒りの仏像を中国で知った。
804年、31歳の空海は、新しい仏教を求めて、
唐の都 長安へ向う。何故、怒りの仏像なのか?
夢枕氏は、かつての長安、現在の西安を訪ねる。
そこには唐の時代の、数少ない密教の仏像が
残されていた。『立体曼荼羅』の中にある
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)は
怒りの表情をしている。密教では怒りを顕す明王が
人々を災いから守ると共に、その恐ろしさで
人々を導くとされている。慈悲だけでなく、
怒りの仏を持つ密教に空海は求めるものを見つけたと
夢枕氏は考え、「慈悲の仏だけでは収まりきれない、
癒しきれないものを人間は持っているという
ベーシックなものが空海には有ったと思う。その時に
空海が必要としたのは、怒りとか怖いもの」と、氏。
夢枕氏は、怒りの仏像に込めた空海の思いを探り、
ドラマの脚本を書いた。
空海はどのように仏像を造って行ったのか、
仏師 松本明慶氏の指導のもと、
日本で初めて怒りの仏が生れた様子を再現する。
それまで日本にはなかった怒りの仏の誕生、
空海がもたらした仏像の革命を描く。
8月8日(月)PM8:00~9:30 第2集『名筆の誕生』
空海が残した直筆の書から空海の人生を辿る。
年齢を重ねると共に、多才な書を残した空海。
その豊かな表現は、日本の書の歴史に
大きな足跡をのこした。空海青春の思いを
戯曲仕立てでかいた国宝、ろうこ指帰(しいき)は
空海24歳の時、仏教を志し出家したことを
自ら綴ったもので、現存するものでは最も古い、
空海の直筆である。当時、仏教界の第一人者だった
最澄に贈った手紙がある。
それは「風信(ふうしん)むんしょ」、で始まる『風信帖』。
空海が40代を迎える時の書で、行書と草書を見事に
使いこなしている。この書を交わした頃、最澄は
空海の弟子の1人となる儀式を受け、
空海の名声は高まっていく。48歳になった空海の、
奇っ怪とも称される書が残されている。
それは太くかすれて波打つ独特の文字。
「読ませるものではなく、見せるもの」と、語るのは、
書家 岡本光平氏。岡本氏は、30年に渡って
空海の書体を研究してきた。
読ませる文字ではなく、見せる文字。
空海はどんな思いを込めたのか?
62歳で生涯を閉じた空海が、
晩年に書いたと伝えられる書には、
【 人の短所を言ってはいけない。
自分の長所を自慢してはいけない。】と言う
教訓を書いたこの書は文字の崩し方や連ね方に、
日本独特の表現が生れていると言われるが、
空海の書としては異質のものである。
書家の石川九楊氏はこの書に
やがて誕生する ひらがなの芽生えを見る。
空海が残した数々の名筆、そこに秘められた物語を
2人の書家と共に読み解く。
8月9日(火) PM 8:00~9:30
第3集 『 曼荼羅の宇宙 』
空海自らが
「密教の教えは深く、文字では伝えられないので
絵図を用いて表現する」と、語っているように
密教美術は造形の宝庫であり、多彩さと秀逸は
仏教美術の中でも群を抜いておりその頂点に立つのが
縦4.2m、横3.9mの巨大な『両界曼荼羅図』。
空海が中国から持ち帰った密教。
その世界を目に見える形で表現したのが曼荼羅。
色彩を施したものでは現存する最古の両界曼荼羅は
平安時代の色づかいが鮮やかに残っている。
大小様々な仏達。その数 およそ1800。
天界を示す仏、怒りの仏、
森羅万象が仏の姿で表されている。
1つ1つの動きや表情には
どんな意味が込められているのか?
仏たちの宇宙とも言われる
曼荼羅の宇宙を訪ねるのは、
国際的に活躍される気鋭のダンサー森山開次さん。
(この方のダンスは舞台で何度か拝見させて頂きましたが
肉体美もさることながら、卓越したその表現力は
本当に本当に素晴らしいものでした。踊る為に
生れてきた方、そんな風に感じさせられました。
番組内では曼荼羅から得たパワーを新作のダンスにして
表現されるようなので こちらもとても楽しみにしています)
森山さんは、仏達の手や仕草を読み解く為
密教発祥の地、インドの舞踊にヒントを求め、
空海が修行した場所を訪ねる。
空海が自ら制作に関わった曼荼羅がただ1つ
残っている。現存最古の両界(りょうかい)曼荼羅。
当時の色合いは殆ど失われ仏の形もよく分からないが
X線を使った調査で見えてきたのは
金と銀によって描かれた仏の姿だった。
当時の技法を使って復元された曼荼羅が
奈良 国立博物館にある。金と銀で描かれた仏達が
今にも動き出すかのように輝く。
森山さん曰く
「エネルギーが身体の中のエネルギーとなって身体の中を
動かしてくれる、身体の中を巡ってくれる、
それが動きとなって踊りにしたいな、
という思いはあります。」 とのこと。
仏達のエネルギーに満ちた空間、曼荼羅。
空海が中国からもたらした至高の美の神髄に迫る。